プレゼンテーション2

VARを理解しよう

あけましておめでとうございます。いよいよJ1リーグの開幕ですね。
さて、J1では今年からVARが導入されます。ゼロックス杯でも何度かVARが入りました。

僕たちもVARについて知らないと現地で置いてきぼりになる時代が来たと言うことで、分かっておいたらストレスなく観戦できるレベルでまとめてみました。



用語集

VARの説明において出てくる用語たちです。なんとなーク覚えているとVARの理解がしやすいです。

・VAR (Video Assistant Referee)
主に映像を確認する審判。

・AVAR (Assistant Video Assistant Referee)
VARを補助する審判。APP、possible offside 等のコールの役割を担う。

・リプレーオペレーター(Replay Operator)
技術的な役割を担う。VARの要望に応じた映像を流す。

・delay
VARが主審にプレーの再開を遅らせるよう指示する事。ディレイの際はVARが映像をチェック中。

・review
映像による判定を行うこと。VAR only review と On field review の2つをまとめて説明する時に使う。

・VAR only review
VARのみが映像を確認する事。確認の後、主審に助言を行うこと。
客観的な事実に基づく判定(ハンド、ゴールラインを超えた、オフサイド など)に用いられる。

・On field review
主審がピッチ脇のモニターでVARからの映像を確認し、判定を行う事。
主観的な判断を要する判定 (反則の強さ、オフサイドポジションでプレーに関与したか、DOGSOの有無など)に用いられる。

・TV signal
主審が手でテレビモニター型の長方形を描く動作のこと。VARにおけるreviewを行う時にする。

・DOGSO (Denying Obviously Goal Scoring Opportunity )
日本語訳は「決定的な得点機会の阻止」

以下の4要件が揃うと成立する
①反則した場所とゴールとの距離が近い
②攻撃側選手のプレーの方向がゴールに向いている
③守備側チームは当該選手の他に守備ができるフィールドプレイヤーがいない
④当該ファールによって攻撃側がボールをコントロールできなくなった

→ドグソが成立すると退場になる。そのため、VARにも大きく関わる。(介入パターン③)

・APP (Attacking Possession Phase)
攻撃のスタートから終了までの一連のプレーの事。終了というのは、攻守が交代した、ボールがピッチ外に出た、パス交換でボールを最終ラインまで戻した場合などを指す。
VARにおいては、このAPPの間についてのみ振り返る。

・Possible DOGSO
DOGSOの「可能性あり」ということ。Possible red card や Possible offside の場合も同様に 「〜の可能性あり」という意味。


VARについて

本題です。

VARはどんな時に介入するのか?
基本的に以下の場合のみで、それ以外では介入ができません。

①得点か否か
②PKか否か
③退場か否か(2枚目の警告のは対象外)
④警告、退場の人間違い
これらに加え、見過ごされた明確な間違い
→ボールの関係のない位置でのファール(殴る、蹴るなど)、明確なハンドの反則 など

先述のDOGSOについて、DOGSOが成立すれば退場となる為、VAR介入の③に該当します。

また、APPの範囲内においてのみ介入します。プレーが切れたor攻守が変わったなど、一度APPが途切れたらその判定を振り返る事はありません。(delayでプレーの再開を遅らせている場合を除く)


VARの介入の流れ

(Jリーグ公式より引用)

①反則と思われる事象が発生

②VARが必要なアングルからの映像でチェック。場合によっては主審に "delay" を指示。

③「明確な間違い」があった場合のみ、"review" を行う。その場合、VARから主審に対して
「VAR to referee. I recommend "On field review". Possible DOGSO. (VARから主審へ。"On field review" を推奨する。DOGSOの可能性あり。)」
など、何に対する反則で "review" をするのかを伝える。(少なくとも2019ルヴァン杯では英語での運用)

④主審が "TV signal" を行い、何れかの "review" を行う。(必ずしも、"On field review" ではない)

⑤"review" が終わったら、再び "TV signal" を行い、最終判定をする。(当初の判定から変わるとは限らない)





まとめ

VARはあくまで「アシスタント」であることを忘れないようにしましょう。

最小限の介入で最大限の利益を という理念のもと行われ、その判定は“はっきりとした、明白な間違い”であったのかどうかが焦点となります。
また、主審の「はっきりとした、明白な間違い」を正す援助をするものであり、最良の判定を見つけるものではないということは頭の片隅に入れておきたいですね。

VARについてはJリーグ公式でもかなり多くの動画が出ています。開幕前に一通り見ておくと理解が深まり、より楽しいサッカー観戦ができると思います。それでは、よいJリーグライフを。

【参考】

VAR?ついていけないよ~。今話題の『ビデオアシスタントレフェリー』をわかりやすく解説します!

Jリーグは大丈夫? 万能ではないVAR運用の「リアル」と「審判員の本音」

今季の明治安田生命J1リーグより、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)が導入されます。-清水エスパルス

written by ogatantanmen


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