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再録/俺たちに品はない

 こんにちは。青9です。
 近頃あまりにも時間がなく、livedoorの過去記事をうpすることでお茶を濁そうと思います(直球火の玉ストレート)

 来週からぼちぼち時間が開くので、ぼちぼち書いていきたいですね。

↓前置き

 オタクって代謝なんですけど、私はそれを高く維持するのにそれなりの時間が要るというか。
 忙しいとアニメも見られないし新刊も読めないし二次小説も書けないので、必然的にオタクとしての精度が低くなるんですよね。

 最近だとポケットモンスター剣盾が発売された頃が一番オタク・バイタリティが高くて。(剣盾が最近!?)(20代半ば特有の時間感覚)
 その頃は元交際相手と同居しており、Switchを持っていたので毎日シールドをプレイして、Twitterで考察を漁り、二次創作をし、ウハウハでした。
 その後、その交際相手とはお別れし(オタクが原因ではないです)、Switchとアプデ直後のシールドは泣く泣く手放したのですが、キモさだけは完治せず、「美味しんぼ」と「AKIRA」を繰り返し見ているだけなのでもはやオタクですらなくなり、敬愛するにゃるらさんがnoteで提唱した"キモオタクからオタクを抜いたただのキモ"になっています。助けてください。

 以下、その頃の日記です。


2020.01.16

 ポケモン剣盾のスペシャルアニメ『薄明の翼』を見て泣いた。今作、登場人物ひとりひとりがあまりにはっきりと人格の輪郭をもちすぎている。とツイートしながらおもむろにテキーラを飲んだ。

 一緒に住んでいる女が、22時(薄明の翼が更新された時間)になった途端に神妙な顔で黙って酒をあおり始めたので、彼氏は訳がわからないという顔だった。
 私は金髪ショートで一人称ボクで黒いパーカーのフードをかぶっているタイプのオタク女(ガリッガリ)(猫のニーハイを履いている)ではなく、ゴムのスカートを履き、背中の肉のつき方ですぐにオタクだとバレるタイプのオタク女なのだ。こういうタイプのオタク女は、作品に対しての想いの"湿度"が高い。じめっとしている。
 初恋はルビーサファイアのチャンピオンのツワブキダイゴで、第二の恋は金色のガッシュベルのレイラの魔本(まほん)の持ち主なのだ。人によっては土井先生だろうが、日向ネジだろうが知らない。キャンパスノートに家庭教師ヒットマンREBORN!のキャラクターとの恋愛を書き溜めていたら23歳になっていた。

 彼は元野球部の浅黒い男だ。SNSをやらない。草の意味を知らないし、ADHDや黒人で笑いを取らないし、全力!脱力タイムズを本当に面白いと思って録画している(スカッとJAPANを録画していないからギリ付き合っている)
 ポケモンに攻撃技以外を覚えさせるのは無駄だと思っているので だいもんじ・かえんほうしゃ・ほのおのキバ・ひのこ で技スロットを埋める正真正銘の一般ピープルだ。野球をしていた男は初手でヒバニーを選ぶのである。
 彼とポケモン盾をプレイし始めたとき、線引き〜〜〜!と思った。登場人物(トレーナー)をいわゆる"萌えキャラ"的な目で見ているとバレてはいけない。背景や関係性を考察したツイートをいいねしていることがバレてはいけない。あくまで無邪気に育成・バトルを楽しんでいるライトオタクの女を演じなければいけない。

 半月ほどたったとき、追加コンテンツ+トレーナーのぬいぐるみ&書き下ろしクリアファイル付きセットが発売されるのを知り、迷わず1万2千円のそれを予約した。(線引き〜〜〜!)

「いらなくない?」
 彼は悪気なくそう言った。一般ピープルにはトレーナーのぬいぐるみ及びクリアファイル(¥9,000)の価値がわからない。
「いや、私マリィ好きだからさ……」
 嘘である。ビートの人形が欲しい。恋愛リアリティショーで一番ダサく、100%失恋する男子が、素直になれなくて好きな女子以外の水着姿を異様に褒めまくる構図を自らなぞってしまったことに死にたくなった。(関係ないが、私には恋愛リアリティショーを見ながらその住人になったかのように画面と会話をするキモすぎる趣味がある)
 彼に限らず、好きな男にキモ・オタクであることがバレたくない。ブログに書いたらバレるだろと思うだろうが、私の好きになる男は基本的に五角以上の漢字が読めないので、安心してこういうことが書ける。

 個人的に、モテるためには「ハンターハンターの話がわかる最高の女だよこいつは」ぐらいに思われているのが一番ちょうどいい状態だと思う。これはあくまで自分の話であって、全巻読んでいないのにジャンプ漫画好きだよ〜!と言う女がモテようとしているという話ではない(全巻読んでないのにジャンプ漫画好きだよ〜!と言う女はモテようとしている)
 中学生の頃、兄にFF7のエアリスが死んで悲しい話を1時間近くしていたら「お前異常だよ……」と言われたことがトラウマになっていることも原因だと思う。それは言われるだろ馬鹿。

 彼とは一年ほど一緒に住んでいる。あんさんぶるスターズ!が好きだった頃も、ヒプノシスマイクが好きだった頃も、共に過ごしてきた。
 ここにきて、方向は違えど、同じコンテンツにハマってしまった。そろそろ限界だと思った。カミングアウトだ。

「私はオタクなんだよ。だから、これからもアニメを見たり、声優のラップを聞いて、急に黙ってツイッターを見続けることがあると思うけど、引かないで欲しい。
 私はトレーナーそれぞれダイマックスの時のアクションが違うの本当に最高だと思ってるし、300枚はスクショを撮ってツイッターにupしているし、最初の頃は大はしゃぎしてるのバレたくなくて「今作(このワードもかなりオタクだと思う)はライバルとのイベントが多すぎw話しかけんなw」って言ったけどそのライバルたちの生き方が真剣にエモいと思ってる。
 あと、オタクだから、見た目かわいいポケモンはなるべく♂のほうがいいと思ってる。持ってるニンフィアも♂だし、マホイップも♂が存在したならよかった。家にあるマリルのぬいぐるみ。あれも♂として接してる。だからエルレイドが用意されているのにもかかわらずわざわざ存在するサーナイト♂に心から感謝しているキモすぎるオタクなんだ…よ…ね……ってか?ふぅ〜〜〜効く〜〜〜(ここ笑うつもりなかったのに本当に気持ち悪い笑い方をしてしまった)」

 彼はすこし黙ったあと、「えー、やべーじゃん」と一言だけ発して、覚えたての孵化厳選作業を再開した。おい、頼むから愛してくれ。


(別れたのマジでオタク関係ないからな!!)

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