イカのたまり場

頭からこの単語が離れない。イカのたまり場。

虹の黄昏という最近好きなお笑い芸人が、自身のユーチューブチャンネルの企画で絶叫していた。イカのたまり場ーーーー!!!!!!

企画はしりとりで、イカのたまり場は何と3単語目で出現している。ちなみにその前は「しりとり」→「リモート授業」→「運動会」。

この絶妙な具合はすごい。まず、生まれて初めて聞く。おもしろ造語であると思うが、現実で使用されていないとは言い切れないラインにいる。イカのたまり場まで移動しまーす。船釣りロケで船長が言っていたかも。届きそうで届かない胸につっかえる絶妙な感覚をおぼえた。

動画上ではイラストやのイカの集団が校庭の隅で固まっている様が表現されていた。なんだそれは。考えれば考えるほど、「たまり場」という単語がツボに入ってくる。たまり場。

イカのたまり場。気になって検索してみた。

結果を見て、後悔した。

出てきたのはスプラゥーンの情報をまとめたブログだったのだ。知りたくなかった。こんな俗な使われ方をしているなんて。イカのたまり場はもっとユニークな言葉であって欲しかった。凡人の発想にはない、天啓の言葉であって欲しかった。最初にイカのたまり場と聞いたときにした爆笑が、汚された気がした。誰のものでもないイカのたまり場に笑っていたつもりだったのに。イカのたまり場の純度が落ちてしまった。見なければ、純度100%のまま過ごせたのに。知らない方が幸せだった。

ブログを少し眺めたら冷静になって、ページを出た。そして他に検索ヒットがないことを確認した。底は見えたということだ。これ以下はない(イカだけに)。何てことはないダメージだと自分に言い聞かせた。実はこのサイトを出る時点で、この残念な気持ちはかなり小さくなっていた。ページの更新が2015年で止まっていたことに気づいたのである。

俗なイカどもはもういない。イカのたまり場は取り返された。そう言い聞かせて自分を安心させた。






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