見出し画像

FX会社の選び方で覚えておきたいこと

はじめに

FXトレードでは、個人が直接マーケットと取引を行うことはできない。だから個人投資家がFX取引をしようと思えば、取引システムを提供しているFX会社で口座を開設する必要がある。FX会社には特徴があり、提供しているシステムやニュース、経済指標予定などの違いがある。この記事では、まったく投資経験がない方がFX会社を選ぶ際の注意点に関して解説する。

FX会社によるリスクの違い

FX会社と聞くと、何か特別な会社と思う方もいるかも知れないが、FX会社も一般的な会社と変わらず毎月毎年企業努力によって利益を挙げ続けていかなければならない。

図1

かつて株式取引会社の大手山一證券や地方銀行の北海道拓殖銀行が経営破綻したように、FX会社にも通常の会社と同じようにある日突然経営破綻する可能性がゼロではないのだ。
会社が倒産してしまうと基本的に会社が保有していた資産のほとんどが債権者へ分配される。
FX会社では顧客から預かった証拠金を自社の資産とは別に管理する分別管理が一般的なので、万が一会社が経営破綻しても基本的に顧客の資産は保護されることになる。
FX会社によって分別管理の方法が異なっている場合がある。中にはFX会社が経営破綻してしまうと顧客の証拠金が戻ってこないという事態に陥る可能性もゼロではない。

リスク分散のための分散投資を行う

FX会社へ預けていた証拠金が、会社の経営破綻によって戻ってこないなんてことになったら、今後トレードを続けていく資金が減少、またはなくなってしまう可能性がある。

図12

そうならないためにもトレードを行う場合には顧客の証拠金をきちんと分別管理しているFX会社で口座開設するのが第一条件だ。国内のFX会社で有名なところはの多くは問題ないが、プライベートバンクのような小さな証券会社やFX会社などもある。そのためにFX会社に関しては複数の口座開設が好ましい。
複数のFX会社への口座開設の理由はあまり詳細には書けないが、過去に分別管理を行っていると思われていたある会社が、実は分別管理を行っていなかったということがあったからなのだ。
もっとも、昔と違って最近では金融庁による規制も厳しくなっているので、多くは問題ないだろう。
しかし、基本は自分の資産は自分で守ることである。これはFXトレードではとても重要なことになるので、会社に万が一のことがあったとしても自分の資産が全てなくならないように、リスクの分散は必要になる。

FX会社選びは資金管理方法が重要

FXトレードを始める為には、日本及び海外に数多くあるトレードシステムを提供しているFX会社の中から自分の目的に合った会社へ口座開設を行う。

図13

トレードに関する目的とは、日中何時でも為替チャートに張り付くことができる方であればFXスキャルピングやデイトレード、そうでない方であればスイングトレードなどのトレード手法のことになる。自分の手法にあっている会社を選ぶという意味だ。例えば、スキャルピングに有利な会社は約定力やスキャルピングOKを公言する会社であるし、長期運用ならスワップポイントが高い会社になる。さまざまな通貨ペアで取引したいなら多くの通貨をラインナップしている会社を選ぶということだ。
自分が用意することができる資金によっては、FX会社が求めている最低証拠金に満たない場合もあるので、自分が用意できる資金で運用ができる会社を選ぶことも重要だ。

FX会社の分別管理とは

図14

基本的にFX会社では、万が一自社が経営破綻した場合に備えて、自社の資金と顧客から預かっている資金を別にする分別管理を行っている。
分別管理を行うことによって、万が一FX会社が経営破綻したとしても顧客の資金は債権整理されることなく守られるのだ。
そのため、FX会社を選ぶ際には必ず資金の分別管理を行っている取引会社を選ぶ必要のが最低条件といえるだろう。大手の会社では資金の分別管理は当たり前なので、名の知れたFX会社は問題ないといえる。

分別管理の方法は3つの方法がある

画像5

■信託保全
信託保全だが、簡単に言うとFX会社が信託銀行に依頼して、顧客の資金を毎営業日または一定期間後に預け入れるという資金管理の方法になる。
そして、顧客の資金を信託銀行へ預け入れておくことによって、万が一会社が経営破綻しても差し押さえの対象にはならない=債務整理の対象になることがなくなるのだ。
FX会社といってもそこは普通の会社と同様に、利益を出してナンボの世界なので、赤字が膨らめば経営破綻のリスクが有るので、万が一のリスクを考えれば信託保全はとても重要になる。
■提携先銀行へ預ける
これは、FX会社が提携または取引している銀行へ顧客の資金を預けるという方法になる。つまり、簡単にいえばFX会社の口座に顧客の資金も入ってしまうということになるのだ。
もちろん、会社によっては取引銀行へ自社口座と顧客用の口座の両方を持っている場合もある。基本的にはFX会社の名義によって管理されることになる。
すると、万が一FX会社が経営破綻した場合には、銀行口座内の自社及び顧客の資金はFX会社の資産として差し押さえの対象になってしまうのだ。
FX会社の資金はともかく、自分の資金までも差し押さえになってしまっては、とてもやり切れない。だから、会社を選ぶ際には、顧客の資金を提携先銀行へ預けているFX会社は選ばないことをお勧めする。
■社内の別の金庫に入れておく
近年ではあまりないと思われる分別管理方法だが、社内にある複数の金庫に自社資金とは別に顧客の資金を保管する方法だ。
ただ、この方法では、自社の資金繰りが悪化した時に顧客の資金が入った金庫から資金を調達したり、金庫が社内にあるため社員による横領の恐れが有るので、正直なところリスクの高い方法になる。
ちなみに、この方法はFX会社が経営破綻した場合には、問答無用で差し押さえの対象になる。
FX会社を選ぶ場合は、信託保全を導入しているFX会社が基本だ。信託保全であれば、会社の資金と顧客の資金が完全に分離されているので、万が一経営破綻しても安全だ。
FX会社が信託保全を導入しているか否かについては、会社のホームページに記載があるので、FX口座を開設する前に必ず確認することをお勧めする。

FXトレードではFX会社のサーバーを使う

図15

FXトレードでは、大抵の場合FX会社が提供しているインターネットを介したトレードシステムを使うことになる。会社によっては電話取引も行っているところもある。近年のネット環境の広がりから大抵の方はネットを介したシステムを使っていると思われる。
そして、トレードシステムは、FX会社が独自に用意したサーバーまたは外部に委託しているサーバーを使って行うことになる。だから、サーバーの性能にはFX会社によってはかなりの差となって表れてくるのだ。
そのため、システムトレードにとってサーバーはとても重要になってくるのだが、サーバーの動きが安定していないと思わぬ事態を招くことに繋がるのだ。

FX会社のサーバー安定性について

FXトレードでは、私達がパソコンや携帯端末から口座開設しているFX会社のトレードシステムへアクセスして、売りや買いの注文を出する。
だから、インターネット環境があれば、元旦や土日を除く1年間のほとんどの時間帯でFXトレードを行えるという、一昔前では考えられないようなトレード環境が用意されているのだ。

図16

ちなみに、世の中は何かが便利になると他の何かに不具合が起こることが多い。FX会社が用意または外部に委託しているサーバーだが、時として不安定な動きをすることがあるのだ。
もっとも、通常の時間帯からFX会社の取引サーバーが安定しないだがのはもっての他だが、そのようなFX会社であれば顧客が離れていくのでサーバーを強化しない限りは経営破綻する可能性が高くなる。
ただ、中には私達が特に重要視している各国の主要経済指標の発表時に毎回サーバーがダウンしてしまう場合があるのだ。
そして、FX会社の取引サーバーがダウンしてしまうと、当然ながら新規の売買注文を行うことができなくなる。すると、為替相場が保有しているポジションと反対方向へ動いたとしても決済することができない=損失が膨らんでしまう可能性が出てくるのだ。
目の前で為替チャートが保有ポジションとは反対方向へ大きく動いているのに何もできないのは諦めきれたものではない。
しかし、あらかじめ損切り注文を入れておけば、決められた為替レートで決済される場合もある。中にはサーバーが不安定、またはダウンしてしまい、損切り注文が行われないということもありえる。
だから、FX会社を選ぶ際には、FX会社が提供しているトレードシステムのサーバーが安定しているのかどうかの確認を行おう。
サーバー安定性は実際にトレードしないと分からない
FX会社のサーバーの安定性は、これを確認するためには実際にFX会社へ口座を開設してトレードシステムの動きをチェックする必要がある。
ただ、インターネット上には、数多くのFX会社の評価サイトがある。実際の動きは口座開設をして見ないと分からないという現実がある。
だから、FX会社のサーバーの安定性を確認するためには、1つのFX会社よりも複数の会社へ口座を開設して、実際にその動きをチェックしてみよう。そして、サーバーの安定性も含めた、自分の目的に合ったFX会社でトレードを行おう。
FXトレードでは、自分の資金を使うので、例えFX会社選びだとしても妥協だけはしてはいけない。

FX会社によってトレード可能時間帯が異なる

FXトレードを行う人の中には、日中は会社で仕事をしており帰宅してからトレードする、逆に日中は自宅でトレードに集中できる、または1日中トレードに集中することができるなど、さまざまな人がいる。

図17

もっとも、1日中FXトレードできる専業の人は別として、それ以外の人はFXトレードを行うに当たって時間の制約がある。
そんな時、口座開設したFX会社の取引可能時間帯が自分のライフスタイルに合っていなかった場合には、思うようなFXトレードができない可能性が高くなる。
そこで、FX会社へ口座開設を行う前には、そのFX会社の取引可能時間帯も調べる必要がある。取引時間を把握しておかないと、注文する予定だったものが注文することができないからだ。

FX会社の取引可能時間帯

現在日本はもとより世界中にあるFX会社の取引可能時間帯は、年始(元旦)や土日を除く24時間休まずFXトレードできる。つまり、平日は月曜の早朝から土曜日の早朝まで休みなくFXトレードを行うことが可能だ。(一部FX会社を除く)

図18

ちなみに、日本では平日に祝日が重なる場合がある。基本的には祝日も取引可能となっている。また、アメリカやヨーロッパには独自の祝日がある。そんな時にも日本のFX会社であればFXトレードを行うことが可能だ。
ただ、週明けや週末の取引可能時間帯については、各FX会社によって微妙に異なっている場合が有り、週明けの早いところで月曜日は朝5時から、また週末の遅いところで土曜日の朝6時までFXトレードが可能なFX会社がある。
だから、月曜日は朝早くからFXトレードを行いたい、また土曜日は朝6時までFXトレードを行いたいと言う人は、その時間帯にトレードが可能なFX会社を選んで下さい。
しかし、月曜日の早朝には、前週の週末に為替相場に大きな影響を与えるようなでき事が発生した場合には、為替相場が大きく動く可能性が有るので、細心の注意をしながらFXトレードを行う必要がある。

FX会社の電話取引には要注意

FX会社によっては、インターネットを介したトレードシステムの他にオペレーターと電話でのやり取りでトレードが可能な電話取引を提供している会社がある。

図19

現在のインターネット環境の普及によって、電話取引の需要は年々低下しているが、パソコン操作が苦手な人には電話取引の方が良いかも知れない。
しかし、電話取引の場合には、人件費が掛かっているためネット注文と比べて注文コストが割高となっており、またコールセンターも24時間対応ではないFX会社もある。
特に、コールセンターの営業時間以外に為替相場に大きな変動が起きた場合には、最悪損失が膨らんでしまう可能性がある。だから、電話取引の場合には、24時間対応可能なコールセンターを持っているFX会社を選んだ方が良いだろう。


https://happylifecontents.com/fx-basic-loss-cut-rule/

https://happylifecontents.com/fx-basic-slippage/

https://happylifecontents.com/jfx-matrix-trader/

https://happylifecontents.com/iforex01/



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?