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Be Honest 4年 大森虎之介

土志田隊員からご紹介がありました、学習院大学輔仁会サッカー部4年、大森虎之介です。

……

大森虎之です。助ではありません。
今までも数々の人に間違われてきましたが、他人の名前を間違えるというのは人として絶対にやってはいけないことのうちの一つだと考えています。土志田隊員、今後は気をつけてください。

そして、僕がサイコパスと呼ばれる様になった所以を知らずに僕のことをサイコ呼ばわりしている諸君。それはまた別の機会にでも説明するとしましょう。もっとも、聞いた後は僕のことをサイコパスだなんて口が裂けても言えなくなるだろうけどね…。


さて、同期の中には気づいてる人もいるかも知れませんが、僕は自論を語るのが結構好きなタイプなんです。(将来教師を目指していることにも繋がっているのかも。)
普段から様々なことについて考えるのが好きで、自分の将来であったり、物事の考え方であったり、その時ふと頭に思い浮かんだことを淡々と考えて、自問自答し、自分なりの答えを出す、なんてことをお風呂に入りながらよくしています。笑
そんな僕なので、少々長くなるかも知れませんがよかったら最後までお付き合いください。

では、本時の「ねらい」は以下の通りです。

・大学サッカーに身を置いたことによる自分(本ブログの主人公)の変化を捉える

(…実は僕、つい先日まで母校で教育実習をさせてもらっていたんです。ロスがすごいんです。こんなに別れが惜しいものだとは思わなかったなぁ…。涙)
さて、導入(冗談)はこの辺にしておいてそろそろ内容に入っていきたいと思います。

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・大学サッカーという環境内での自身の変化

そもそもなぜ僕は大学に入ってまで「サッカー部」にこだわってサッカーを続けようかと思ったのか。

一つ目の理由が、高校でのサッカー活動に満足できないまま引退してしまったため。

僕の母校(都立北園高校)のサッカー部は、お世辞でも強いとは言えない弱小校だった。特に自分の代は、小粒揃いではあったけどみんなのベクトルがバラバラでまとまりのない、もはやチームと呼べるのかすら首を傾げてしまうような代だった。(今思えば、自分が中途半端なことしかやってなかったからそうなってしまったんだと理解できる。)
結果、夏の大会(訳:選手権地区予選のこと。当時僕はこの大会が冬の選手権に繋がっていることさえ知らなかった。笑)では2回戦であっさり負けてしまい、引退した。

引退が決まった後、ふとした時に考えることは大体サッカーの事だった。あの時こうしていれば…とか、ほかにもっと出来ることはあったんじゃないか…とか。
そしてその気持ちは、日を追うごとに強くなり、同じように敗退して引退した中学の頃のチームメイトやお世話になった(今でもなりっぱなしの)コーチ達と話したりする中でどんどん大きくなり、「もう一度、真剣にサッカーがしたい」と思うようになった。気づけば大学受験の際、志望校の選定に「大学のサッカー部に入部出来るところ」という項目が自分の中にあった。


二つ目が、弱小校出身でも大学サッカーで通用するところを証明したいと思ったから。

大学サッカーのレベルがどのくらいかということはあまり知らないまま入部したが、練習の回数が増えれば増えるほど自分とのスピード感・球際の強さ・切り替えの速さ・フィジカルの圧倒的な差を思い知らされた。もはや、高校の頃僕がやっていたサッカーはサッカーなんかじゃ無かったんだと思わされるくらいに、レベルが違った。

普通に考えてみればそれは納得の出来る話だった。インターハイ・選手権で全国を目指してプレーしていた人達の中に、弱すぎて自分が戦っている大会がどこへ繋がっているかさえ知らない雑魚が混じってサッカーをしたいと言ったのだから。

今までは周りが弱すぎて通用していたことが大学では何も通用しないことに気づき、正直この中で自分がとてもやっていけるか不安に思うこともあった。

しかし、一方でここにいる人達、かつては全国レベルで戦っていた人達と対等に渡り合う事が出来たら?そして勝つことが出来たら?どれだけの達成感が得られるのだろうかということを考えると、こんなにもやりがいのある場所は他にないと思った。本気で彼らに喰らい付いていきたい、勝ちたいと思うようになった。そういうチャンスがこの世界にはあると気づいた時、僕は弱小校出身であろうと通用するところを証明してみせると決意した。


この2つが、サッカー部でサッカーを続けようと決めた主な理由だった。あとは単純にサークルという集団が個人的に好きではないからというのもあった。笑


そして、上記の理由でサッカーを続ける中で様々な変化が自分に起きた。

一番大きく変わった部分は、このブログのタイトルでもある、様々な事に対して「素直になれた」こと。
そしてこれは変わることが出来たからこそわかるのだが、「素直になる」とはある意味で一番難しいことなのではないかとも思った。

人間とは弱い生き物だから、何か上手くいかない事があればそれを他人や他の何かのせいにして消化し、あたかも自分は悪くない、自分に非は無いと自身を正当化する。

自分もそうだった。新鮮な気持ちで、0からサッカーをスタートするつもりで始めたものの、くだらないプライドが邪魔をしていつも自分に悪影響を与えていた。
大した努力もしていないくせに、自分が上手くいかないのは周りが悪いから、良いパスを良いタイミングで供給しないからだ、という様に。
そんな気持ちでサッカーをしていても楽しい訳もなく、不満を溜めてはそれを周りに撒き散らして、あの頃は本当にチームにとって害悪でしか無かったと思う。

しかし2年の途中くらいであっただろうか、はっきりとしたきっかけはなかった気がするが、段々と素直になることが出来る様になってきた。
自分のミスを自分のミスだと素直に認めること。味方とプレーが合わなかった時に、まずは自分に問題があったと考えられるようになったこと。簡単な事だと思われるかもしれないが、これは自分にとってとても大きな進歩だった。

自分のミスを認められる様になると、今までは無駄なプライドがシャットアウトしていた指示や要求の声が聞こえるようになった。
するとどうだろう、今まで合わなかったプレーが合う回数が増えた。味方の考えが手に取るようにわかる気がした。

僕はその時に初めて気付けたのかもしれない。
「あぁ、サッカーってこんなにも楽しいものなんだ」と。
サッカーで得られる喜びは、自分が点を決めた時だけではないんだと。

味方とのプレーで点と点が合う感覚。アシストをして味方が点を決めてくれた時の感覚。守備でイメージを共有して思い通りにボールが奪えた時の感覚。
こういったプレーの全てに対して素直に喜びを感じることができるようになった。

最近は、例えばBの選手と一緒に試合に出ると、その選手の良さを引き出してあげられるようなパスや声かけをして、共に勝利する喜びを共有したいとまで考えられるようになってきた。いまだに悔しさのあまり頭に血がのぼりヒートアップしてしまうこともあるけど、感情に任せて一方的に意見を押し付けるだけではなく、冷静になった後、自分の思ったことを伝えようとするようになった。

今では自分が少しでも上手くなるためなら、同期だろうと後輩だろうと関係なくアドバイスを聞き入れる事が出来る。意見を共有し、お互いに高め合う関係を真剣に作っていきたいと思える。

今では僕は自分のことを自信を持って「下手くそ」だと言える。練習中や試合中にだって、自分のプレーが下手すぎてつい口からこの言葉を漏らしてしまうことも少なくない。

しかし、そんな僕にある人はこう言うかもしれない。「プレイヤーとしてのプライドを持って戦え」と。それもいいだろう。でも僕の中での正義はそうじゃない。

弱さを認められたから、僕はここまで成長できたのだと。そして、この先も成長し続けられるのだと。

素直になることで、自分の実力の無さに気付けた。
素直になることで、自分の長所と短所に気付けた。
素直になることで、周りの声を聞くことが出来るようになった。
素直になることで、周りからの評価も変わった。
素直になることで、自分はまだまだ上手くなれると知った。


素直になることで、サッカーが楽しくて楽しくて仕方なくなった。


新型コロナウイルスの影響で部活としての活動が出来なくなった約4ヶ月間、自身を客観的に評価して、長所を伸ばし短所を改善するために試行錯誤する時間は十分にあった。怪我をしないための体づくり、基礎技術の向上、アジリティ能力の向上、試合の大事な局面でスプリントをかけられるだけの体力の底上げ。そしてこれらの取り組みは事実、アミノバイタルカップで自分にとって初めてのAチームメンバー入りという結果をもたらした。

だが満足など1ミリもしていない。出来るはずがない。
自分はまだまだ上手くなれる。自分はまだまだ強くなれる。
そこに成長の可能性が少しでもある限り、地に足をつけて一歩ずつ歩み続けたい。
そして、僕のようにBチームでずっと悔しい思いをしてきた選手たちの希望の光となりたい。必ず公式戦のピッチに立って、チームのために活躍してみせる。

Be honest.
素直であれ。             

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あとがき

入部する前は、自分が学習院サッカー部をこんなにも好きになるなんて思っていなかった。
本来、僕は自分が出ていない試合なんて微塵も興味が無いタイプの人間だった。(普段はプロの試合なんかも一切見ない。典型的な、自分がプレーすることが好きなタイプだ。)
けれど気づけば夏の暑い日も、冬の寒い日も、公式戦で本気で声を枯らしながらチームを応援している自分がいた。
チームの代表として決死の覚悟で闘うその姿に、僕はいつの間にか魅力されてしまったのかもしれない。

ただ、今のチームはどうだろうか。
本当に愛されるチームになれているか。
一人一人のプレイヤーが真剣にサッカーと向き合って、その結果、試合に出られないプレイヤーがメンバー入りしたプレイヤーに対して自分たちの気持ちを託しチームの代表として闘ってくれと心の底から思えるくらい、お互いに本気で取り組む事が出来ているだろうか。

僕はそうは思えない。
何かを言い訳にして逃げ道を作っている人がいるのではないだろうか?
「自分だけは出来ている」と、そんな考えを持ってしまってはいないだろうか?
今一度、この文章を読んでくれた全ての人に考えてほしい。
素直になって、自分を客観的に見つめる事が出来れば自ずと自分のやるべきことは見えてくるのではないかと思う。

先日、3週間の教育実習を終えた僕はその翌日から部の活動に復帰した。
久しぶりに本気のサッカーをして、やっぱり楽しい、幸せだと心からそう思えた。
けれどそれは「サッカー」そのものが楽しいというだけではない。
「学習院大学サッカー部」としての活動に、僕はここにいられることに対して喜びを、幸せを感じているのだとはっきりわかった。

愛されるチームでいよう。僕たちにとって最高の場所にしよう。
自分たちならそうあれる自信がある。誰よりも頼りになるキャプテンの基樹。それをサポートしている副キャプテンの大智・勇輝。後輩達を先導する同期の4年生。そして1〜3年生の後輩達。
僕はみんなを信じてる。学年もカテゴリーも役職も関係ない。
残り約2ヶ月、全員がチームのために出来る最善を尽くそう。

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さて、僕の次に担当してくれるのは、学習院サッカー部の超人気アイドル、えりりんこと鈴木絵利夏です!
頭のネジがいくつか吹っ飛んでる故、その奇怪な行動には誰も予想が出来ないことも多々ありますが地頭はとても良いという本当に不思議で掴めないマネージャーです。笑
入部からしばらくは、笛を吹くのもままならずプレイヤーから怒られることもあったけど、いつの間にかチームの大切な仕事を卒なくこなせるほどに成長してくれたことには驚きを隠せない一方で、本当に感謝しています。
そんな絵利夏の本音、一体何を聞かせてくれるのか…?! お楽しみに〜!!