死んでしまったかもしれない君へ

死んでしまったかもしれない君へ

君はいつも言ってたよね
私が自由に生きてほしいって
私はわからないんだきっと昔から
立ち方泣き方笑い方すら分からなかったから
でも君が死んだかもしれない日
わたしはとても元気に朝からバルコニーで水を浴びてせっせと掃除して朝ごはんも作って食べてシオランを読んであいも変わらず煙草を吸って
なぜかいつもよりも少し元気なんだ
自分が自分でいられるような気がしたんだ

朝目覚めたくなくて眠剤を沢山飲んだ昨日のことだってちゃんと覚えているよ
愛すべき人の前できみのどうしようもなくだめなこと話して苦しいなって呟いて、じゃあ僕が温めて沢山慰めてあげるから大丈夫って言葉に甘えて、結局君のことを考えながら眠りに落ちたんだけど夢は酷かったな
いつまでも手を伸ばしても救えないところに君はいて私が何もできずに終わる夢だったな
それを毎時間繰り返して夢から覚めて再び寝て、結局お昼になっちゃった
でも今はすごく元気なんだありがとう

生まれながらにして人生ハードモードのわたしたちっていままでよく人生紡いできたよね、私はいい大学を出て大手に入って働き続けて、君は何かを成し遂げて努力して生きてきた 私と違って今も努力し続けてる偉い人間だ 私もでも止まるつもりはないけどね
君が死んだとしても私の前から消えたとしても君の遺した言葉ってのは私の中でちゃんと吸収されているから大丈夫だよ

また一本吸うね 煙草って臭いよね
シオランの本おすすめだよ
って、他にも沢山読んで欲しかった本がいっぱいあるけど本なんて結局紙切れでわたしたちの深い傷に刺さろうが救ってくれるものではないからもうどうでもいいや
もう自分のことこれ以上責めなくていいんだよ

私はいつも言ってるよね
自分のこと責めたり無理したり嘘ついたり他人のために自己犠牲するのやめなって
結局他人のために死んでいくあなたは自己犠牲してるって主張するかもしれないけどそれは違う気がするよ
最後まであなたの言葉に異を唱えてごめんね
出会った頃からそんな感じでごめんね

毎日祈ってたけどそれが届かなかった
ただそれだけの話だから 
いつかどこかで生きてたらきっとそれが届きますように
いつかあの世で死んでてもあなたにそれが届きますように
愛と同情履き違えてごめんね また会えますように

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?