『7つの習慣 人格主義の復活』第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」ポイントまとめ&レビュー

自分の葬儀の様子を思い浮かべてみてほしい。
人生で関わった人々にどういう弔辞を述べてほしいのか。
真剣に思い浮かべれば、それだけで自分の内面奥深くにある基本的な価値観に触れられるはずだ。
終わりを思い描くことから始めるというのは、目的地をはっきりさせてから一歩を踏み出すということである。

この習慣は、すべてのものは二度つくられるという原則に基づいている。
まず頭の中で創造され、次に実際に形のあるものとして創造される。
この第1の創造を、他者の脚本にゆだねるのではなく主体的に行わなければならない。
マネジメントに取り組む前にまずこのリーダーシップを確立する必要がある。
そのためには無意味な習慣を捨て、正しい原則から生まれる自分自身の価値観と一致する脚本を書き起こすことである。

その脚本を書き起こすために、自分の葬儀を思い浮かべてみる。
例えば父親としての役割がもっとも重要で、葬儀の時に愛情深い父親だったと思ってもらいたいのに、この価値観をいつも意識しているとは限らず、時にその価値観と反対の行動を行ってしまうこともある。
しかし自覚があればそんな自分の行動を反省し、自制することができる。
その自覚を常に呼び起こすために、個人のミッション・ステートメントを書くことが不可欠である。
それはその人の憲法となり、正しい原則を土台としていれば揺るぎない基準となる。
内面にそのような中心を持っていなければ、人は変化に耐えられない。

個人のミッション・ステートメントを書く時は、まず自分の影響の輪の中心、つまり自分のもっとも基本的なパラダイムを自覚するところから始める。
それが良心に基づいているかを精査し、そのコンパスによって導かれる終わりを想像によって思い描く。

自分の中心に置くものが何であれ、それは安定・指針・知恵・力の源になる。
安定:存在価値、アイデンティティ、人格的な強さ、心のよりどころ
指針:生活の中でのあらゆる意思決定、行動基準、原則、暗黙の規範
知恵:原則をどう実践するか、個々の原則がどう関連しているかの理解力
:行動する力、物事を成し遂げる強みと潜在能力
この4つの要素は相互に依存しあっている。

人は様々なものを中心にしている。
・配偶者中心
・家族中心
・お金中心
・仕事中心
・所有物中心
・娯楽中心
・友人、敵中心
・教会中心
・自己中心

ほとんどの人はこのいずれかの中心が複数組み合わさっている。
しかし、いずれにしても他者を中心にしているようでは不安定である。
原則中心の生き方により、自分の役割のニーズを俯瞰的に眺め全体のバランスを取りながら最善の解決策を見出せる。
原則は不変ものもだから、安定を得るにはこの方法しかない。
何か選択を迫られる場面があったとしても、それは原則に基づいて自分で判断したことなのだから意識を集中して満足することができる。
※「自己中心」は原則に反しているため安定することはない。

私たちは使命をつくるのではなく見出すのである。
ミッション・ステートメントは一晩で書けるものではなく、深く内省し、緻密に分析し、表現を吟味する。
完成してからも定期的に見直す必要がある。

右脳で良心と想像を働かせ、自分の葬儀など終わりを思い浮かべてみる。
それを左脳を使って論理的に言語化し、無駄をそぎ落とす。
その時に平衡思考の幅が狭くならないよう、人生の役割を明確にし、それぞれの役割で達成したい目標を立てる。
自分の役割を全て書き出したら、次にそれぞれの役割で達成したい長期的な目標を、想像と良心を働かせながら原則に基づいて立ててみる。

このミッション・ステートメントは原則に基づいているため、家族や組織にも応用できる。

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まさに人生の土台となる習慣です。
主体的に、原則に基づいた使命を見出す。
これこそが人生を最大限に効果的に生きる根源となります。

例えば、妻や子と何らかの形で別れることになったとして、それでも自分は主体的に自覚と良心に基づき強く生きられるか。
インターネットがなければ成り立たない仕事をしているが、「インターネットの弊害がヤバ過ぎなので全世界で禁止!」となった時にそれでも自分は主体的に自覚と良心に基づき強く生きられるか。
リスクヘッジの話ではなく、そうした自己を確立してこそ真の自立の達成であって、自立を果たした個人が集まることで相互依存による幸福な組織が作れるということです。
そのために、ミッション・ステートメントで各役割に目標を定めながら、かつそれぞれが分断しているのではなく相互にシナジーを生み出すようにしなければなりません。

ミッション・ステートメントの書き方はとても重要なので、、実際に私が書いてみた実例と併せて別の記事にまとめます。

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