人生はいつだって未知との遭遇
こんにちは。青木9歳です。
「なるべく誘いを断らない」が今年の目標なもんで、うっかり友達の友達(つまり他人)の美容師さんのパーマの練習台を引き受けた。のだが、会ってみたらびっくり。男性の美容師さんだった。
都心のシャレオツ美容院についた瞬間に「トホホ…聞いてないよ〜!」とアイリスアウトしてしまいたくなった。私は、初対面の"陽の異性"と話すのが、心から苦手です。(デッッッカイ声)
べつに日頃から接している男性たちを"陰"と思っているわけではない。私は、明るい人間のペルソナを被ることで、一般レベルの会話を可能にしているだけだ。レジで接客しているのと同じで、本当はずっと緊張している。
事実、最初は「明るいよね」との印象を持たれることが多いが、だんだん化けの皮が剥がれてくる。あれ? コイツ本当はめちゃくちゃ暗いひねくれ汗かきオタク女で、休日は一日中引きこもって三毛別羆事件のWikipediaを読んでいるのでは?と。
それがバレる前にオサラバするのだ。あとは明るい人間たちに任せた。
(だから、同じくペルソナを通して周囲と接しているのに、私と性質が真逆であるアイドルマスターシャイニーカラーズの黛冬優子さんというキャラクターのことを本当に尊敬している)
この時代に男とか女とか言うのはばかばかしいことだが、(小、中学校に行っていなかったので)男女共学の経験が乏しい、元引きこもり、女子校出身、という呪いはそう簡単には解けない。ロイヤルストレートフラッシュである。
大学時代も、サークルの男子以外とは4年間一度も会話をしなかった。だって男性はみんな私を馬鹿にしているから(かわいそっ)
ちなみに飲み屋で知らない男性に「お姉さんたち、今日はどういう集まりなんですか〜?」と絡まれたときは「反出生主義者のオフ会です」「自殺サークルです」などと答えて追い払っている。
まあ普通に初対面だったら女性も怖いけど。三次元のヤシは漏れに近寄らないでくれwと手負いのオタクになってしまうのだった。
で、美容師さん。
美容師さんね。
美容師さんにバンドマンだとバレるのが一番きつい。
経験上、美容師さんと女バンドマンとの共通言語がないからか、話が盛り上がらないことが多い気がする。そんなことないよって人はおすすめの美容院を教えてください(私は年に二回くらいしか行きませんが)
「バンドやってるって聞いたんすけど、どんな音楽聴くんですか?」
やめてー!(最近は変な和音を使ったアニソンと日本語ラップを聴いています。)
何を答えても盛り上がらない気がしてウンウン考えていたら、「てか、こんなこと聞いてもオレあんま詳しくないんすけどね!」と気を使われてしまった。(美容師さんは本当にめちゃくちゃ良い人だった)
「バンドやってるってことは出会いも多そうっすね〜」
「ハハッ…(緊張で唇が乾燥して裂ける)」
「やっぱ女の子って、インスタの親しい友達を好きな人だけにして、ひま〜誰か電話かけて〜とかストーリー投稿したりするんですか〜?」
なにそれ!?
みんなそんな高度な心理戦してんの? かかってこなかったら傷つくだろ。すごいギャンブル。
恋愛黙示録カイジか。
Twitterで募集した恋愛黙示録カイジのあるある
「(鉄骨渡りの)ビルが片思いの愛の重さで傾いている」
「ずっと隣の台の好きな人の手を触ろうかどうか悩んで指先が動く瞬間がある」
「EDにバルーンのシャルルが流れる」
(フォロワーより拝借)
話題は自然と恋愛の話になり、昔の恋人との破局話をした。バンド続けることへの価値観の違いで〜……などと訥々と語ると、「え〜! 『花束みたいな恋をした』みたいでめちゃくちゃエモいですね〜!」と言われ、未知の感性が脳内に大量に流れ込んできて酔った。
「絶対泣けるんで!」とのことなので、観てみます。
そんなこんなで、怯えていても時間は流れる。パーマが出来上がった。一応、今流行りの細めのパーマをオーダーしていたのだった。
クルクルにカールした髪の毛を見てイガラム(※)?と思ってちょっと焦ったが、シャンプーすると落ち着くらしい。
(※)イガラム
シャンプーをしたらまあ、若干髪の毛が、シーナアンドザロケッツみたいな広がりを、見せたかな。ちょうど梅雨みたいな感じでね。若干ね。
(Facebookより)
あっ……。
なるほど。
一回目のパーマだとこんなもんらしいです。
千円払って美容室をあとにした。一ヶ月経った今もキューティクルと心の傷が癒えない。
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