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メトロポリタン美術館展

ずーっと楽しみにしていた美術展。
「メトロポリタン美術館展」何がすごいって、目玉!!と言われるような名画が目白押しなんですよね。
カラヴァッジョ、ゴヤ、マネ、モネ、ラファエロ、ターナー、セザンヌ、ドガ、ベラスケス……。美術の本?ってくらいの堂々たるネームドばかり。

以前、スペインのプラド美術館で本物の名画を山ほど見た経験から、絵画の本物を見たい!ってなりました。

ただ、日本の絵画展はいつもすごい混雑なのがネック。ストレスのほうが大きかったりします。

でも、今回のメトロポリタン美術館展だけは別。なんとしても見に行きたい!ってなって、頑張りました。

行く前から、図録を取り寄せ、一点一点の予習もバッチリ。

平日、朝いちで行ったからか、それほどの混雑でもありませんでした。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「女占い師」

ポスターにもなったこの「女占い師」。
占いをしているのは右側のおばあさんですが、周りの女達はみんな中央の金持ちの青年から財布を抜き取ろうとしてたり、金の飾りをハサミで切り取ろうとしてたり……w

大きな絵画で、本当に美しい。それぞれの表情も生き生きしていて見所なんですが、私はその衣装や装飾品に目を奪われました。金糸を使った刺繍や布のひだなどの美しく細やかなこと!!

カラヴァッジョ 「音楽家たち」

出ました、カラヴァッジョ。
真ん中の少年のしどけない様子からわかる通り、BLの絵らしいです。
彼の右隣で、やっぱりカメラ目線してる男の子はカラヴァッジョの自画像らしい。彼は静物画(特に果物)も有名なんですが、左下に描かれた素晴らしい葡萄の描写からもうかがえますね。
このカラヴァッジョ、後に殺人を犯し、各地を逃げ回った末、38歳という若さで亡くなります。
しかし、その類い希な才能から、後世まで名を残し、様々な画家たちに影響を及ぼしています。

この絵も、けっこう大きかったですね。

ジャン・シメオン・シャルダン「シャボン玉吹き」

今回、この絵が楽しみでした。
このリアルな空間に流れる静けさと緊張、そして穏やかな喜び。

若い男性が肘をかけている石段の堅さ、静かに息を吹きこんでいる最中の、シャボン玉の儚さ……それを見つめる子供の目……。
まるでこの額縁で切り取られた空間……1730年頃のフランスを垣間見たような気分になりました。

マリー・ドニーズ・ヴィレール「女性画家」

日本もそうでしたが、海外でも、長い間、女性の地位は低く、画家という分野も制約が多かったそうです。
18世紀後半のフランスでは、画家を職業とする女性も少しずつ現れました。

この「女性画家」という絵も、長い間、他の男性画家の絵だとされてきた作品です。
逆光に描かれ、こちらに何かを訴えかける目を送る女性画家。後ろの窓には、楽しそうに語らう男女がいます。
女性画家はなにを訴えかけているんでしょうね。
わたしは恋人と戯れるより、こうして日陰の存在でもいい、好きな絵を思う存分描きたい!と言ってるのか。
はたまた、こうして頑張ってるのになぜ世間は認めてくれないの?と言ってるのか……
実物を見て、なんとなく前者なような気がしました。彼女の寂しさというより、確固たる信念みたいなものを感じます。

ジャン・レオン・ジェローム「ピュグマリオンとガラテア」

これもまた見たかった作品です。
美しい彫刻に恋をした彫刻家ピュグマリオンの話(古代ローマの詩より)を主題にした作品。
生身の人間に変身しかかっている女性の背中やお尻のなめらかさ、重みがなんともリアルで、ドラマティックですね。
背後で恋の矢を放ったキューピッド、その下であきれ果て笑う仮面たち、後ろの彫刻たちも呆然としているようです。

怖い絵シリーズで有名な中野京子さんの「名画の謎ギリシャ神話篇」の表紙になっていることでも知られています。

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私は、映画を観る時はなんの前情報もなく見たいと思うほうですが、絵画は別です。その時代背景、画家のこと、作品のテーマなどをしっかり予習してから充分に堪能したいんです。
その点、中野京子さんの本はとても勉強になります。何より面白いですしね!お薦め。

よかったらMP補充、よろしくおねがいします。無理のない範囲で!! そのMPで次の執筆がんばります。