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なんとかビル、朝

 意外にも、高校生時代からの友達がいる。青木9歳です。

 友達いなさそうって言われるけど高校には2人いる。別の高校にもう2人いる。大昔、八王子のRIPSとかMatchVoxの近所に、女子高生バイトしかいないテレアポの事務所があって、そこで仲良くなった。
 友達は、人懐っこくひょうきんな長身の女で、ハム太郎ではトラハムくんが好き。そして私なんかよりずっとバンドに詳しい。
 高校生の頃から音楽の趣味が最高で、ファーストコンタクトも、隣のクラスからわざわざ「andymori好きなの?」とかなんとか訪ねてきたような記憶がある。名刺くらいの大きさのメモ紙に、好きな音楽をびっしり羅列して渡してくれた。今思うとモチベーションがすごい。
 この女が銀杏だの大森靖子だのを勧めてこなければ、私は楽器や音楽なんて始めずに済んだ。そう伝えたら「ええ〜?平井(自分のことを苗字で呼ぶ)のせい〜?」とか言っていた。

 その友達が、薬酒Barで知り合ったフォロワーを連れてきて、吉祥寺で遊びましょうということで軽くお酒を飲んだ。(「軽くお酒を飲んだ」って大人っぽい感じがするから書いただけで実際はかなり飲んだ)(文章のノイズ)(嘘がつけないんだね)
 ほぼ全員がハンドルネームでTwitterやってるやつらで安心した。
 私は初対面の皆様に対して「顔と名前を判別するぞ〜」という強い緊張感をもって接しているので、戦場のオナニストとかネギさまとか雪の降る街みたいな名前でこられると、妙に気が抜ける。
 あと、Twitterをやっているやつらの挨拶は「ツイート見てます!○○ってツイート面白かったです!」で始まる。バンドマン同士の「曲聴いてます!」と同じシステム。
 それぞれ文章を書いたり、短歌を作ったり、絵を描いたり、学校に行ったり、アイドルを作ったりしている人たちがごちゃ混ぜで、なんだか面白い空間だった。

 みんな20代だったが、「遊びましょう」という集まりなので、ガチでフリスビーとかブーメランを買ってきて公園で転がりまわっていて良かった。私たちにとって「遊ぶ」はずっとそれがいいなあ。最終的に公園占領してゲートボールするジジィとババァになりたい。
 本格的に遊べたので嬉しくなってしまい、私も楽器を背負ったまま滑り台のはしごを駆け上った。滑ろうとしたら、てっぺんの屋根の部分にベースのケースが挟まってしまい、宙吊りっぽくなった。戻ろうにも重力は働くし、落ちようにもケースは挟まってるし、にっちもさっちもいかず助けてもらった。
 みんなも私も笑ってたけどめちゃくちゃ恥ずかしかった。あのまま放置されなくてよかった。楽器を背負ったまま滑り台で遊ぼうとするのは危険です。動物かフワちゃんしかやらない迷惑のかけ方。

 久しぶりに立ち飲み屋でお酒を飲んだけど、ライブハウスで立ってお酒を飲むのと変わらないので出所不明の安心感があった。今月、立って酒しか飲んでない。

 最近タバコを控えてアイコスにしたのだが、飲んでると無限に吸ってしまう。場の最年長が「青木は心臓弱いんだからあんまアイコス吸うなよ」と言いながらハイライトを1本くれた。不謹慎か。
 彼とはもともと知り合いだったが、はじめてちゃんと遊んだ。紳士的で優しいが、ウンコは絶対に会社でする(そうしたらウンコしてる時間、給料が出る)(これは俺のウンコに価値がつくという事である)(そうすればウンコも少しは報われるかなって)という狂ったポリシーを持っている。闇が深いほど差し込む光が強く輝くように、理性の部分で親切にされるほど狂気が強調されるので、昨日「年上だから」と酒を奢ってもらい感謝と同時にゾワ…とした。普通に大好きだけど。

 あと別れ際、けっこう酔ってしまって謝ってる子に「心配はするけど迷惑じゃない」ってさらっと言えてしまう子と友達になれて嬉しかった。そんなひといるんだ。世の中。絶対幸せになってくれ。
 
 バンドをやっているというのはわりと特殊な環境で、毎回のライブが最初で最後かもしれない人たちとの出会いの繰り返しだし、いろんな境界があいまいになる。紹介の仕方も、「(バンドや箱)の誰々さん」などが多い。だからあんまり「友達」とか言わない気がする。
 でも、昨日のは、かなり「友達」だったかもなあ、となんとなく現実離れしてフワフワした気持ちになっている。

 あと飛んだり跳ねたりしていたらスキニーが私の足の太さに耐えられず破れた。

 そんな……

 着用イメージはこんな感じです。
 私は家に帰ってないので三日間同じ服を着ており、今日もこれを履いてバイトするので、書きながらかなり冷静になってきた。

 これは鬼が出て3時間後に素面になっている友達


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