見出し画像

Angel

通学中の道路の脇にあった猫の死骸は、帰りには綺麗に片付けられていた。まるで何事もなかったかのようにいつも通りの綺麗な道路がそこにあった。俺が急に死んだとしても何事もなかったかのように日常が続いていくのだろう。寂しくもあるし嬉しくもある。いなくなったら忘れないで欲しいが、何事もなかったかのように今まで通りの生活を営んで欲しい。矛盾だ。そうだ俺は矛盾の塊なのだ。死んだら地獄に落ちるべきだと思うし、地獄に落ちたいと思う。と同時に自転車漕ぎながら聴いてたLOWPOPLTDのAngelの影響なのか、同時に死んだら天使になりてーなぁってぼんやりと思ってた。地獄行きたいのに天使になりてぇって、なんとも身勝手な話である。Angel、天使、語感がいいな。けど別に死んでまで利用され続けるのも嫌だなぁって。じゃあ何故天使に?って自問自答してみたら、ただ俺は美しいものになりたいみたい。22歳にもなって美しいものって...wと自嘲が止まらないが、しょうがない。なりたいと思ってしまっては仕方ないのだ。

じゃあ美しいものとはなんだ?再び俺は自問自答をする。自問自答、俺はただそれを繰り返す。美しいもの、限りなく曖昧なものだと思う。明るい美もあるし、暗い美もある。人を惹き寄せる美もあれば、誰も寄せ付けない孤高の美もある。俺はその全てになりたい。汚れたってなれるもんなのかアレは
思い出が勝手に美化されるように、人も勝手に美化されないものだろうか、死んだらされるかな。そうなるには、どうやら大事なものをたくさん落としてしまったみたいだ。成人した天使なんてあんま見たことないよな。天使になるには、どうやら大人になりすぎてしまったみたいだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?