宮城天、刹那の淡い輝きをどうかこのまま終わらせないで

宮城天がやってくると聞いた時、私は興奮しました。
たまたま見ていたJ3で見つけた富山時代の宮城選手。そのプレーには1目見ただけで度肝を抜かれました。
それから、宮城選手を追いかけるようになり、川﨑に戻ってのプレー。特に鹿島戦やガンバ大阪戦でのゴールには心が震えました。

そんな隠れ宮城天ファンだった私は、あの圧倒的な天才、宮城天が長崎に来ると知った時、これまでにないほどの喜びを感じたことを覚えています。
ここまで書いてきて、自分で言うのもなんですが、宮城選手のことが相当好きなんです。僕は。

そんなこんなで、長崎に加入する前から、とてつもなく思いがあった宮城選手。期待度も相当高かったのですが、開幕戦からその期待度を遥かに上回る衝撃を与えてくれました。

華のある1プレー1プレー、ヌルヌルとした独特なドリブルに、芸術品のようなトラップ。 実際に彼のプレーを見るとわかるのですが、明らかに異質なんです。

J1時代も含めて、J2でも現地で色々な選手を見てきました。伊東純也や前田大然も見た事はあるし、確かに彼らもすごい。

ただそんな、代表に登り詰めるような選手とも違う。ボールの触り方だけで、俺は宮城天だと主張するような独特な触り方、感じさせる野心。そして、想像よりもサッカーIQが高くて、プレスのかけ方の上手さや発言にも覚悟を感じました。

はっきりと僕は、宮城天のトリコでした。

長崎が勝てない時期、彼を見るためにスタジアムに足を運びました。彼が試合に出るのを心待ちにし、メンバー外だと本気で悔しがりました。寂しがりました。

そんな宮城天に、転機が訪れてしまいます。そうアウェイ大分戦の軽率な退場です。

1枚目の不可解なイエローがあったのはかわいそうでしたが、それにしても、あまりにも軽率な退場が、宮城天の長崎での未来を閉ざす形となりました。

彼のプレーが大好きだからこそ、あのプレーは絶対にやってはいけなかったと思う。SNSでは、宮城を生かせなかったカリーレを責める言葉が多くありましたが、あのプレーは出場機会を失う理由になってしまうほど、軽いプレーでした。

偉そうに言える立場ではありませんが、プロの世界は1つのきっかけが全てを変えてしまう。そんな経験がこれからの宮城天の糧になっていればなと思います。




大体、J2に居るべき選手じゃないんです。圧倒的な輝きを持っているのに、その輝きを部分的にしか出せない。そんな姿にもどかしさを感じていました。

退場後に1度、天皇杯で出場機会がありましたが、そこでもボールを持った時は素晴らしいものの、ボールを受ける機会がとにかく少ない。ボールを受けさせられない味方も悪いかもしれません。ただ、自分からボールに関わろうとする姿勢の少なさが、使われない理由なのだろうなと思いました。

プレスにガムシャラに行くわけではないし、裏抜けもどんどんする訳でもない。そんな彼にとって、誰がどう見ても文句を言えない結果を出せなかった以上、使われないのは仕方ないのかなと思います。

これから、宮城選手には、もっと圧倒的な選手になってほしいなと思います。ボールがなかなか来なくても、1つのプレーで局面を変える。試合を決める。そんなプレーヤーになってほしい。

とてつもなく上手い選手から、とてつもなく怖い選手になってほしい、そういう風に思います。上手さはもうすさまじいほどにあります。後は脅威に。

川崎サポーターの皆さん、半年間ではありましたが、長崎サポに宮城天はたくさん愛されたし、宮城天の存在はとても大きかったですよ。半年で出て行く、川崎側からするとあまりいい気はしないかもしれないですが、出られない中でも、多くの長崎サポに愛され、惜しんでいます。

本当は僕も、悔しくて泣いてしまうほど宮城選手には長崎に居てほしかった。辛く、とても寂しいです。


最後に、宮城選手。あなたを最初に見た時から、J2に居るべきではない、J1でもなく、日本に留まらず海外で大活躍して、代表で日本を驚かせるような選手になると、信じて疑っていません。本気です。

そのために、悔しいでしょうが、今この壁を乗り越えて頑張ってください。これからもずっと応援しています。

J1で刹那に、短い期間輝いた選手で終わらないでください。あなたはもっと太陽のように輝ける選手だと思う。宮城天の未来に幸あれ。

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