官公省庁の調査:生産動態統計調査

①概要

基幹統計調査
鉱産物・工業品を生産する(従業員数一定規模以上の)事業所を対象とした全数調査
・毎月
実施
・工業統計調査とは違って、調査する品目があらかじめ決まっている
・2020年12月に策定された「統計表における機械判読可能なデータの表記方法の統一ルール」を受けて、2022年1月分からExcelデータのまとめ方を変更。冊子前提から機械判読前提
→セルの統合が解消されたので、Excelのフィルター機能を使って必要なデータを抽出可能
→品目群ごとに別々のExcelブックにまとめていたのを1つのExcelブックに集約。どの品目を見たい人も同じ1つのブックを参照

②設立背景

連合国軍総司令部(GHQ)の要請で1948年から実施。創設当初は経済統制下における物資の需給調整に用いられた
・1951年の経済統制解除を受けて、1953年に大幅改正

③管轄

経済産業省
(民間委託先:インテージリサーチ) ※2022年調査

④調査時期

・毎月実施
・毎年12月中旬に調査票配布→月間データ・月末データを記入→翌月15日までに提出

⑤発表時期

・調査月の翌月末速報公表
・調査月の翌々月中旬確報公表
・最新調査月の翌々月中旬(確報公表日の翌日)時系列表更新
・調査年の翌年5月頃(最終調査月から5か月遅れ)に年報公表

※速報=2か月分のデータと前月比増減率、前年同月比増減率
※確報=1年と1か月分のデータ
※時系列表=5年と1か月分のデータ
※年報=調査年の月別・四半期別データと、CY=暦年で5年分、FY=年度で2年分の年間データを公表。月報公表時から数値が修正されていることもあるので要チェック

⑥調査対象

・鉱産物・工業品(約1,600品目)を生産する全国の事業所または企業(約1万4,000)
・回収率約94%

⑦調査項目

・品目によって調査票が異なる。鉄鋼7種類、非鉄金属7種類、金属製品11種類、はん用・生産用・業務用機械22種類、電気・電子デバイス・情報通信機械12種類、輸送機械5種類、窯業・土石(建材)9種類、パルプ・紙・紙加工品5種類、化学工業11種類、ゴム製品・プラスチック製品3種類、繊維工業7種類、その他の工業7種類、鉱業・石油・石炭製品3種類の計109種類の調査票を使用
・調査項目は大きく分けて①製品、②原材料、③労務、④生産能力・設備の4種類。①・②は、品目によって単位が異なる(数量、重量、金額…)

製品欄…生産、受入、消費、出荷、在庫
原材料欄…受入、消費、在庫
労務欄…月末従事者数
生産能力・設備に関する事項…生産能力、月末保有台数

※生産量/金額は半製品を含まない⇔工業統計調査
※生産量/金額は実際にその製品を生産した事業所(委託者ではなく受託者)の実績
※出荷は販売その他に分けられる
販売=販売事業者・消費者に直接販売した分や全くの転売など、出荷後、他者に加工されないもの
その他=自社の別工場や同一品目を生産する別企業の工場に出荷した分など、出荷後、他者に加工されるもの。このほか自家使用・自己消費したもの等

⑧調査方法

・従業者数が一定規模以上の事業所を対象とした全数調査(品目によっては従業者数の条件なし)。「経済産業省生産動態統計調査 別表」を見ると品目ごとの調査範囲が分かる
・工業統計調査(現在は廃止)用の名簿や報道等を元に更新、業界団体等の協力を得て整理したものを母集団名簿として使用。今後変更の可能性あり
・郵送で調査票を配布。郵送またはオンラインで回収

⑨活用

・鉱工業指数、GDP四半期別速報、産業連関表等の基礎資料 ほか

⑩その他メモ


⑪参考資料

・経済産業省"経済産業省生産動態統計調査" https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/seidou/index.html
・総務省統計委員会「諮問第128号の答申 経済産業省生産動態統計調査の変更について」(2019年5月24日)https://www.soumu.go.jp/main_content/000623080.pdf