杜甫の春望がとかく好きだ。どんな世になろうとも、激動の時がやってこようとも、社会体制が知らぬ間に水面下で変貌して好ましくない方に向かおうとも、天地はずっとここにある、と思えば慰められる。かの詩聖も、打ちひしがれたのちに「国破山河在ー」と見いだし詠んだと思えば励まされるというもの。