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地下歩行空間

地元が会場となったスポーツイベント関連の記事をみていたら次のような記述があった。

ちなみに地下歩道空間とは札幌駅から大通、繁華街であるすすきのまでを結ぶ歩行者専用道路だ

これは厳密に言えば誤りで地下歩行空間はさっぽろ駅から大通駅までだ。大通駅からすすきの駅までの地下街にはポールタウンという名前がある。ポールタウンは札幌オリンピックのころにできた地下街であるのに対して、地下歩行空間は2011年にできたただの通路だ。

地下歩行空間にはチカホという名前もあるけどそう呼ばれているのを聞いたことがない。ビッグエッグとかE電みたいなものか。

さらに細かいことを言うと地下歩行空間の北端は札幌駅ではなくさっぽろ駅だ。前者はJRの駅で後者は市営地下鉄の駅。同様に表記が違う駅として「新札幌駅と新さっぽろ駅」がある。どちらも隣接した駅なので区別するために表記を変えたのだろう(その割に定着していない)。JRと市営地下鉄で同じ発音の駅は他に「白石」「琴似」があるが、これらはそこそこ離れているのでどちらも漢字表記のみだ。

話が逸れ過ぎた。地下歩行空間の話に戻す。JR札幌駅の北側にも地下通路がありそこから札幌駅→さっぽろ駅→地下歩行空間→大通駅構内→ポールタウン→すすきの駅構内というかなり長い地下通路となっている。

地下歩行空間は幅がかなりあって(道路で言えば4車線分以上)長さは1駅分なんだけど地下街ではない。店がないからだ。それなのに地下歩行空間には「チカホ」という愛称(?)がある。正式な表記は「チ・カ・ホ」らしい。誰もその名前を使っていない。地下歩行空間は商業施設ではないので別に名前は要らないし、意外性のある呼び方がうけたのか「地下歩行空間」という名称がそれなりに定着してる。

一方、地下街にはポールタウンやオーロラタウンという名前があってそちらは普通に使われている。名前が古臭いけど1970年代に名付けられたので許して欲しい。

大通駅からすすきの駅に向かって南北にのびるのがポールタウンで、大通駅からテレビ塔に向かって東西に伸びるのがオーロラタウンだ。南北→北極星→ポールタウンと連想しやすい。オーロラタウンは開業当初にあったオーロラの滝が由来だ。オーロラの滝は今はもうないけどそこにあったことを知ってる人は「オーロラの滝があった方だからこっちがオーロラタウン」だとすぐに解る。

ついでに言うとオーロラタウンは大通公園の下を通ってるので地下街にしてはわりと幅が広く開業当初は地下街の中央に水が流れていた。今調べたら「よろこびの川」という名前だったらしい。でも覚えてないってことは多分その名前は定着しなかったのだろう。邪魔だったけど別に嫌じゃなかったので廃止されたときはちょっと残念だった。

もっと脱線。オーロラタウンはオリンピック開業に間に合うよう、1年半という短い期間で作られたそうだ。工期短縮のためか、大通公園を2丁分まるごと上から掘って、あとから蓋をするという方法で作られた。ということはテレビ塔から4丁目までの大通公園の地面は札幌オリンピック前の地面とは違うってことだ。

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