チラ裏程度の語彙力でデデデデを総評してみる。(その1)

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(以下デデデデ)が完結した。まずはいにお先生、八年間お疲れ様でした。生まれてはじめて出会えてよかったと思える作品でした。

あらすじ書くと長くなりそうなのでこの記事では割愛。

1巻からかましてくれます。浅野先生。ドラえもんのオマージュ、「イソベやん」から始まり、それが門出の日常と繋がる。斬新だと感じた。作中でもちょくちょくイソベやんの道具の名前が出てきてるし。門出やおんたんの日常に溶け込むイソベやんをまず巻頭で出してくる。トリッキーかよ。

そして日常に馴染むはずの無い「母艦」が出てくる。それに疑問符を持たず受容しているキャラクターたち。これには幾許か既視感を感じる。

そう、それは3.11とそれにおける福島第一原子力発電所の事故である。デデデデの世界では門出たちが中学3年の8.31に母艦が突如として現れた。母艦と侵略者と日本は戦っているのである。母艦が現れた最初の頃は市民がデモに行き日照権の保障を求め抗議している。しかし人々はいつしか母艦と戦闘している日本を受容してしまう。これは震災後と福一の事故後の世間の空気とダブる部分がある。

福一の事故後、原発反対、反核の機運は高まった。しかしいつしかその反核の空気は薄れていき冷笑系と言われる人々が影響力を持ち嘲笑うことで市民運動から大半の人が退いていった。これはデデデデでも似た描写が見受けられる。例を挙げるならば門出の母親がそうだ。仕事とデモに明け暮れる、門出に言わせれば「プロ市民」な母親が描かれている。一方それを冷めたように受け入れて生活しているのが門出である。家族とはいえ全く真逆な感覚を持つ人間像が描かれているのだ。

2巻では後にキーとなる小比類巻と須丸光がピックアップされる。キホちゃんの彼氏である小比類巻。ただのサブカル男子かと思わせてネットで病み垢作って世界を知った気になってキホちゃんを見下す。実にゲスい。こういう男現実にいたら蹴っ飛ばしたい。また須丸さんが渡良瀬の彼女であることが判明する。まあ出てきた時点で倦怠期に入っているのがなんとなく伝わった。さて、須丸さんの同期の三浦太郎。なかなか好きなキャラの一人です。現実世界での例えが欲しいがいい例な人がいない。残念だ。2巻の半ばではクリパが繰り広げられている。うーん、JKライフが羨ましい。クリパに興じていても東京では戦闘が繰り広げられている。ある意味平和だね。。。しかし!クリパも解散し場面変わって東京で猛烈に雪が降ったシーンで大葉くん登場!最初見た時くしゃみで頭パカってなったのはビビったぞ。その後尾城先輩の部屋に侵入した大葉くん、見つからないように布団に潜ってるシーン可愛かったです。グフ。

3巻では冒頭から須丸さんと渡良瀬が登場!!ぬー。正直ここら辺でリアリストすぎる須丸さんが少し嫌いになってました。今は普通に嫌いだ。自分がロマンチストだからというしょうもない理由で。まぁ結局破局しましたねー。ケッケッケ。そしてその後2巻の最後であった吉祥寺の戦闘で無理に自衛隊が攻撃したせいでキホちゃんが巻き込まれて死亡。ただここで描写として気になったのがキホちゃんが直接死ぬシーンを描いてないんですよね。テレビの音声で死亡したことがわかるっていう。実に淡白に登場人物を殺しちゃういにお先生。だがそれがいい!!プンプンとはまた違う。というか正反対。

キホちゃんが死んでも実感が湧かない門出や亜衣ちゃん凛ちゃん。しかしこの三人は悲しんでいる。少なくとも亜衣ちゃん凛ちゃんは目に涙浮かべてるし。しかしわざと通常運転なおんたん。でも一番キホちゃんを気にかけてたおんたん。門出が「キホちゃんがねっ・・!」と告げるシーンで「知ってるよ!!!」と顔を向けずに叫ぶおんたん。一番あのグループでキホちゃんを心配していたからあえて自分からキホちゃんの死という事実を上手く飲み込めずに言葉を放ったのではないか。友情。いいね…

3巻で受験や卒業、引っ越しを迎えた門出たち。4巻からの新たな出会いや更に闇が深くなる日本については次の記事で書きます。

では、はにゃにゃフワーッ!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?