分析でよく使う言葉①

 データを分析(文章化)する際、よく使う言い回しがある。
 といってもごくごく簡単なもの、「増加⇔減少」、「拡大⇔縮小」「上昇⇔低下」について確認しておきたい。こういう簡単な言葉こそ厄介だからだ。

 我が社でも、校正者Aが「拡大」を「増加」に修正、校正者Bがそれを「拡大」に再修正・・・といった表現の行ったり来たりが頻繁に発生する。誰もプロの校正者ではないし、時間がないから前の校正者がどこをどう直したか確認しない。だから校正マニュアルに記載されていない文言については何の疑問もなく、おのおのの常識で判断してしまう。

 ちょっと調べてみたら模範解答らしきものが出てきたので引用する。

増加・減少・・・人口や事業所数などの実数値を比較する場合に用いられる。
上昇・低下・下落・・・指数や構成比など、比率を比較する場合に用いられる。なお、価格は指数ではないが、上昇・低下・下落が用いられる。物価は指数である。
拡大・縮小・・・数値の差や構成比の時系列変化を比較する場合に用いられる。
(島根県政策企画局 統計調査課”しまね統計情報データベース”http://pref.shimane-toukei.jp/index.php?view=15563#kakudai_shukushou) 

 すごく分かりやすい。
 次の様なことも書かれている。

もっとも、次の先生と学生の問答のように、人によって感じ方は異なるようである。この例では比率に対して「(の値)」と補うことによって数値化して理解している。
(学生)先生の末文にあります「炭水化物が分解してもアルカリ度は不変、pHは減少」で、炭酸が増えますからpHは低下ではないでしょうか。
(先生)確かに減少より低下の方がよいかもしれません。しかし、pH(の値)が増加した、減少したと言うこともあるのではないでしょうか。英語では、increase、decreaseです。
(島根県政策企画局 統計調査課”しまね統計情報データベース”http://pref.shimane-toukei.jp/index.php?view=15563#kakudai_shukushou) 

 ルールを把握していても感覚によるブレは生じうるということか。表現の行ったり来たりも場合によっては仕方が無い。

 ちなみに最近お会いした偉い方は
「赤字」は「拡大する」
「赤字額」は「増加する」
とおっしゃっていた。