メモリアルコミュ感想 -ナターリア-

注意書き
・文字だけ。
・メモリアルコミュの感想です。
・実況部と感想部が交互に入ります。
・ちょくちょく深読みが入ります。
・読み前の知識:ブラジル、カタコト、明るい子
・メモリアルコミュ以上の情報は入れていないので、現在の成長した姿等には触れられません。

目次
・コミュ1
・コミュ2
・コミュ3
・コミュ4
・ちょったした感想

コミュ1

廊下にて
「アレー?ここどこかナー……オーディション会場……」
ナターリア、マイゴになっちゃったヨー……

『マイゴ』『迷子』
色々と深読みできそうな言葉ですが、どうなのでしょうか。

少女がぶつかってきた……
『どこに目つけてやがるンダ!』カナ? ど、どちらサマ?」

『どこに目つけてやがるンダ!』とは、日本語の習熟度が浅いことを読者へ自然に伝えつつ、「おいおい大丈夫か」と興味を引き出すための言葉ですね。もっと深い意味はあるのかなぁ。

それにしても、『Pにぶつかってきた』というのは面白いですね。
正面すらマトモに見えていない、行く先が分からない状況でも、立ち止まらない。前に進む性質を持っている。
これは深読みですが、Pを『物語を展開させる舞台装置』と考えると、そこに自らぶつかっていく、自発的に事態を展開させる子、とも読めますね。

『この会社の人』であるPに「お〜、はじめまシテ〜」と挨拶をするナターリアさん。そして訊ねます。
オーディション会場、分かるカナー?

明るいですねー。人見知りしない性格。可愛らしい。
ところで、深読みかもしれませんが、舞台装置『P』に対して『オーディション会場』という『人生の岐路』の場所を尋ねるのは、象徴的です。

これまでの経緯を説明するナターリアさん。
「駅からここまでくるまで、いろんなヒトに、道を聞きまシタ!
「『オーディション会場』がわかんなくなっちゃって……

超社交的!
いろんなヒト』の助けを借りてその後の人生を決定づける『オーディション会場』の近くにたどり着いたが、似たような部屋が多くて『オーディション会場』が分からず、改めて迷子に、そこで舞台装置『P』の元にたどり着いた
自然な展開ですが、同時に深読みのやりがいがある展開。

Pは当然、会場に案内します。
「アナタ、とってもいいヒトでよかっター♪」
「トコロで、オーディションはやってるのカ?

片言可愛らしいですね。初対面のPの言葉をすんなり信じるナターリアさん。怪しい人についていくのは危険ですよー!

場面はオーディション会場、オーディションの風景に移ります。
ブラジルのリオ・デ・ジャネイロからきましター!

ブラジル、リオ。軽く調べてみましょう。
有名なのはサンバカーニバル(謝肉祭)、謝肉祭ということはキリスト教が根付いている。公用語はポルトガル語。rio = river、de = of、Janeiro = January で「1月の川」の意味ですが、発見時の名付けが形骸化して残っているだけ。リオ出身のヒトは「カリオカ」と呼ばれる。ブラジル文化の中心で流行の発信地、リオ人は明るく享楽的な性格らしい。

ナターリアさんが日本のアイドルについて話します。
「ブラジルでも日本の歌番組とか、バラエティ、大人気なんダ。」
テレビに出てる日本のアイドル、みんなみんな、カワイイ! まるで、お人形サンみたい♪

「お人形『サン』」と敬称付き、かなり可愛がっている模様。
趣味は『ベリーダンス』ですが、お人形好き属性もあるのかも?
簡単に調べた範囲では、『ブラジル特有の人形』はなさそう (むしろ、日本は人形文化が発達している国であることを知らされました)。
『お人形サン』は、日本人がフツーに想像する『人形』で良さそうですね。
「お人形サンみたい」、日本人は小柄ですから、ブラジルでの『周りの人々』と比べて、日本のアイドルは『お人形』らしく映るほどにカワイイ、ということでしょうか? さすがに深読みしすぎですね。

明るく、オーディションを受けた理由を話します。
「そんな (=お人形サンのようにカワイイ) アイドルになりたくて、地球のウラガワから飛んできたんダー!
日本語はアマリできないケド……よろしくお願いしまス!

地球の裏側から飛んできたー! うひゃー!
『外国』要素はかなり特徴的ですが、この後どんな物語が広がるのか、楽しみです。

コミュ2

レッスンルームにて
「初レッスンだナ! 楽しみにしてたんだゾ♪」
やっぱりダンスするのかナー?

趣味『ベリーダンス』に、カーニバルで有名なリオ出身、やはり『ダンス』に思い入れがあるようですね。

ダンスレッスンを望むナターリアさん。
しかし、Pはビジュアルレッスンを指定します。
ビジュアルレッスン……? トレーナーに言われた表情をすればいいのカ?

……苦手分野でキャラクター性を掘り下げる展開かな?

ナターリアさん、戸惑います。
でも、ナターリア、すぐに顔に出るから、女優はムリねって、ママに言われたことあるんダ。だいじょうぶカ? なんとかなるかナー?」

『すぐに顔に出る』は伊達ではないようで、この台詞だけで6回くらい表情がコロコロと変わります。
さあ、この感想記事を読んでいる人も、デレステを起動して、この表情変化を見ましょう!ゆっくりと堪能するのです、必見です!

明るくレッスンを続けるようです。
とりあえずやってみっかナ♪
どんな表情をすればイイんダ?
この問いに対して、選択肢「甘く切ない表情」「麗しく妖艶な表情

とりあえずやってみる、なんとも享楽的な考えです。明るくてサッパリしてて、良いですねー。
しかし、表情の選択肢は、どちらも『元気で享楽的』から離れていますね。

甘く切ない表情」については、『セツナイ』がさっぱり分からず、Pに笑われてしまいます(おのれPめ)。
麗しく妖艶な表情」については、そもそも言葉が難しくて分からないそうです。
どちらの選択肢も「日本語は表現が細くてややこしいナ……」に収束します。

日本語と表現』に躓くナターリアさん。
うーむ、こんなに明るい性格のナターリアさんです。言語の壁がなくても、『切ない』や『麗しく妖艶』の表情は難しそうに見えますが……

ナターリアさんには秘策がある様子。
でも、ナターリアにも難しい日本語の表情する方法、あるゾ!
音楽に合わせて踊ってキモチを表現するんダ!
だから、プロデューサー!ミュージック、プリーズ♪

そのまま踊り出すナターリアさん。
良い踊り、しかし、いつの間にかダンスレッスンになってしまったようです。明るくすべてを吹き飛ばせー!

コミュ3

撮影スタジオにて
オハヨーッ!
と元気いっぱいなナターリアさん。そのまま宣材写真の撮影が始まります。
しかし、カメラマンには「動かないで!」と指示されてしまいます。
ウキウキなのに、どうしてジッとしてなくちゃいけない?
ナターリア、うまくできないヨ……

元から『身体表現』>『言語表現』な気質なのに、今は言語が不自由。
さらに、写真撮影という『動かない表現』にも弱い。
コミュ2から引き続いて、ナターリアさんの弱点がどんどん浮き彫りになっていきますね……。
ナターリアさんを曇らせるのが好きな人が書いたのでしょうか……。

Pの指示で、外の撮影に。
Pからは「自然にして」と指示され、
ヤッター! じゃあ、ステップ踏んじゃうゾ♪
と喜ぶナターリアさん。

とにかく体を動かすのが好きなのですね。

そのまま撮影が再開し、場面は撮影終了後へ。
「ナターリア、今日、わかったことがあるんダ」
苦手を苦手なままにしてたら、ダメ
逃げてばかりいたら、今日みたいにまた困ったことになるカモ……

苦手と、苦手から逃げていたことを自覚するナターリアさん。

恐る恐る、Pに訊ねるナターリアさん。
ナターリア、ゼンゼンできないかもしれないケド、また、ビジュアルレッスン、付き合ってくれるカ?

この台詞の表情変化、良いです。
「また、ビジュアルレッスン」のところは普通の表情なのに、最後の「付き合ってくれるカ?」のところで不安げな表情に。
裏表がないからこそ、その表情の変化に魅せられます。

 以下、ちょっと一考。
ナターリアさんにとっては、Pに自分の苦手を打ち明けるのは、なかなかに怖いことだったと思います。

まず、言語が不自由というのは、当然ながら大きいです。
言葉の不自由な世界に飛び込むと、「相手の言葉を正しく理解できているか」はもちろんなのですが、それと同等か、あるいはそれ以上に「拙い自分の表現で、ちゃんと意図が通じているのか」が大きな不安になります。

自分の発言が、後になって『失礼な物言いだった』と分かることも、よくあります。そんな経験をすると、喋るのに気を遣いたくなりますが、でも未熟な身では、言いたいことを言おうとすることにエネルギーを使うので、喋る言葉をうまくコントロールできません。
相手が気にしていないのは分かっていても、やはり喋るのは大変です。

その上、Pとナターリアさんはまだ知り合ったばかりです。
Pは、アイドル世界の案内人で、自分の行く末を握っている上司、
日本での自分の保護者の一人で、これからの仕事のパートナーで、
そして付き合いの浅い他人です。

ただでさえ『言語が不自由』というデメリットを抱えている自分が、それ以外にもうまくできないことがある、って姿を、仕事のパートナーに、自分を世話してくれている人に、見せることになります。

言語、人種的にアウェイの空間で、緩い不安に包まれた中で、失望させてしまうと困る相手に、自分の弱点を晒す。
自覚しているかどうかは分かりません。しかし、きっと、怖い。
 以上、本編に戻ります。

不安そうに「ビジュアルレッスン、付き合ってくれるカ?」と言ったナターリアさんに対し、「一緒に頑張ろう」と言うP。
ここで、ナターリアさん、笑顔に。
いつも助けてくれてありがとナ! プロデューサー!

「一緒に頑張ろう」の直後、台詞バーなしで、ナターリアさんが笑顔になった表情だけを見せるコマがあるのは見事。その表情が、言葉よりも、ナターリアさんの不安がほぐされたことが伝わります。
この感想を読んでくださっている方も、ぜひ、ナターリアさんの抱えている不安を想像しながら、この一幕をデレステでゆっくりと読んでみてください。

コミュ4

事務所にて
お仕事もらったってホントか!? なんの仕事ダ?
ミュージカル!

初仕事はミュージカルです。ずいぶん飛ばしてるなぁ。
でも、決まった台詞、配役次第では言語の壁は少し低くなる、踊りで勝負できる、と考えると外国人アイドルの仕事として適しているかもしれません。

稽古場にて、ナターリアさんは監督に怒られます。
……だから、これは悲しいシーンなんだって! そんなに楽しそうに踊られたら、雰囲気ぶち壊しなんだ!

本当に、ナターリアさんのメモリアルコミュは、逆風ばかりですね……。

怒られて、休憩中にPと相談するナターリアさん。
ナターリア、いっぱい怒られちゃった……
ビジュアルレッスンはいっぱいしたけど、まだまだレッスンしなきゃダメだナ
プロデューサー、手伝ってくれる?

前回のコミュ内容もあり、自然にプロデューサーに助けを求められるようになりました。成長が伺えます。「ナターリア、ガンバるゾ!

Pとの猛特訓の場面が映ります。
「悲しい顔」「できないことから逃げちゃダメだ……
「切ないダンス」「動きすぎないように……。カオもかなしくしながら……。他の人と合わせるって、大変だナ

ナターリアさんのダンスは、きっと非言語的な感情表現として発展してきたのでしょう。ダンスが上手でも、他の人と合わせる技術が上手とは限りません。
さらに言うと、日本のような同調の国にいたわけでもなく、人生経験もまだまだ未熟。ダンスだけでなく、もっと広い意味でも、『他の人と合わせる』経験があまりないと思われます。大変ダ。

そして、場面転換、ミュージカル本番。
……どうして、お姉さんは泣いてるノ……?
どうしてかしら……。もう後悔しても遅いんだって、わかっているのにね……。

泣いている主役に話し掛ける役を演じるナターリアさん。
どうして、この場面を取り上げたのでしょうか……。

無事に役を終えたナターリアさんとの帰り道で、達成感を噛みしめるナターリアさん。
かなしい演技で、お客さんを泣かせて……でも、泣いてる人を見て、すっごく嬉しい……。不思議だナ
ナターリア、最初はぜんぜんダメダメだったけど、ガンバって、お客さんを泣かせること、できた。ウン、きっと、それが……すっごく嬉しいんダ

ナターリアさんの物語で、敢えて『かなしい演技』を取り上げるというのは、すごいですね。
まさか、お客さんを泣かせたことに、感慨を抱くナターリアさんが見られるとは、予想外でした。
雰囲気からして『楽しい』『周りを明るくする』という要素が大きいと思っていたから、かなり意外で、ギャップが大きい。

嬉しくて、ふわふわして、楽しくて……なんだか踊りたいくらいダ

感慨にふけるナターリアさんに、Pは一言、声を掛けます。
「踊ろう」

あああ、Pめ、完璧な返答を……
一文、一文、ナターリアさんの表情変化にも注意して読み進めると、このPの言葉が、ぐぬぬ、見事……

嬉しそうな表情全開で、はしゃぐナターリアさん。
お仕事であんまり踊れなかったぶん、いっぱい踊っちゃうゾ!
やっぱり、ダンスは楽しいナ! いっぱい笑ったり、いっぱいカンドーしたり、何でもできるカラ!

ここまで来ると、『ダンス』という言葉の裏にも何か意味があるような気がしてきました……それが何かは分からないけど。
なんにせよ、ハツラツとしたナターリアさんの今後が期待できる言葉です。

プロデューサー! これからもナターリアのこと、よろしくナ!
これからもいっしょに、いっぱい踊ろうネ!

楽しそうに踊り続けるナターリアさんを見ていると元気になりますね。今後の活躍に期待です。

ちょっとした感想

ナターリアさんは、とにかく明るいという印象があったので、明るい物語になるのかな、と思っていました。だから、こんな逆風の物語は、完全に予想外でした。

とにかく、表情変化が魅力的な子ですね。コミュからは、明るい表情だけじゃない、ということも伝わってきましたが、だからこそ、明るい表情が、強い。

物語のテーマ、キーワードとしては、『表現』『苦手と向き合う』といったところでしょうか。ボディランゲージとしてのダンス、明るくコロコロ変わる表情という得意な表現に対して、コミュで取り上げられたのは、外国語での指示に、『悲しい』という苦手な表現。それらを乗り越えた先に、踊ろう、があり、素晴らしい。

一方で、メモリアルコミュが強み全開の物語ではなかったことも事実。
メモリアルコミュを乗り越えた、アイドルカード等での、より眩しいナターリアさんの物語が楽しみです。

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