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ハードボイルドストーリー「シンクロメッセージ−1」

【アーティストの時間帯(時間)】
ハードボイルドストーリー
「シンクロメッセージ−1」
プロローグ

 僕はバスに揺られていた。気が付くとバスに揺られていた。そのような感覚だった。気が付くと!あるいは目が覚めると!そのような感覚だった。
 すでに日は落ちて静かな暗いトンネルの様な空間を流れる様に走るバスに乗り僕は揺られていた。バスの中の客は後ろに学生が2人乗っているだけで、後は前に、、、
 老人の後頭部が見えたのだ。しかし僕は何か時間の無い世界を彷徨っている感覚に陥った!
 その老人の後ろ姿が、その昔まだまだ日本が全体が貧乏な時期に現在は大企業となったパナソニックの創業者松下幸之助の後頭部に似ていたのだった。時間を越えて別の次元に移動している感覚だった。
 それが今日一日の答えだったのかも知れない!僕はそう思いながら目的地までバスに揺られていた。途中で一人女性が乗って来ただけでバスの中は静まり返っていたのだった。僕は目的地で老人の横を通り客の女性の顔を一瞥してバスを降りた。女性は目が綺麗だったが無表情だった。バスの運転手も何か全てがその空間の背景に思えるくらいに静寂を漂わでていた。
 バスを降りた僕はバスを見送りながら、またこれが今日一日の答えだったのかも知れない!そう思い返していた。
 今日と言う始まりのインパクトは、最終的にこの感覚が僕の新しい一歩になるのかも知れない!と言う序章に過ぎないのかも知れない!何かが開通したのだろう。バスの中で座っていただけでも僕は何かを成し遂げていたのだろう!
何かが始まる!遠い昔の学生時代に感じた身震いするような希望を思い起こしている僕であった。
         つづく
【ご注意】このストーリーは全て作者の体験からヒントを得た感覚を表現したに過ぎないフィクションです。
※G ART logic 総合エンターテイメント研究所
アーティスト福智一正が提供しています。
ネット上のSNSに直接書き込んでいるため、誤字脱字が多い事をお許し下さい。

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