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彼女の名前はさらさ①

みなさんは『モテキ』と言う映画をご存知だろうか。森山未來演じる藤本幸世がある日突然、長澤まさみや麻生久美子などの美女にモテ始めるという何とも羨ましい映画である。

これから綴るお話はそんな『モテキ』のような夢物語である。

毎週末、暇を持て余している僕はこの日もツイッターで暇を潰していた。すると、ある女の子とdmで仲良くなった。彼女の名前は「さらさ」。曰く、彼女はtinderで固定の人を見つけようとしたが、なかなかいい人が現れず、裏垢を始めたとのこと。

ゲームが好きな彼女は「シェアプしよ」と言った。PS4は持っていたが、実のところたまにしか遊ばない僕はGoogle先生に「シェアプ」のやり方を教えてもらいながら、なんとか通信を繋げることができた。

「あ、繋がってる!」

イヤホンから聞こえたのは明るくハツラツな声。学校のクラスでも友達が多そうな、そんな声だった。

僕らはオンラインで一緒にゲームをやろうとした。だが、僕の家の回線が弱く、ゲームすることは叶わなかったため、代わりにおしゃべりを楽しむことにした。

普段どんなゲームをするのかとか、どんな人がタイプかとか、血液型の話とか、とりとめのない話ばかり。そして僕らは会話の流れで、一緒に渋谷でごはんを食べることになった。

時刻は夜8時頃。夏の夜の渋谷はいつも通り、人がごった返していて、お祭りのような賑わいだった。

待ち合わせ場所にいくと、白いワンピースの女の子がいた。簡単に挨拶を済ませて、僕らは目的地へ向かうことに。「どう?実際に会ってみて。」と聞かれたので、僕は思ったことをそのまま言ってしまった。

「え、思ったよりギャルだった。」

PS4から通して聞こえた声から、僕はなんとなく長い黒髪の女の子を想像していたが、そこにいたのはショートカットの金髪で、いかにもパーティーが好きそうな女の子だった。

そして彼女はとても可愛いかった。
こんな可愛い子と初めて会った。

道中、「緊張しすぎて吐きそう」と彼女は言ったが僕は絶対嘘だと思った。なんなら僕の方が緊張していたと思う。

居酒屋に着くと僕らはお刺身をあてに、生ビールを飲んだ。

だんだん近くなる距離。男慣れしているトーク。

モテキの幸世君もこんな気持ちだったのだろうかとふと思った。なんでこんな可愛い子が僕と一緒にご飯を食べているのだろう、そして可愛い子を前にたじたじになっている自分が情けない、など感情が忙しかった。

また距離が近いせいか、胸に目がよくいってしまった。しかも、それがバレていた。

色々お話ししたが、お酒に酔ったせいか、彼女に酔ったせいか、少し記憶があいまいである。唯一はっきり覚えてるのは彼女がお花屋さんをやりたいことと、僕がとてつもなくキスをしたかったこと。

お店を出て、当然のようにこの後「どうする?」ってなった。本当はもう少し一緒にいたかったが、日曜日ということもあり、僕らは結局は帰ることにした。

渋谷駅へ向かっている途中、「沼ってほしい。私の性癖に付き合ってくれる?」と言われた。

チョロい僕はその言葉でイチコロだった。

ねぇ、次はいつ会える?


【後日談】
僕はその日家に帰ったらすぐオナニーをした。

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