おじさん Product Manager サバイバル戦記 2019

この記事は、Product Manager Advent Calendar 2019 の16日目の記事です。

皆さんこんにちは。自称「おじさんプロダクトマネージャー」gacky です。
ネット業界でサービスを作り続けて20年以上、プロダクトマネージャー的な仕事歴も10年以上。そろそろ老害呼ばわりされそうなネット老人会世代ですが、しつこく現役続行中です。
2016年2017年2018年に続き、「おじさん PdM サバイバルシリーズ」の第4弾をお送りいたします。今年はガチでサバイバル!?

おじさん PdM、転職する

いきなり個人的な話で恐縮ですが、転職しました。今年の7月から、とあるグループウェア SaaS 製品の PdM を担当しております。
かれこれ10年以上にわたる PdM 人生において、私は複数回の転職を経験しています。しかし、40代で、過去の転職歴が多い人間が、PdM という職種で仕事を見つけるのには、やはり大変な苦労を要しました。
せっかくの機会ですし、過去の転職経験から気付いたことを書き連ねたいと思います。これから転職する (かもしれない) PdM の皆さんにとって、多少なりともお役に立つことができれば幸いです。

(注) 今回は、PdM → PdM への転職について扱います。PdM へのジョブチェンジや、PdM からのジョブチェンジについては、機会があれば改めて。

盛り上がる PdM 求人。でも...

今年の Product Manager Conference 2019 では、ついに PdM のキャリア形成と転職に関するセッションが開催されました。転職支援のクライス&カンパニーさんが、あの及川さんを顧問に迎えたというニュースを聞いたときも、正直言って驚きましたが、目の付け所は大変素晴らしいと思います。
カンファレンスの公式サイトにも、スポンサー各社の求人情報が多数掲載されていましたし、会場でも Job Board が設置されていました。セッション資料の最後には「お約束」のように "We are hiring" の文字が。PdM 人材に対する需要の旺盛さを感じさせます。

でも、求人が多くても、求人側と求職者がうまくマッチングするとは限りません。私は求職側・求人側の両方の経験があるのですが、実際のところ、PdM 職は相性がとてもシビアで、なかなか相思相愛の関係にならないように感じます。(個人の感想です。効果には個人差があります)

まず、求職中の PdM の皆さん。なかなか内定が出なくても、落ち込まないでください。それが普通だからです。逆に「基本的に内定は出ない」「あっさり内定が出たら超ラッキー」くらいに考えておいた方がよいです。
PdM に求められるものは、会社ごとに大きく異なります。スキル以外の要素も採否に影響しやすい職種です。だから、知人の紹介でもスキルが足りなければ普通に落ちますし、実績豊富なベテランであっても文化が合わなければ落ちます。
現在 PdM 職を募集している会社は、ほぼ例外なく PdM の重要性を理解していますから、PdM の採用には極めて慎重なプロセスを踏むはずです。
それでもぜひ、めげることなく、成功するまで挑戦を続けてください。

【結論】PdM の求人数は多くても、内定は出にくい。でも諦めずに頑張ろう。

PdM は何を求めて転職する?

さて、PdM の皆さんが転職を考えるとき、新天地に何を求めますか?
転職に求めるものは人さまざま、いろんな答えがあると思います。
・金銭的な報酬
・やりがい、インパクト
・自らの成長やチャレンジの機会
・新しい市場や製品領域
・働く環境
・仲間
...etc

私の場合、仕事探しで最重要視しているのは「大義名分があるかどうか」と「社会インパクトがデカいかどうか」の2点です。
ここ数年はいくつかの B2B なマーケティング支援系 SaaS で PdM を務めましたが、どうしても絶対的な市場規模が小さく、頑張って製品を作っても報われにくいという悩みを抱えていました。また、「テクノロジーの解放と民主化」を人生のテーマに掲げる自分にとっては、顧客ごとに手を入れる必要性のない既製品を安く量販することが正義なのですが、マーケットでは製品そのものより個別のカスタマイズや導入支援が重視される傾向にあり、こうした思想の違いにも悩んでいました。
一方で、グループウェアやコラボレーションツールは、多くのユーザーが仕事で毎日触れる道具です。日常的に触れる道具を、より快適で心地よいものにすれば、多くのユーザーを幸せにできると信じています。私にとって、SaaS の神髄と醍醐味はこのレバレッジ効果ですし、せっかく SaaS やるならレバレッジの効くところでプロダクトを作り、エンパワーメントの総量を最大化したいのです。

(注) B2C はもっと大きなインパクトを狙えるけど、20~30代にさんざんやって食傷気味。B2B は分母が少ないが奥行き (=改善余地) が深いのが魅力。
業種・業界特化型の Vertical SaaS でも仕事を探してました。

ただ、PdM 職での転職を目指すときは、必ず「自分の志向性」を考慮に入れるべきだと思います。
PdM として解くべき課題を「自分ごと」にできるかどうかは、PdM としてのパフォーマンスを大きく左右します。「自分の志向性」と「市場の課題」と「製品の課題」のシンクロ率が高いほど、大きなパフォーマンスを出せる可能性も高まります。高いシンクロ率から導かれた情熱は人々を惹き付け、信頼を生み、その信頼が PdM の仕事を素晴らしいものにします。私が過去に遭遇した素晴らしい PdM たちは、ほぼ例外なく、みな深い愛と情熱の持ち主でした。
個人的な課題意識や興味・関心と無関係に PdM を務めることができるのであれば、それはある意味において理想的なプロフェッショナル PdM ではあります。しかし、製品を作るのも届けるのも人間ですから、結局のところ、愛と情熱で人間の心を動かすことができる PdM は強いです。
ぜひ PdM であれば、課題意識を持ち、情熱を持って取り組める製品の PdM を目指していただきたいと思います。

【結論】PdM なら、プロダクトを「自分ごと」にできる職場を探そう

PdM という職種がなかった頃、転職はハードだった

ちょっとだけ、昔話にお付き合いください。

<昔話>
私は1999年、渋谷・松濤の某スタートアップに中途で入社して、ネット業界のキャリアをスタートしました。
基本的な IT スキルは備えていたものの、エンジニアでもデザイナーでもなかった私は、営業やユーザーサポート、 Web マスター、社内 IT など、他のメンバーからこぼれた仕事を拾いまくることになりました。財務以外の仕事は一通り経験した気がします。そんな中でも、いくつかの自社 B2C サービス開発を通じて、Web デザインの外注管理や QA などを経験し、次第に自社サービスの Web ディレクター的な役割を確立していきました。
その後、2002年に某大手eコマース企業に転職し、今で言うところの PdM 職を務めました (当時の社内ではプロデューサーと呼ばれていた。PdM と PjM を足して2で割らない感じの職種)。
担当したのは、グループの会員+ポイント基盤というやや特殊な裏方プロダクトです。セキュリティの重圧に押しつぶされそうになりながら、度重なる M&A による業容拡大を陰で支え、グループ経済圏の形成と発展に尽力しました。手塩にかけて育てたプロダクトは、後輩たちのさらなる努力により、今や多くの日本人の生活シーンに深く入り込んでいます。「父親」の身としては本当に嬉しい限りで、今でもこのプロダクトは誇りに思っています。みんなポイント貯めてね。

さて、2007年から、いよいよ PdM としての転職を経験することになります。
ネットだけでなくリアルな生活にもインパクトを与える製品開発を志向し、主に O2O (Online to Offine) やオムニチャネルと呼ばれる領域で PdM の仕事をいくつか経験しましたが、この頃の転職活動は現在よりもハードでした。その最大の理由は、「PdM という職種そのものが存在しなかった」からです。

PdM という名前を使わずに、PdM の仕事を説明することを想像してみてください。それがなかなか容易ではないことは推測できると思います。
Web ディレクターのような、プロデューサーのような、プロジェクトマネージャーのような...でも実際にはそのどれでもない。
PdM という言葉もなければ、Product Management Triangle もない時代。求人側も求職側も、適切な表現を見つけることができず、ニーズが噛み合いません。
エンジニアやデザイナー出身の PdMであれば、出自となった職種を名乗ることもできます。しかし私のように、明確な専門分野を持つことなく PdM に至ってしまった場合、その手は使えません、結果、求人側には極めて中途半端な応募者に見えてしまいます。実際に、(現在は有名な) ネット企業の採用面接で「いったいあなたは何者ですか?」と言われたこともあります。
そんなわけで、アイデンティティ・クライシスへまっしぐら。「いったい俺は何者なのか?」と自問自答する日々が続きました。一時は PdM の仕事をあきらめ、自社サービスのカスタマーサポート運営やスマートフォンアプリのテストといったオペレーション管理の仕事をしていたこともあります。でも、やはり「プロダクトを作る」ことへの憧れは捨てられませんでした。
</昔話>

しかし、ここ数年で PdM という職種の必要性が叫ばれ、業界内での認知が急速に進みました。「あぁ、自分がやってきたことは PdM だったのか!」という再発見を通じて、自分のアイデンティティとキャリアに対する自信を取り戻すことができました。PdM の仕事も、絶対数こそ少なかったものの、だいぶ見つけやすくなりました。転職支援サイトの職種にも、次第に PdM が登場するようになり、隔世の感があります。ラベル付けって大切ですね。

【結論】及川さんは偉大。

採用側の信頼を勝ち取ろう

Product Manager Conference 2019 では「信頼」がキーワードでしたが、PdM の転職でも「信頼」がキーワードです。
当然のことですが、PdMとして採用できるのは、製品開発の指揮を委ねることができる (またはそのポテンシャルがある) 人材に限られます。よって、それにふさわしい能力を持っていることを証明し、採用側の信頼を勝ち取る必要があります。

知名度の高いプロダクトに関わった実績を示す
社会的に知名度の高いプロダクトに携わった実績は、信頼獲得に大きく貢献してくれます。私の場合、誰もが知ってる会員基盤やポイントサービスを手掛けた実績が効きました。
ただ、自分がどこまで貢献したのか、その領域は示す必要があります。自分がそのとき、自分のプロダクトについて何を考え、どんな行動をしたのか、を語れるようになっておきましょう。

PdM コミュニティへの参加
PdM は極めて重要な職種ですので、見ず知らずの人物より、社員紹介のほうが安心して採用できるというものです。普段から PdM コミュニティに参加していれば、社員紹介や「紹介の紹介」で採用が決まることがあるかもしれません。ソーシャルメディア等での発信も、その「人となり」を伝えるうえで役立つかもしれません。
転職活動では「弱いつながり」をたくさん持っておくことが重要とされていますので、コミュニティやソーシャルメディアなどを通じた PdM どうしのつながりを作っておくのは有益だと思います。臆することなく飛び込みましょう。

年齢が高いと難易度はさらに上がる
年齢や経験年数を積まれた PdM の方は、若手と違ってポテンシャルの部分は評価されません。「プレーヤーとしての実績+何らかのプラスアルファ」をアピールしたいところです。
・PdM としての実績をはっきり示す
・PdM 組織の立ち上げや業務プロセスの構築、PdM の教育・育成といった面での経験や実績をアピールする
・PdM として経験した失敗や、そこから学んだことを伝える

例外的に、おじさんが有利なケースもある

前述したとおり、PdM の採用において、基本的におじさんは不利です。しかし、募集側が「おじさん歓迎」という例外的なケースがあります。
・PdM の組織や仕組みを、これから作っていくとき
・旧来の既存産業と関係するビジネスの場合 (特に金融系)

私の場合、複数の有名ポイントサービスを作った実績があるので、「○○ペイ」のような決済・送金サービスからのお誘いを多数いただきました。もともと得意分野ですし、金融系の外部ステークホルダーを動かすには、確かに若造よりおじさんの方が有利です。しかし、どうしても自分がやるだけの大義名分を見いだせず、「自分ごと」にすることができませんでした。

今後、年配者の方が有利な PdM 求人が増えることを願っておりますが、現時点ではまだまだ極めて例外的だと考えてください。

PdM なら職務経歴書を工夫しよう

PdM には高度なコミュニケーション能力が求められますが、ドキュメント作成能力もその1つです。転職に際しては、正確で簡潔で分かりやすく、多くの人の心を動かすことができるドキュメントが作れる PdM であることを示したいものです。

そこで、職務経歴書を工夫してみることを提案します。
様々な職務経歴書のフォーマットが出回っていますが、他の職種のフォーマットそのままでは、PdM としてのスキルや魅力は十分伝わりません。しかし、当然ながら PdM 用のフォーマットなど、あるはずがありません。
だから、「あなた」というプロダクトを記述するフォーマットを、あなた自身が考えてみるのです。求人側に、PdM としてのスキルや実力を最大限アピールするためには、職務経歴書はどうあるべきでしょうか? 十分なスキルのある PdM であれば、考え出すことができるはずです。
完全な白紙から考える必要はありません。エンジニア向けやデザイナー向け、マーケター向けのフォーマットなどをベースに、アレンジを加えていくのもよいでしょう。

私の場合、転職回数が多いので、普通の書き方をするとページ数が全く足りませんし、キャリアを通じた考えや想いが伝わりません。
そのため、ビジョンとミッションに基づく1本のストーリーを主役に据え、過去の製品や勤務先はストーリーにぶら下げる体裁をとりました。
最初の1ページは年表形式で、20年間の職務経歴と製品をビジュアルに俯瞰できるレイアウトとし、ビジョンの一貫性と製品の豊富さを表現しました。職務経歴書としてはかなり異色ですが、過去に採用していただいた会社では概ね好評でした。

(参考) 40代以上向けのアドバイス記事ですが、PdM の職務経歴書についても同様のことが言えると思います。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO47231280R10C19A7000000?channel=DF180320167080

【結論】職務経歴書を工夫して、PdM としてのスキルを示そう

やりきること、見切ること

本来 Manage という言葉には「やりくりする」「なんとかする」というニュアンスがあります。
だからこそ、PdM には「プロダクトをなんとかする力」が求められます。
PdM を評価するときは、どんな困難に遭遇し、そこでどう戦ったのか、が評価されます。できれば転職を決める前に、今の困難を乗り越えるまでやってみてください。やれるところまでやりきってください。その結果が失敗であっても、自分なりにやりきって、さらにその原因をきちんと振り返っておきましょう。

ただ、世の中には自分の努力で乗り越えられる困難と、自分の努力ではどうしようもない困難があります。倒産や買収。事業の撤退や縮小。各種ハラスメント。家庭の事情。心身の健康。事件や事故...。どう考えても自分の力が及ばない困難に襲われたときは、潔く見切りをつけましょう。ムリゲーを戦うのは命の無駄遣いでしかありません。
責任感の強い PdM ほど、プロダクト以外のものまで背負ってしまいがちです。限りある人生ですから、ぜひ有意義に使っていただきたいです。

【結論】やれるところまでやりきろう。でも不可抗力は見切ろう

転職後に待っているのは「他流試合」

みんな口々に「PdM の役割や仕事内容の定義は、会社ごとに異なる」と言いますが、これはホント。PdM という職種であっても、会社が変われば仕事内容も変わりますし、社内でのパワーバランスも変わります。つまり、転職のたびに「他流試合を強いられる」ようなものです。

とはいえ、総合格闘技である PdM の職種で成長を目指していくのなら、他流試合も修行の機会として、ぜひポジティブにとらえてほしいです。
最初は、これまでと勝手の違う環境に翻弄されるかもしれません。仕事のやり方や文化の違いに悩んだときは、ぜひ自分に「これは他流試合なんだ」と言い聞かせてください。これまでの経験を生かしつつ、PdM 自身も変化を受け容れ、新しいファイティングスタイルを習得していきましょう。
例えば、私が今年加わった組織には、これまで PdM という職種がありませんでした。これから PdM や EM、VPoE といった役割分担を明確化し、スケールする製品開発組織への脱皮を目指していくという段階です。PdM のいる開発組織をこれから作り、製品開発チームとしての文化を育てていくというチャレンジに取り組むことになりますが、これはすでに PdM の存在を前提とした組織が出来上がっている企業では体験できないものです。

ただ、くれぐれも、自分の経験や手法に固執する「道場破り」にならないようにしましょう。特に PdM としての経験が長い場合、無意識のうちに、自分なりの仕事の「やり方」を周囲に押し付けてしまうこともあります。くれぐれも周囲から「上から目線」と評されないよう、十分注意してください。周囲にその意味や意図を説明して理解を得たり、環境に合わせて仕事のやり方を柔軟に変化させる余裕を持ちたいところです。
例えば私の場合、自分なりの PRD フォーマットを持っているのですが、職場が変わるたびにそれぞれの環境に合わせてフォーマットを大きく変化させています。コミュニケーションの手法が違えば、ドキュメントもそれに合わせて変えるべきですから。

【結論】PdM の転職後には他流試合が待っている。自らを鍛え、積極的に変化しよう。

オンボーディング超重要

Product Manager Conference 2019 でも「鳴り物入りで中途採用した PdM は、例外なくうまくいかない」という意見を耳にしました。ある環境下でうまく機能した PdM が、環境を変えた途端に枯れてしまうというのはよくある話で、PdM の定着は想像以上に難しいのです。
先に述べた「他流試合」に起因する部分もありますが、原因はそれだけとは言い切れません。私が実際に体験したものを含め、PdM のオンボーディング失敗事例を挙げます。

板挟み
いきなり社長面接で採用決定したものの、経営層と現場の意見の乖離が激しく、板挟みになった PdM が死ぬ

相性
採用に携わったマネージャー陣からの評価は高いものの、配属先のエンジニアとの相性が悪く PdM が死ぬ
(※特にトラックレコードが立派な PdM だと、周囲が警戒して「お手並み拝見」という態度をとりやすい)

権力闘争
(主に経営層による招聘で) PdM を迎えたものの、製品に関する決定権を手放したくないエンジニアチームと対立して PdM が死ぬ

歴史の重み
(主に歴史の長い製品で) 長年継承されてきた秘術や伝承、秘伝のタレといった歴史遺産の重みに押しつぶされ PdM が死ぬ
(※周囲の人々にとっては常識でも、新参 PdM には地雷。そのギャップに気付きにくい)

中途採用組の PdM は「他流試合」を覚悟しておくべきですが、上記のような政治的・歴史的要因にも十分な配慮が必要です。
PdM として中途入社を目指す場合は、以下のようなポイントにあらかじめ留意しておくとよいかもしれません。

・すでに PdM 職がいるか?
・プロダクトチーム (特にエンジニア) が、PdM の役割と必要性を理解しているか?
・プロダクトチームと経営層の間にギャップはないか?

まだ PdM 職がいない会社や、PdM 向けのオンボーディングプロセスが整っていない場合は、最初はかなりハードな戦いを強いられるつもりでいた方がよいでしょう。入社後に焦って成果を出そうとせず、まずはじっくり丁寧に周囲を観察してください。そして身近なところから信頼関係の構築に努めましょう。社内のパワーバランスを見極められるようになるには、相応の時間を要します。

もし、あなたが新しい PdM を迎え入れる側になったときは、どうか慎重にオンボーディングプロセスを組み立ててください。PdM は信頼を元手に成果を出す職種です。しかし、どんなベテランの PdM であっても、新しい職場では信頼預金の残高はほぼゼロです。スライムに囲まれるだけでもあっさり死ぬことがあります。

【結論】PdM のオンボーディングは、採用以上に慎重に。中途入社した PdM は、焦らず周囲をじっくり観察しよう。

さて、来年はどうしようかな

この年末で、転職から半年を迎えます。来年は兎にも角にも、自社プロダクトのさらなる成功と発展を目指して、全力を尽くそうと思います。
現在担当している製品は、すでにある程度の成功を収めていますが、製品的にもビジネス的にも、次のブレイクスルーが求められる段階に来ています。

まずは、パワフルでアジリティの高い製品開発組織を築くことからはじめていきます。実際の製品開発を通じて、信頼預金の残高を地道にコツコツ積み上げていく努力も求められます。銀の弾丸などありませんから、時間をかけて取り組んでいきたいと思います。

並行して、市場や顧客をじっくり観察し、具体的な製品投入を進めていきます。すでに大量の仮説を立てつつ、部分的な製品改良に取り組んでいますが、来年はもっとドラスティックな取り組みを進めます。いろんな要因が複雑に絡むため、攻略は単純ではないのですが、難しいがゆえに面白いですし、成功したときの喜びも大きいのです。

そして、来年こそは何らかの形で PdM コミュニティに貢献をしたいと思うんですが、あまり役に立ちそうなネタを提供できそうにないんですよね...昔話とか、雑な人生相談だったら、いくらでもできますが (苦笑)。

というわけで、今後はときどき note に記事を書いていきます。PdM の皆さんに役に立つかどうかは大いに怪しいけど、何らかの話題を提供できたらいいなぁ、なんて思います。

それでは皆さん、来年もイケてるプロダクトを作っていきましょう!