ASML 決算発表について

ASML Holdings {ASML} 

-露光装置メーカー世界最大手。半導体の先端プロセスで使われるEUV露光装置で世界シェア90%超。

-売上高構成比率ではEUVシステムが46%、ArF液浸露光システムが35%、その他はArF Dry、KrFなど。

-地域別売上高構成比率では、韓国が33%、台湾が46%、中国が10%、米国が10%、日本が1%。

-最終需要別ではロジックが73%、メモリーが27%(4Q21時点)。

-21/12期4Q決算は、売上 YoY+17.2% / QoQ▼4.87%€4.99bil(予想€5.10bil・会社計画€4.90bil - €5.20bil)下振れ、会社計画とインライン。サプライチェーンの混乱によってDUV装置の製造・アセンブリーが遅延していることや、部品不足の影響が売上下振れの背景として挙げられる

-純利益 €1.77bil(予想€1.51bil)上振れ。

-粗利益率 54.2%(予想51.7%・会社計画51% - 52%)上振れ。

-営業利益率 40.7%(予想34.5%)上振れ。

-新規受注額 €7.05bil、前期(3Q21)は€6.18bil。

-調整済みEPS €4.39(予想€3.71)上振れ。

-22/12期1Q会社計画は、売上€3.3bil - €3.5bil(予想€5.29bil)下振れ。

-粗利益率 49%(予想52.1%)下振れ。

-22/12期通期会社計画は、売上YoY+20%(予想YoY+18.23%)上振れ。後述の出荷サイクル短期化措置(Fast Shipment)に伴いEUVシステム6基の売上計上が後倒しされることも会社計画に盛り込んでいる。

-25/12期にかけての中期目標は売上€24bil - €30bil、粗利益率54% - 56%。

-需要は生産キャパに対して40% - 50%ほど上振れており、キャパ逼迫がより一層顕著となっている。

-顧客からの需要が強い一方で生産キャパが逼迫していることを踏まえて、会社側は出荷サイクルを短縮化させるために検査前の時点で出荷するに至っており、検査工程は顧客の工場での生産と同時並行で行われている。売上計上は顧客側が機械について承認をした段階で計上されるため、1Qに計上予定であった売上€2.0bilが2Q以降に後ずれされている。

-通期ベースでの会社計画はコンセンサスを上振れているため2Q以降に利益率も改善に向かうことが見込まれている。

-1月上旬に発生したベルリン工場での火災の影響については特段出ておらず、不透明要因が払拭されたことはポジティブ。

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