伝統と先端。

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論 第12回 上町達也(secca代表)

「講義日:8月3日」


人の心を動かすようなものづくりに挑戦している上町達也さんから、ものづくりについて考えてみた。上町達也さんは、沢美術工芸大学卒業。「ニコン」のデザイン部を経て、上町達也・柳井友一・宮田人司の3名が中心となり活動するアーティスト集団、「secca inc(株式会社雪花)」を設立した。

彼はニコンのプロダクトデザイナーとしてキャリアを始めた。ニコンのカメラ、Nikon1を本格的に企画する段階に入社して、プロダクトに関する知識や技術を身につけた。7年間勤めて、退社。同じ年、2013年seccaを立ち上げた。Seccaを彼はイノベーティブ・アーティザンと説明した。伝統工芸と最先端の技術を活かして、新しいカタチを創造している。特に、金沢から始めた理由も伝統を大事にする金沢の特性が、彼らの背中を押してくれると思ったからだ。

「Secca、と」という彼らの思いを概念化して、クリエイターとクライアントが信頼関係・パートナーとして協力し、人や文化などの関わりから多様で面白いアウトプットを作っている。3つの分野に分けて、artpiece、ものづくりをしている。

彼が紹介してくれた事例の中で印書的なのは、「雨虹糸」っいうアート作品だ。あるホテルの依頼をもらって制作した作品で、金沢の天候をデーター化し、集めたデーターをまた8段階の色で分けて、それを元にアート作品を制作した。日本の中にも曇りや雨の日が多いからこのような金沢の特徴と遊びに来てくれた宿泊者に伝えると思って作った作品だ。形はアルゴリズムを通してデーター化、3Dプリンターで形を作るプロセスで、独自の形を作っている。


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また、Landscape Wareっというお皿のシーリズも制作している。料理人から依頼をもらうより、色んな形のお皿をまず作って提案する逆方向で制作する。お皿からインスパイアを受けて料理人もデザイナーも新しい見方をするきっかけとして、新しいクリエイティブを作るきっかけとしてのプロダクトを作っている。

先端の技術。言葉だけみると、鉄の素材や人工知能などかたいイメージが浮かぶ。しかし、seccaのように技術でストーリーをより多くの人に伝えることも出来るし、素材や形にも色んな変化を加え私たちに新しい刺激にもなると思う。技術に人間らいさを入れるのではないか。