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秋は別れの季節。

皆さんこんにちは。がーこです。
巷では、「春は別れの季節であり、出会いの季節でもある」と言われることがあります。しかし、野球界ではこの言葉を「秋」に聞くということが圧倒的に多いと思われます。

ここでは何を言いたいのか__
それは、戦力外通告についてです。もちろん、FAや新外国人の補強・ドラフト会議で選手を獲得するのはチームを強くするためには必要不可欠です。しかし、選手の定員にも限界があります。新しく選手を獲得した分、チームを離れなくてはならない選手も一定数存在するのです。プロ野球というシビアな世界であるからこそ、戦力外の報道には胸が痛くなるものがあります。

今回は、2024シーズンでライオンズを去ることになった選手にスポットライトを当てていきたいと思います。(10月3日現在)
長くなりますが許してください🙇‍♀️。


1.タイシンガー・ブランドン・大河  (2021-2024)


2020年ドラフト6位で入団したブランドン選手。持ち前のパンチ力と端正のルックスでファンを魅了しました。
ルーキーイヤーの2021年には開幕2戦目でプロ初出場初スタメン、開幕4戦目にはプロ初ヒットを初ホームランで記録しました。7月には元メジャー投手であるオリックス・バファローズの抑え投手である平野佳寿投手から代打ホームラン、10月には当時高卒2年目・現在では日本の左のエースといっても過言ではない宮城大弥投手からホームランを放つなど存在感を残したシーズンでした。ファンの皆様も「来シーズン(2022年)はもっとやってくれる」、こう思ったのではないでしょうか。

しかし、ここからは度重なる怪我に苦しめられます。内転筋を痛めてしまい、2022年は二軍でわずか14試合・2023年も二軍で37試合の出場にとどまります(両シーズンともに一軍出場なし)。そして、2023年10月31日に最初の戦力外通告を受けることになります。とはいえ、この時は戦力外といっても育成契約込みのものであり、秋季キャンプには参加することとなりました。
背番号も49→133と大きくなり、決意のシーズンに挑むことになりました。

2024年春季キャンプでは、育成選手で唯一の初日からA班(一軍)スタート、オープン戦では11試合に出場して24打数8安打、打率.333と成績を残し、3月24日に支配下選手登録されます。元の背番号である49番は空き番号となっていましたが、「気持ちも新たに」という渡辺久信GMの意向の下、66番を背負うこととなりました。2023シーズン後半戦に台頭した佐藤龍世選手や、東京ヤクルトスワローズからトレードでライオンズへ入団した元山飛優選手などとの熾烈な三塁手争いに勝ち、「6番・三塁手」として自身初の開幕スタメンに選ばれました。開幕戦では第三打席に一軍では3年ぶりのヒットをライト前へ放ちました。

しかし、左太ももを痛めてしまい登録抹消。その後二軍戦に復帰し、8月13日の福岡ソフトバンクホークス戦に「3番・DH」で一軍復帰します。しかし4打数無安打3三振と結果を残すことができず、それに追い討ちをかけるように左手挫傷の怪我を負い、わずか2日で登録抹消となってしまいました。
そして10月2日、2度目の戦力外通告を受けることになりました。

ブランドン選手を一言で表すと、まさに「怪我」との闘いだったと思います。能力はライオンズの中でも抜群に優れていましたが、やはり怪我をしてしまうと、監督・コーチ陣も起用しにくくなってしまうという印象を受けてしまいます。
次のステージでも頑張ってもらいたいです。

2.浜屋将太 (2020-2024)


2019年ドラフト2位で入団した浜屋投手。入団当時はチーム防御率がリーグワースト、さらに前年は左の先発が榎田大樹投手(現二軍投手コーチ)しかおらず左腕不足が顕著だったこともあり、即戦力として期待されました。1年目後半から先発ローテーションの一角に入るなど、8試合でプロ初勝利含む3勝(3敗)、防御率4.07という成績を残しました。

翌2021年は開幕ローテーションに入り、開幕2戦目の3月27日に先発登板をしましたが、5回途中3失点で敗戦投手となりました。4月3日にはシーズン初勝利を挙げますが、苦しい投球が続き4月17日の登板後、登録抹消となります。9月に一軍昇格したものの、白星を掴むことはできず、8試合で1勝6敗防御率6.63という成績に終わりました。また、シーズン終盤には「左有痛性外脛骨(けいこつ)障害に対する骨部分切除術」という手術を受けることになりました。

2022年は前年の手術の影響もあり、二軍でも14試合で防御率5.38と結果を残せず、一軍登板することなくシーズンを終えました。翌2023年は春季キャンプをA班で過ごしていましたが、3月4日の横浜DeNAベイスターズとのオープン戦の際に左足首を負傷し開幕ローテーション争いから脱落。その後も一軍昇格することなくシーズンを終えます。この年の契約更改では、背番号を田村伊知郎投手と交換する形で20番→40番となります。

2024シーズンは二軍で結果を残し、5月10日に3年ぶりとなる一軍昇格を果たします。その日の東北楽天イーグルス戦に登板しましたが、2.1回4失点(自責点3)と結果を残せず、翌11日に登録抹消となります。その後も二軍で先発・中継ぎ問わず登板したものの、10月2日に戦力外通告を受けることになりました。

現在のライオンズは隅田知一郎投手・武内夏暉投手・羽田慎之介投手・菅井信也投手など先発型の左投手が豊富であり、浜屋投手が飽和していた感も否めません。ただ左の中継ぎは佐藤隼輔投手とジェフェリー・ヤン投手しか一軍におらず、浜屋投手も結果を残せれば活躍できた可能性もあったのでは・・・と思ってしまいます。
次のステージでも頑張ってもらいたいです。

3.陽川尚将 (2014-2024、ライオンズでは2023,2024の2年間)

2022年オフの現役ドラフトでライオンズに加入した陽川選手。これまでは生まれ・育ち・前所属球団も阪神タイガースと「大阪」で過ごしてきた陽川選手ですが、ライオンズでも持ち前の長打力を期待されて入団しました。

2023年の春季キャンプではA班で参加し、紅白戦でもタイムリーを放つなど結果を残した陽川選手。しかしオープン戦終盤で結果を残せず、開幕は二軍スタートとなります。
5月に初の一軍昇格をし、初昇格の試合で第一打席にいきなりホームランを放つなど結果を残します。しかし、長期的な結果を残せず6月初旬に登録抹消となります。その後チームのBクラスが決定した10月に一軍へ昇格したものの、わずか9試合の出場に終わりました。

2024シーズンは4月30日に一軍昇格したものの、わずか1試合の出場で5月2日に二軍降格。6月には再度昇格し、古巣阪神との交流戦では4番に座りヒットも放ったものの、リーグ戦再開後の24日に二軍降格。その後はシーズン終了まで昇格することはできませんでした。
そして、10月2日に戦力外通告を受けることになりました。

陽川選手の場合は、佐藤龍選手・平沼翔太選手・渡部健人選手など同ポジション(三塁と一塁・若しくは外野)の選手が多かったという印象を持ちます。また、年齢も33歳とベテランの域におり、他の若手選手と比べるとやはり優先度は低くなってしまいます。数少ないチャンスをモノにできていたら・・・と考えてしまいます。
次のステージでも応援しています。

4.高木渉(2018-2024)


2017年育成ドラフト1位で入団した高木選手。1年目から二軍でOPS(出塁率+長打率).796と圧倒的な成績を残し、この年のオフに支配下選手登録されます。翌2年目にはプロ初出場、3年目には初ヒット・初ホームラン・初打点を記録しました。

2021年は6試合・翌22年は13試合出場、22年にはイースタンリーグでホームラン王を獲得しました。
2023年は飛躍を期待されましたがわずか5試合の出場にとどまります。しかし、出場した試合では猛打賞を放つなど存在感を示しました。

2024シーズンは春季キャンプをA班でスタートさせたものの、実戦で結果を残すことができず開幕二軍スタート。シーズン通して一軍出場わずか3試合、ノーヒットに終わるなど活躍することができず、10月2日に戦力外通告を受けることになりました。

私個人の意見ですが、高木選手は非常に惜しかったと思っています。2020年に猛打賞を放ってヒーローになったことがありましたが、その次の日に怪我をしてしまったり、2022年には7月に一軍へ昇格しました際にコロナに罹患してしまい登録抹消→これ以降はシーズン終了まで二軍生活といったようにチャンスを掴み切れなかった部分もあります。高木選手は合同トライアウトを受ける予定ですので、応援していきましょう!!!(本人のインスタより)

5.大曲錬 (2021-2024)


2020年ドラフト5位で入団した大曲投手。福岡大では準硬式野球部に所属しており、異色の経歴を持つ投手です。
1年目はシーズン終了間際の10月に一軍で登板。苗字と同じく大きく曲がる変化球(主にスプリット)を武器に、プロ初ホールドも記録します。

2年目には初めて開幕一軍入りするも、一ヶ月足らずで二軍降格。夏場に再び昇格するも、チームは好調だったこともあり、わずか2試合のみの登板できず、6試合の登板に終わります。
3年目も開幕一軍入りし、8試合で防御率1.13という成績を残すも、5月3日に二軍降格。6月・10月に再度昇格するもそれぞれ1試合登板して再び二軍降格となります。
この年のオフには渡辺GMから「一生懸命投げているのは分かるけど、結局ピッチングになっていない。四球が絡んでの失点が多い」とのコメント。しかし20万円増の820万円で契約を更改し、来季への期待を寄せていました。

しかし、2024シーズンは一度も一軍へ昇格することなく、10月2日に戦力外通告を受けることになりました。

大曲投手は調子が良い時は強いまっすぐと変化球が冴えていましたが、一方で調子が悪い時はボールが暴れていたという印象です。
また、自主トレ時に同学年の今井投手と朝まで野球談議をするなど野球への熱量が凄い選手でもありました。
次のステージでも応援しています。

6.伊藤翔(2018-2024)


2017年ドラフト3位で入団した伊藤投手。10代でプロ初勝利を含む3勝を挙げるなど、西武の優勝に貢献しました。高校卒業→独立リーグ入りの経歴で支配下契約として入団したのが2006年ドラフト7位で千葉ロッテマリーンズに入団した角中勝也選手以来11年ぶりだったそうです。

ルーキーイヤーの2018年にはA班キャンプに入り、オープン戦でも結果を残し開幕一軍を掴みました。その後、プロ初登板・初奪三振を4月に記録。8月に再度一軍昇格した際は上毛新聞敷島球場(前橋)・県営大宮球場の楽天戦でリリーフ登板し、どちらの試合でも勝ち投手となりました。優勝決定後の10月には初先発を経験し、6回途中3失点で3勝目を挙げました。

2019年は6試合登板に終わるものの、2020年には先発3試合含む12試合に登板します。2021年は開幕を中継ぎとして迎え、4月29日には先発のチャンスを得るも1/3回でマウンドを降り、最終的に13試合で0勝1敗、防御率4.00に終わります。そして、シーズン終了後の10月18日に右肘内側側副靱帯再建術(トミー・ジョン手術)及び右肘後方クリーニング術を受け、実戦復帰には1年程度を要する見込みであることが翌19日に球団から発表されました。この年のオフ、育成契約へ移行するための戦力外通告を受けることになります。
背番号を36→133と変更した2022年はリハビリのためにシーズンを全休し、契約更新上のため2度目の戦力外通告を受けます。そして2023年4月に練習試合で復帰すると、同月23日のヤクルト戦で公式戦復帰を果たします。最終的に二軍で30試合登板で2勝0敗、防御率3.76の成績を残しましたが、支配下登録選手に復帰することはできず、契約更新上3度目の戦力外通告を受けます。

2024シーズンは二軍でもわずか9試合登板に終わり、10月2日に4度目の戦力外通告を受けました。

伊藤投手もまた、怪我との闘いだったと思います。プロ入り前からヒジが痛くない日はなかったと本人もコメントしていたのが印象的です。2018年の優勝の一員としてチームを支えてくださりありがとうございました。当時未成年だったため、ビールかけに参加できなかったというのも一つの思い出です。
次のステージでも応援しています。

7.粟津凱士(2019-2024)


2018年ドラフト4位で入団した粟津投手。右のサイドスローが特徴であり、中継ぎとして入団しました。

1年目のキャンプではA班に入り、紅白戦でも登板しました。開幕は二軍だったものの、6月の読売ジャイアンツ戦でプロ初登板を果たします。結果は2回4安打1四球2失点でした。2年目は一軍登板なしに終わり、背番号を26→67に変更となります。

3年目の2021年は、4月5日に右肘の鏡視下骨棘切除術及び内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)を受け、10月に育成契約へ移行するための戦力外通告を受けました。
背番号を67→112へ変えた2022年は二軍で復帰し、10試合登板で防御率3.38でした。オフには契約上2度目の戦力外通告を受けることになります。
5年目の2023年は二軍で30登板、防御率1.95を記録し、一時はシーズン中の支配下登録選手へ復帰の可能性がありましたが結局育成選手としてシーズンを終え、契約更新上3度目の戦力外通告を受けることになります。
そして2024年は二軍でもわずか3試合の登板に終わり、10月2日に4度目の戦力外通告を受けました。

私自身の意見ですが、粟津投手は2023シーズンに支配下登録されるのでは、と思っていました。この年のライオンズは中継ぎ陣が非常に不安定であり、粟津投手がその中に食い込める可能性は十分にあったのではと考えられるからです。
次のステージでも応援しています。

8.赤上優人(2021-2024)


2020年育成ドラフト1位で指名され入団した赤上投手。東北公益文科大学からは初のプロ野球選手誕生となりました。

1年目から二軍で12試合に登板しました。そして2年目には先発も任され、晴れて7月28日に支配下登録となりました。背番号も121→67となり、期待が寄せられました。しかしこの年の一軍登板はなく、12月6日に右肘の関節鏡視下遊離体切除術を受けました。

2023年は二軍でわずか1試合の登板に終わり、オフに育成契約へ移行するための戦力外通告を受けます。
復活を目指し2024年に挑んだ赤上投手でしたが、二軍で35試合に登板し防御率も2.83を記録したものの10月2日に戦力外通告を受けました。

私個人の考えですが、2022年に怪我をしてしまったのが痛かったと思います。万全な状態なら、順位が確定した10月のシーズン最終戦あたりでの先発もあったのでは思います。
次のステージでも期待しています。

9.宮本・ジョセフ・拳(2021-2024)

2020年育成ドラフト3位で入団したジョセフ選手。
1年目には二軍で38試合に出場。2年目はオープン戦にも出場し、両打ちにも挑戦しました。

3年目には内野守備にも挑戦しましたが、契約上最初の戦力外通告を受けることになりました。
4年目も左打席でホームランを打つなど存在感は示したものの、10月2日に戦力外通告を受けることになりました。

ジョセフ選手は内外野問わずプレーできる使い勝手の良い選手でした。
そして、プロに入ってから始めた左打席でホームランを打てるというのは素晴らしいことだと思います。
また、ジョセフ選手は栄養の勉強もするなど、勉強家としての一面もありました。
次のステージでも期待しています。

10.おわりに

ここで紹介した9人の選手の中には、選手として野球を続ける人もいれば、コーチ・スカウトをはじめとする球団職員になる人だったり、野球界からは離れて一般企業に就職するなど様々な第二の人生が待っていると思います。私はこの選手たちをこれからも全力で応援していきたいと思います。
第二の人生に幸あれ。


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