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よじょうというおとこ

今日は8年目に突入した、FM大阪『よしもとラジオ高校〜らじこー〜』の生放送でした。生放送中にもお伝えしたのですが、相方のよじょうくんは、昨日の『明石家電視台』の収録で、大スベリどころか、スベることも出来ませんでした。

MCの山崎アナウンサーが、「本日の初登場は学天即さんです!」と紹介してくれて、我々が声を合わせて、「よろしくお願いしまーす!」と言いました。


これが、彼の最後の言葉となったのです。


しかし、僕にはその結果が予想できていました。なぜならその日、楽屋で台本を読んでいると、彼が

「やばいな。俺ら全然出るとこないわ。」

と言ったからです。

もう彼とは長い付き合いです。これを言った日は、99%一言もしゃべれません。たまにある1%は、MCさんから

「よじょうはどうや?」

と急にパスが来たときに

「どうですかねぇ。」

と、パスをノートラップでMCにはじき返すとき。なので、実質100%。

しかも、昨日の現場は、彼にとってはさらに逆風が吹いていて、ステージには、さんま師匠、寛平師匠、村上ショージ師匠、蛍原さん、中川家さん、アインシュタインさんがおり、客席側にはギラついた芸人30人。

彼が一番苦手とする『前に出る力』が必要な現場だったのです。

僕には結果が見えていましたが、彼には結果が見えていなかったようで、収録後、楽屋に帰ると肩を落としている彼がいました。

『めんどくせえ空気出してやがる笑』

と思いましたが、おそらく収録の話がしたいんだろうなと思ったので、話をフリました。

僕「ガヤ入れたら、さんま師匠と目が合ってメッチャ緊張したわ。」

よ「そうやったんや。俺からはよく見えへんかったわ。」

(そんなわけないやん!ずっと横の席にいたやん!)

僕「結構ガヤいれたつもりやけど、どれくらいオンエアになるかわからへんな。」

よ「たしかにな。」

(いや、あなたしゃべってないから!ノーオンエア確定やん!)

僕「、、、」

よ「全然前出られんかったわ。。」

(いや、知るか!芸歴何年目の悩みやねん!ほんで、何を「今日は」みたいな言い方してんねん!毎回出られへんやないか!今までずっと前に出れてなかったやつが、なんで今日は出れると思ってん!ポジティブになれる本でも読んだ!?じゃあ、前には出られなかったけど「今日は」みたいな言い方できてるから、多少は効果があったかもね!いや、言うてる場合か!)

ここで、一応言っておきますが、愚痴じゃないですよ笑

いつもどおりで、予想通りのことが起こっただけなので、愚痴なんてあろうはずもないです。

そもそも、僕は相方として、漫才のことでダメ出しをすることはあります。しかし、芸人として、彼になにか言うことはありません。

『他人に腹が立つのは自分が未熟だから』

僕は芸人として、考えも経験も足りない未熟者です。なので、芸人として彼にいうことは何もありません。あ、友人としてはめちゃくちゃ言います笑

よじょうが明らかなミスをして凹んでいるとき、僕は心のなかでめちゃくちゃ笑ってます。

『またラジオで言えること増えたわ笑』

『すぐマネージャーに報告したろ笑』

ってな感じです。

性格悪!

という声が聞こえてきました。空耳かな?

ただひとつ言っておくと、彼はミスをしてこその芸人なのです。本人はその時のそのミスで凹んでたりしますが、今後、違う現場で彼が変な空気にしてしまったときに、

「いや、前の明石家電視台のときみたいに凹むことになるぞ!」

みたいなツッコミを挟めるんです。そこでウケたら前のミスもチャラになってボロ勝ちになるんです。

『失敗は成功のもと』なんて当たり前で、失敗した時にやめるから失敗なんで、成功するまで続けりゃいいんです。

彼がスベるときや、ミスするときは、自分で自分の笑いへのフリを作っているんです。

そのことに僕も周りも気づいていますが、もちろん彼は気づいていません。今後も気づかせないようにしていこうと思います。

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ガクテンソク 奥田修二
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