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普段着ならぬ油断着なのに

気がつけば、AURALEE(オーラリー)の服が増えている。

といっても、Tシャツやパーカーなどの定番品ばかり。Tシャツが4枚、シャツが2枚、パーカーが5枚、スウェットが2枚。その他、ニットが1枚、パンツが1本。

すべてフリマで購入したものだが、総額すると151,500円になる。高い。これが定価ならどうだろう。ざっくり計算すると383,900円になる。およそ60%OFFの価格で揃えたことになる。にしても高い。

しかし、オーラリーのイイところは値崩れしないことだ。オーラリーのシャツを11,500円でフリマ購入したものの、「これは着ないな」と判断して出品したところ、13,000円で売れた。手数料や配送料を引いた手取りが11,500円。プラマイゼロだ。

メルカリに上納しただけで、オーラリーにも日本経済にも寄与していない背徳行為だが、現在はこういう時代なのだ。そりゃ停滞するわな。

オーラリーが好きになったことで、Bshopを覗いてみたりもするのだが、新作の生地をさわってみるだけで一度も購入したことがない。定価の新品を買う気がみじんも湧いてこないのだ。

はじめてオーラリーを買ったのは「AURALEE 5525gallery PULLOVER HOOD SWEAT」だったと記憶している。例にもれずユニクロのパーカーしか着たことがなかったので、質の良いパーカーとはどんなものか知りたくなったのだ。

質の高さを求めて検索した結果、「オーラリー」に辿り着いた。当然、聞いたこともないブランドだった。とりあえずヤフオクでポチッたところ、届いたパーカーの肉厚さに「これぞ、本物の焼肉! ユニクロのパーカーは牛角に過ぎなかった!」と唸った。

相場をわかっておらず、ちょい割高。古着で18,700円で購入したパーカー。ユニクロなら9着は買える。どちらかといえば、9着のほうをオススメする。牛角で値段を気にせずお腹いいっぱい食べたほうが幸せだと思うからだ。それに、普段着ならぬ油断着であるべきパーカーが2万円という矛盾。気軽に着られないのだ。

それからオーラリーのことなど忘れていた。旅をする生活はコインランドリーでガンガン乾燥機にかけまくる生活。高い服など身に余る。しかし、しばらく定住しようかという段になると、「あのときのオーラリー」という記憶がよみがえった。

そして、「SUPER SOFT SWEAT BIG P/O」を買ってトロみのある生地が織りなすシルエットに驚き、「WASHED FINX TWILL BIG SHIRTS」を買って綿なのにシルキーな質感と色味に驚き、割安な美品を見つけるたびに購入していた結果、クローゼットがオーラリーと化したというわけ。

ここにきて、「オーラリーとは何か」という話を3行でまとめると、デザイナーの岩井良太さんによる日本のドメブラで母体は生地問屋。「素材からデザインを考える」といわれるほど、素材にこだわることで有名。シンプルながら、ひと目で「いい服を着ているね」と伝わる「素材のわかりやすさ」が人気のブランドである。と、個人的には理解している。

ぼくは、神戸の大好きな先輩がMaid in Kobeなオニツカタイガーをいつも履いているスタイルをカッコいいと憧れた。ぼくの地元にRepするようなブランドはないが、せめて日本のブランドを身に纏いたいと思っている。車だってそう。都会暮らしなので不要ではあるが、持つなら日本産。愛国心からのドメブラだ。

しかし、お金に困窮しているわけではないが、オーラリーを定価で買えるほどの気持ち的な余裕はない。たぶん、年収が5000万ぐらいにならないと、この気持ちは変わらないだろう。日本のアパレルのマーケティングの人たちよ。申し訳ない気持ちはあるのだが、全く業界に貢献していないユーザーの実態として、ひとつ参考にされたし。

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