デザイナーのブランディング

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第3回 平井俊旭 (雨上株式會社 代表取締役社長)


「講義日:6月1日」

平井俊旭さんは武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科卒業し、同研究室助手を経て、インテリアデザイン事務所(株)SUPER POTATOに勤務、2001年(株)Smilesに入社し「Soup Stock Tokyo」のブランドづくりに携わる経歴が彼のキャリアの始まりだ。それ以来、地域の様々な魅力を引き出し、素敵なブランディングを担当している。

Local Value Direction Company|雨上株式會社雨上株式會社は今の時代に応じた新しい地域の循環の仕組を、デザインディレクションを通じて創造してゆきます。ameagaru.co.jp



彼はインテリアデザイナーとしての実力を持ちながら、デザイナーが異分野で何ができるかに挑戦し、「スープストック東京」の創業から、経理からデザインの全てを担当した独特な経験がある。その後、彼が体験した知識やノーウハーうを活かして自らのブランドを、滋賀県高島市で立ち上げ、地域ブランディングを担当して活動を続けている。最近は「10%I am」という発酵食のブランドを立ち上げ、色んな展開をしている。


彼はデザイナーとしてわかりやすいビジュアルで消費者に会社のメッセジーを伝えた。また、会社のビジョンを社員にきちんと伝えるため、自らイラストにしたりデザイナーの能力である「可視化する力」を色んな場面で見せてきた。「Soup Stock Tokyo」の場合は、スープのレシピ、アート活動、素材の生産者の話などをテーマにするZINEを製作して、消費者と会社が関わることを作った。

こういった思いのビジョンをカタチ化することを地域に持ってきて、日本の魅力をブランディング化し始めた。「共通のイメージを持ってもらい、その地域になってもらう。」を目標として長期的に地域のプロジェクトを進める。

彼が定義する「ブランド」とは顧客からの信頼を得ている 商品やサービスのイメージの総和だった。4つのポイントとしては

1.他者が感じている
2.伝える工夫/ストーリー性 
3.コンセプト/クオリティー 
4.デザイン性/感性に訴えるフック


ブランディングはデザイナーの分野であり、マーケティングの世界でもある。しかし、大きな違いとしてはやはり「カタチにする力」ではないか。言葉をカタチにしてみんなが共通のイメージを持つことで、長く愛されるブランドができるんじゃないかと思った。私自身もこれからデザイナーとしてブランドに関わるプロジェクトが増えると思うので、彼の活動が自分にとって大きな刺激になった。