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小説「雪国」を読んで昔の自分が思ってたこと

最終局面で、「刑罰か犠牲かを抱いている」という文は秀逸だった。
ちゃんと読めばわかるが、刑罰の意味は、「夢に向かって努力したことが徒労であったと理解し、絶望すること」で、犠牲の意味は「その夢へ向けて、今までよりもっと努力を重ねて、さらに絶望を増やすことがなくなった」ということである。

心理的な描写が多くあり、もちろん見どころの多い飽きない小説であるが、その中でも一番のテーマは、「夢が叶わないことが分かった虚しさと、これ以上の努力の必要がなくなったという複雑な思い」であり、その感情を生み出すために、それまでにたくさんの心理的な描写や、情景の描写があるんだと、自分は思ってる。

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