テスラ(TSLA)の決算発表について

Tesla {TSLA}

-米国最大のEVメーカー。EVブランド各種に加え、充電・蓄電の電力システムも製造。

-前回の21/12期1Q決算発表では、自動車売上がコンセンサスを下振れ。自動車の平均販売単価(ASP)はYoY-13%、モデル3・Yを筆頭に、その他地域よりも値下げを行っている中国での販売ミックス上昇による影響が背景。モデルSの製造・出荷は近々行われる見込み。上海でのモデルYの生産効率は向上傾向にあり、ベルリン、テキサスでの新工場でも一定の成果を挙げている。

-21/12期2Q決算発表では、売上高 YoY+98%、$11.96bil(予想$11.51bil)コンセンサス上振れ、上限予想$12.76bil未達。中国での販売ミックス増加によって平均販売単価(ASP)はYoY-2%と前期からのトレンドが継続。

-自動車販売売上 YoY+97%、$10.2bil。内、温暖ガス排出枠の売却収入 YoY▼17%、$354mil。

-純利益 YoY+998%、$1.142bil。

-モデル3/Y生産台数 YoY+169%、204,081台、モデルS/X生産台数 YoY▼63%、2,340台。

-モデル3/Y出荷台数 YoY+148%、199,409台、モデルS/X出荷台数YoY▼82%、1,895台。出荷台数は決算発表では非開示だが、調査会社(マークラインズ)の観測では2Qにおける中国での販売台数は約92,000台と予想されている。

-調整済みEBITDA $2.49bil(予想$1.96bil)コンセンサス上振れ、上限予想$2.50bil未達。

-フリーキャッシュフロー(FCF) $619mil(予想▼$81.7mil)コンセンサスに反して、FCFは黒字を記録。

-米国でのモデルSの増産は順調に進んでおり、年末にかけて生産を増やす見込み。テキサスでのギガファクトリーの建設も進んでおり、一部設備では試運転も開始している。オースティンでのモデルYの生産は2021年開始予定。

-中国ではサプライチェーンの混乱や工場のアップグレードなどマイナーな問題は数個みられたが、上海工場での生産は引き続き強い。中国ではモデルYをインセンティブ込みで26.7万人民元(約450万円)で販売を行っている。上海でのギガファクトリーの第1期工事が竣工しており、年間1万基の充電スタンドの生産を行う見込み。

-欧州でも需要が供給を上回る状況が続いている。ベルリンでのモデルYの生産は2021年内に開始予定。

-半導体不足の影響から電動トラック(Semi Truck)のローンチ時期を2022年に後倒し。

-21/12期1Qまでは温暖ガス排出枠の売却収入を除くと赤字となっていたが、2Q決算より$354milのクレジット売却収入を除いても最終利益は黒字を保っていることから、EVの販売を通じて収益を稼ぐことが可能となってきている。

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