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第一次物理演算戦争 〜胴体〜

遂に来てしまいました、物理演算のターンです。


◇そもそもウエイトってなんぞや

頂点に対して「このボーンに追従して動いてくださいねー」っていう命令。
ボーンは複数本指定出来て、それぞれ0〜100%で調整出来る。
ただし、どの頂点も合計値が100%になってないといけない。

MMDで取り残される頂点(棘)は、大体コイツの所為。
闇鍋プラグインさんがないと生きていけない。


◇微調整と修正

今回から、PMXで作業です。
前回最後にエクスポートしたファイルを読み込んで、開始。

まず自力修正が一番面倒な肩周りの状況を確認します。

このグラデーションが壊れてると面倒なことになる

予想より十分綺麗だったので、このままでも大丈夫そう。


〇Aスタンスの準備

Aスタンスにしたいので、肩~腕周りでウエイトが迷子しているシャツのボタンと肩のボタン、マント上端を一番近いボーンに割り当てていきます。

『絞』と『塗』を押して、絞り込みとウエイト塗りの小窓を呼び出します。
基本はこれ+頂点選択で作業。

複数本のボーンにウエイトを塗る時は、親→子の順番で塗っていきます。
シャツのボタンは、肩側は腕ボーンだけ100%で大丈夫そうだけど、袖側は手首にもちょっとかかってる。

シャツのウエイトを参考にします

取り敢えず腕ボーンに100%で塗って、手首ボーンに変更。
近くのウエイトをスポイトで吸ったら25%だったので、そのまま25%で塗ります。
こうすると、腕ボーンの袖側のボタンは勝手に計算して75%に減ってくれます。


〇Aスタンスにする

Tスタンスにした時に一緒に作られたモーフで、MMDモデル基本スタイルなAスタンスにします。
Tスタンスにした時と同じように、TransformViewでモーフ操作して、別名保存


○材質の並べ替えと調整

材質があまりにも見にくいので、闇鍋プラグインで並び替えます。

並び変えの順番を指定するテキストファイルは、『MATERIAL』→『材質を並び替えるテキストファイルを作成する』で作れます。
一応顔~胴体あたりは汎用で使えそうなので、こちらでも可。

用意出来たら、『MATERIAL』→『材質をテキストファイルの順に並べ替える』で一気にやります。

ついでにマントと何か長いやつが同じ材質にまとまってるのが判明したので、後の作業の為に別材質に分離させておきます。
別材質にしたい頂点を選択して、『編集』→『選択面』→『新規材質に取り出し』。


◇準標準ボーン追加

まず自動で片付けてくれるところからやっていきます。


○準標準ボーン追加(PMX)

何も考えずに、追加プラグインを実行するだけです。簡単。


○ボーンの並び替え

増えたボーンも含めて闇鍋プラグインで並び替えます。
『BONE』→『ボーンをテキストファイルの順に並べ替えする』
こちらも汎用素材を用意したので、好きに使って下さい。

並び替えたら追加したはずの肩Cがいないのが判明。
後で手動で入れます。


◇ボーンの修正

親子関係とかウエイトを直します。
ここ厄介ポイント山程あるから、個人的には苦手。


○上半身の親子関係

グルーブ→腰→上半身→上半身2
 →肩P→肩→肩C→腕→腕捩→ひじ
   腕→腕捩1-3
 (変形階層1)ひじ→手捩→手首
   ひじ→手捩1-3
 (変形階層2)手首→指1(親指は0)


○上半身修正

ここからは各自モデルでおかしい所の修正なので、個人差・個体差が出ます。
確認してみて大丈夫そうなら、どんどんスキップしていってください。

取り敢えず行方不明の肩Cを作ります。

肩C(肩Pから複製)
回転+ 付与率:-1 付与親:肩P

腕捩のウエイトが死んでたので、手動で綺麗なグラデに塗り直します。
片方を直したら、『編集』→『ウエイト関連』→『選択頂点を鏡像からウエイト設定』で反転させて持っていきます。

多分本当は綺麗なグラデになるはずなんだ……
多分こう!


○下半身のボーン作成

まずDボーン達を作ります。

足D(足から複製)
性能:回転、表示、操作
表示先:-1 回転+ 付与親:足

ひざD(ひざから複製)
性能:回転、表示、操作
表示先:-1 回転+ 付与親:ひざ

足首D(足首から複製)
性能:回転、表示、操作
表示先:-1 回転+ 付与親:足首

作り終わったら、表示枠の足に追加。

足周りでウエイトを持つのは、足D、ひざD、足首Dだけです。
各地に散らばったウエイトを、闇鍋プラグインの『VERATEX』→『選択した頂点のウエイトボーンを置き換える』で、Dボーンに集めます。
グラデじゃない(100%)範囲は直接塗っても大丈夫です。


○下半身の親子関係

全ての親→足先IK親
 (変形階層1)足先IK親→足IK→つま先IK
グルーブ→腰→下半身→腰→腰キャンセル→足/足D
 (変形階層1)足→ひざ→足首→足先
 (変形階層1)足D→ひざD→足首D→足先EX

ここまで終わったら、一度TransformViewでチェックします。
足IKを持ってグリグリして、ちゃんと追従していれば成功です。


◇ボーン追従剛体

揺れものの親として、後で必要になってきます。

  • 上半身+上半身2(胴体としてまとめて作ってもOK)

  • 右腕

  • 左腕

  • 下半身

  • 右足

  • 左足

この辺りがあれば、大体対応出来るかと。


〇設置

ボーンを選択して、『編集』→『選択ボーン』→『基礎剛体の作成-ボーン追従』をするだけ。


〇微調整

サイズと位置を調整します。
胴体に髪や揺れものが陥没するのを阻止する用でもあるので、ポリゴンより少し大きめを意識するといいかもしれない。


今回はここまで。


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