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履き心地を超えたライド感! WAVE PROPHECY

はじめてのMIZUNOは「WAVE PROPHECY」。中でも「MIZUNO WAVE PROPHECY X for Graphpaper BLACK」を29,800円でフリマ購入。

PROPHECYとは「預言」のこと。ドクター中松の預言に時代が追いついたのかと認めざるを得ないソール形状に注目してほしい。さぞかしボヨンボヨンするのだろうと期待して履いてみると、そうでもない。

このボヨンボヨンに見える部分は「INFINITY WAVE」という名称で「クッション性」と「安定性」という相反する機能を両立しているところが構造的テクノロジーらしい。

小難しいことはわからなくても履けばわかる。ぐいんぐいん足が進むし疲れにくい。履き心地のよいニューバランスとは違って、履く楽しさを感じる。慣れてしまうのが名残惜しいぐらいのライド感。

とはいえ、野球部であればカッコよく見えるはずのMIZUNOのロゴが、バスケ部だったぼくにとってはクソダサい。だが、Graphpaperとのコラボモデルはロゴがほぼない。また、通常モデルに見られる合体ロボみたいなゴテゴテしたサイドのデザインも削ぎ落とされているのもお気に入り。

その反面、銀色のメッキ部分はとても傷が付きやすいし、剥がれやすい。それを味を呼べるかというとむしろ錆。なおかつ、メンテナンスも面倒。空洞部分にゴミが溜まりやすく、拭きにくい。これらのデメリットに目をつむれば、工芸美術と言うべき美しさが光って見えてくる。

ともすれば、足で履くよりも手に持って眺めている時間のほうが長くなりそうなくらい360°してしまう。それくらい、何度見ても惚れ惚れしてしまう美しさ。

というのも、このモデルは「WAVE PROPHECY10」をベースに「マルセル・ブロイヤー」の「ワシリーチェア」からヒントを得たデザインなのだという。

マルセル・ブロイヤーは、ドイツの美術学校であるバウハウスの学生だった当時、自転車の構造に着想を得て、曲げ加工したパイプのフレームに革を張っただけの家具を発明。これが、スチールパイプを利用して作られた世界初の椅子となった。

そのシンプルで無駄のないデザインは、モダニズムデザインの先駆けとなり、現在のデザインの礎になったと言われるが、実は、発表した当初は前衛的すぎて評価されなかった。が、のちに画家のワシリーがこの作品を高く評価したことから、彼の名前を取って「ワシリーチェア」と命名されたという。

MIZUNO WAVE PROPHECY X for Graphpaper BLACK

このシューズを履いてワシリーチェアに座りたいものだが、ワシリーチェアは30万円ぐらいする模様。パイプ椅子にしておこう。

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