プロクター&ギャンブル(PG)決算発表について

Procter & Gamble {PG}

-世界最大の消費財メーカー。全世界70ヵ国で事業を運営しており、180ヵ国にて製品を販売している。

-セグメント別売上高では、洗剤・ホームケア製品が35%、女性・子供向け製品が25%、ビューティーケアが20%、ヘルスケアが10%、シェービング関連(Grooming)が10%。

-22/6期3Q決算は、売上$19.38bil(予想$18.71bil)上振れ、上限予想$19.10bil上振れ。

-オーガニック売上高YoY+10%(予想+6.2%)上振れ。価格+5%、出荷数量+3%、ミックス改善+2%。

-コアEPS $1.33(予想$1.29)上振れ、上限予想$1.34未達。

-主要製品50ブランドのグローバルシェアは前期に続き伸長。

-セグメント別オーガニック売上高成長率:

o ビューティーケア YoY+3%(予想+2.5%)上振れ。値上げ+4%、ミックス横ばい、数量▼1%。26四半期連続でプラスのオーガニックグロースを達成。ヘアケアはYoY+LSD% (1%-3%)、北米ではYoY+LSD%、欧州ではYoY+Double Digit (10%+)とプレミアム化によるミックス改善と値上げが寄与。LATAM、日本では値上げが寄与。その一方で中国ではYoY▼LSD%。スキンケア・パーソナルケアはYoY+LSD%。北米・欧州ではYoY+Double Digit%、LATAMではYoY+30%。その一方で中国ではYoY▼Double-Digit。中国での売上減はロックダウンによる影響に起因。デオドラントや制汗剤の売上がグローバルで好調。その一方でスキンケアではSK-IIが不調(YoY▼MSD%)。

o シェービング関連(Grooming)YoY+8%(予想+5.5%)上振れ。値上げ+6%、数量+1%、ミックス+1%。全地域で即答の売上が好調であり、数量・プレミアム化のトレンドがそれぞれ各地域で顕著。

o ヘルスケア製品 YoY+16%(予想+10.2%)上振れ。数量+8%、値上げ+5%、ミックス+3%。オーラルケアはYoY+HSD% (7%-9%) と歯磨き粉・歯ブラシのプレミアム化が寄与。パーソナルケア用品はYoY+30%と全世界的に好調(昨年は風邪治療薬の需要が低かったため、Low-Baseとなっている)。

o 洗剤・ホームケア製品 YoY+10%(予想+7.4%)上振れ。数量+5%、値上げ+5%。コロナによる巣ごもり需要でハードルが上がっていたが、グローバルシェアを伸ばしたことで増収を達成。

o 女性・子供向け製品 YoY+10%(予想+6.0%)上振れ。価格+5%、数量+2%、ミックス+3%。北米・欧州ではYoY+High-Teens (17%-19%)、中国では競争環境も高まる中でYoYで減収。フェミニンケアはYoY+DD%、大人向けおむつはYoY+20%。

-22/6期会社計画を修正。売上YoY+3.4% → YoY+4%-5%上方修正(予想+4.3%)インライン。

-コアEPS成長率 YoY+3%-6%(予想+3.4%)インライン。

-原材料価格上昇による通期業績への影響は$2.5bil、物流費の上昇は$400mil、為替差損は$300mil。1月に発表した通期ガイダンスに対して$400milの追加費用が生じている。

-幅広い製品分野への値上げを9月から米国で実施しており、その中で特段消費者による買い控えもおきておらず2Q比で見てもグローバルシェアは伸びており全体的に好調な印象。大手プレイヤーとして値上げが浸透していることが示唆できている好決算な印象。

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