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香川での出来事

本日は『吉本興業110周年感謝祭 わろてください!オール阪神・巨人です!』の香川公演に出演させていただくということで、香川県はうたづにお邪魔いたしました。

ニッポンの社長、ガクテンソク、アキナさん、矢野・兵動さん、阪神・巨人師匠の漫才があり、そのあと、巨人師匠の歌謡ショーがあり、最後にトークコーナーという構成でした。

暖かい香川のお客さまのおかげもあり、漫才はめちゃくちゃ楽しくやらせていただいたのですが、歌謡ショーとトークコーナーがエグかったです。

巨人師匠が『夢浪漫』を歌ってらっしゃるところに、ニッポンの社長のケツが、モノマネ番組のご本人登場のタイミングで歌いながら舞台に出ていって、最終的に巨人師匠より深めの挨拶で〆るという暴挙に出たり、歌謡ショーを閉めようとした阪神師匠が、声を張り上げた勢いでちょっとウ◯コを漏らしたり、トークコーナーでは、師匠が普通に年収を言っちゃったり、マジもんのカオスでした。

総じて最高のイベントでした。師匠、お声がけいただき、本当にありがとうございました。


イベントの前に、外でタバコを吸っていると、相方が駐車場のあたりでソワソワしていました。

基本、楽屋入りすると、トイレ以外では一歩も外に出ず、仏像のように同じポジションに居続ける男なので、珍しいなと思って眺めていると、相方が僕に向かって大きな声をかけてきました。

「奥田!亮くんのおばちゃん!」

亮くんというのは、高尾亮太という、僕と相方の中高の同級生で、相方に関しては小学校も同じだった友達です。サッカー部でもあり、中学校のときは、ちょっとクールなモテキャラだったのですが、高校に入ると、突然イジられキャラに変わって、文化祭や運動会などの行事ごとになると、絶対に前に出て盛り上げるタイプのやつでした。おそらく、学年で1番おもしろいと思われてた男です。

勉強は全然できなかったので、高校卒業したらNSCに行こうかなと言ってた時期もあって、そのとき、

「奥ちゃん、NSCとか興味ない?」

と言われたこともありました。その時の僕は、芸人になりたいと思っていなかったので、即座に

「いや、高尾とは無理やって笑」

と断りました。その後彼は、サッカーで東京の大学に行きました。そして、大学1年の梅雨の頃、東京から大学の友達たちと車で関西に帰って来ている途中、高速道路での事故で命を落としました。

高尾のおばちゃんは、今は香川に住んでいるそうで、今日のイベントがあることを知って、わざわざ楽屋まで挨拶に来てくれたんです。

僕たち2人が並んでいる姿を見て、涙を浮かべながら、

「ありがとうね。」

と言ってくれました。そしてカバンの中から高尾の写真を出して、

「亮太が喜ぶと思って、写真持って来たのよ。」

と言って、写真を見せてくれました。そこには19歳の高尾の姿がありました。それを見て僕たちは、

「若いなぁ。俺らもう40なってもうたわ。」

と言いました。おばちゃんは、

「2人ががんばってくれたら亮太も喜ぶと思うよ。がんばってね。」

と言ってくれました。胸に熱いものが込み上げてきたところに、続けておばちゃんが

「けど、香川やと奥田くんが1人で出てるテレビしかやってないんよ!カズくん何してんの!」

という、軽めのダメ出しが飛んできたので、熱いものが一瞬で下がっていきました。そして、カズくんは苦笑いしかしてませんでした。


色々な形で喜んでくれる人がいるから、僕は今日も明日もお笑いをしたいんだなと思える1日でした。

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