見出し画像

「き」と「け」の発音を矯正した話

閑話休題、今回はちょっと毛色の変わった話を書いてみます。

日本人で(日本人に限らないのかな)ときどき「き」と「け」の発音が変な人いますよね。調べてみるとどうやら「側音化構音」という発音障害らしい。実はかつては私もその一人でしたが、40歳を過ぎた頃に「治したい!」と思って自力で矯正に取り組み、今では普通に発音できるようになりました。その経緯についてを書きます。


どう「変」なのか?

子供の頃から何故か「き」と「け」がうまく発音できず、何とか近い音が出るように、と辿り着いたのが奥歯の後ろから空気を抜く方法でした(下図):

「き」と「け」を発音するとき奥歯の後ろ(図の赤丸)から空気を抜いていた

「き」「け」に近い音にはなるのですが、ちょっとこもったような感じですし、口の奥で空気が抜ける時の雑音が混じって聞こえます。聞き苦しいし、聞き返されることもありました。

「自分で直そう」と一念発起

この発音を自分で直してやろう、と思い立ち、40歳を過ぎた頃に取り組み始めました。きっかけは「あれ、英語で "kitchen" はちゃんと発音できてる気がする」とある時に気づいたこと。そもそも "k" の子音がちゃんと発音できるなら「イ」と「エ」の母音との組み合わせができるようになればいいんだよね、と。ちょっと練習すればできそうな気がする! 

[k]を発音するときの舌の動き(英語漬け.comより)

子音と母音を組み合わせる練習

正しい発音の仕方はわかったものの、実際にそれができるようになるには練習が必要でした。40年くらい間違った発音が癖になっていたのでそれを矯正するのですから。「k, k, k, k, …」と繰り返し k の音を発音して、それに「イ」「エ」を続けてみるという練習を何度もリピート。そうすると徐々に慣れてきてうまく発音できるようになってきました。そうしたら「き」と「け」が含まれるいろいろな単語の発音練習です。「危険」「柿」「華厳の滝」など思いつくがままに。単語の頭に「き」「け」が来るものだけでなく、途中に現れてもちゃんと発音できるように。

日常生活で実践

うまく発音できるようになってきたら、普段話す時にも「き」と「け」の音を意識して発音するように(意識しないと元に戻ってしまう)。あまりにも意識し過ぎてぎこちなくなってしまったこともありますが、それは産みの苦しみ。しばらく経つと正しい発音の方が癖になり、逆に以前の発音が出てくることは無くなりました。

意外にも簡単に直ったので、もしこの発音問題で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?