ガイナルーフの調湿実験
ガイナルーフと野地板の間には隙間があり、ドライエリアとなります。そのドライエリアに小屋裏の湿気を受け取り、小屋裏の乾燥を助け、野地板が含む湿気を受け取り、乾燥させる効果が期待できます。ガイナルーフと野地板の隙間に至った水蒸気は、屋根の場所によれば屋外に排出もされることも考えられます。しかしその多くはガイナルーフ裏側に張り付けられている段ボール上の紙に吸収され、野地板の環境が改善されれば放散されると考えられます。
この実験はあくまで簡易実験で参考資料です。ガイナルーフが野地板を乾燥状態に保つために役立つかは実際の施工現場で確認する必要があります。
気温18.9℃ 湿度49%の室内での実験です。実際の設置状況でのルーフィングと野地
板の隙間の湿度はもっと低いと思われます。
0.01㎡のガイナルーフの裏側に加湿器でひたひたになるまで水分を含ませました。
加湿前重さ11.15g-加湿後の重さ11.98g=0.83g
これはガイナルーフ0.01㎡あたりに吸着できる水重量です。
100㎡の屋根の時には、
0.83g×10000=8300g=8.3kg
の重量の水分を含むことができることになります。
野地板自体が木製であり、調湿性能を有します。その性能を良好な状態に保つために
屋外側で水蒸気を受け取ります。ガイナルーフと野地板の隙間は1mm程度ですが、水
蒸気の大きさは0.38nmと超微細であるため、水蒸気の大きさからみれば巨大な空間で
す。その乾燥空間とルーフ背面の紙の保湿性能は、野地板の乾燥を保つために有効だ
と考えられます。
験狩猟後、2時間42分後に実験開始時+0.4gまで乾燥(湿潤状態から—0.79g)しました。
乾燥後も加味表面の劣化は無く、繰り返し調湿が行えることが考えられます。