業界団体:日本新聞協会

①団体名

(一社)日本新聞協会

②統計

※以下、協会HPで閲覧可能で、協会自身が調査を実施するもの。詳細な調査結果は雑誌『新聞研究』の「データ&リサーチ」に掲載される。協会HP内、新聞研究のページで掲載号が分かる

・新聞の発行部数と世帯数の推移

調査方法:日本新聞協会会員の全日刊紙の発行部数を集計。なお、朝刊と夕刊がセットになったセット紙は1部として計算(注にセット紙1部を朝刊1部、夕刊1部として振り分けた場合の発行部数も掲載されている)。世帯数は総務省『住民基本台帳』からの引用
調査対象:毎年10月時点で日本新聞協会会員の日刊新聞。したがって、発行部数は会員紙の増減に左右される※調査対象紙数は「新聞の発行部数と普及度」のページ参照
調査項目:一般紙、スポーツ紙、セット紙、朝刊単独、夕刊単独の発行部数、世帯数(引用)、1世帯当たり部数
→発行部数・世帯数とも桁数調整されていないため、以下の式が成り立つ
総発行部数(合計)=一般紙の発行部数+スポーツ紙の発行部数
総発行部数(合計)=セット紙の発行部数+朝刊単独の発行部数+夕刊単独の発行部数
1世帯当たり部数=総発行部数(合計)÷世帯数
→1世帯当たり部数は世帯数の増減からも影響を受ける

・新聞の発行部数と普及度

調査方法:日本新聞協会会員の全日刊紙の発行部数を集計。なお、朝刊と夕刊がセットになったセット紙は朝刊1部、夕刊1部の計2部として計算。人口は総務省『住民基本台帳』の数値を利用
調査対象:毎年10月時点で日本新聞協会会員の日刊新聞。したがって、発行部数は会員紙の増減に左右される。表内、日刊紙数=調査対象紙数
調査項目:新聞の発行部数、人口千人当たり部数、日刊紙数
→「新聞の発行部数と世帯数の推移」とは異なり、セット紙を2部扱いにしているため、「新聞の発行部数と世帯数の推移」より数字が大きい
→「新聞の発行部数と世帯数の推移」とは異なり、発行部数の単位は千部

・日刊紙の都道府県別発行部数と普及度

調査方法:日本新聞協会会員の全日刊紙の発行部数を集計。なお、朝刊と夕刊がセットになったセット紙は1部として計算。人口・世帯数は総務省『住民基本台帳』からの引用
調査対象:毎年10月時点で日本新聞協会会員の日刊新聞。したがって、発行部数は会員紙の増減に左右される。最新年の対象紙数のみ注に記載。これより前の対象紙数を知りたい場合は「新聞の発行部数と普及度」参照
調査項目:セット紙、朝刊単独、夕刊単独の発行部数、1部当たり人口、人口、1世帯当たり部数、世帯数
→総発行部数(計)は「新聞の発行部数と世帯数の推移」の総発行部数(合計)と同じ
→発行部数・人口数・世帯数とも桁数調整されていないため、以下の式が成り立つ
総発行部数(計)=セット紙の発行部数+朝刊単独の発行部数+夕刊単独の発行部数
1部当たり人口=人口÷総発行部数(計)
1世帯当たり部数=総発行部数(計)÷世帯数
→1世帯当たり人口および1世帯当たり部数は人口数・世帯数の増減からも影響を受ける

・新聞の戸別配達率

調査方法:日本新聞協会経営業務部調べ。毎年10月時点
調査項目:戸別配達、即売、郵送、その他の構成比
→全て足し上げると約100%になる

・新聞社の総売上高の推移

調査方法:日本新聞協会会員社の決算書に記載されている営業収入、営業外収益、特別利益を足し上げ。決算書未提出社については、同規模会社の平均値等から推計。以上から新聞社の総売上高を推計
調査対象:日本新聞協会会員の日刊新聞社。したがって、総売上高は会員社の増減に左右される
調査項目:調査対象社数、販売収入、広告収入、その他収入、総売上高の金額及び構成比
→金額の単位は億円
→販売収入、広告収入、その他の収入の構成比を足し上げると約100%になる(四捨五入処理されているため、100%ぴったりにならない場合もある)
→その他収入には出版・受託印刷・事業収入等の営業収入、不動産収入などの営業外収益(本業以外の収益)、特別利益が含まれる

・発行規模別収入構成・費用構成

調査方法:調査対象社(固定サンプル)の決算数値を集計し、平均値を算出
調査対象:日本新聞協会会員の日刊新聞社のうち、固定サンプル39社
調査項目:
①総収入を100とした際の、販売収入、広告収入、その他収入、営業外収益、特別利益の構成比率
②総費用を100とした際の、用紙費、資材費、人件費、経費、営業外費用、特別損失、法人税等充当額の構成比率
→「新聞社の総売上高の推移」では「その他収入」に営業外収益、特別利益も含むが、ここでは区別されている
→全て足し上げると約100%になる(四捨五入処理されているため、100%ぴったりにならない場合もある)

・新聞用紙の生産と消費

調査方法:国内製紙会社の報告に基づき集計。重量ベース→需要量の他、用紙の軽量化の影響を受ける
調査対象:国内製紙会社(輸入外紙のみ日本新聞協会会員社)
調査項目:
新聞用紙の総生産量とその内訳(国内生産量/輸入外紙入荷量)
新聞用紙の総払い出し量とその内訳(新聞社向け払い出し量(国内払い出し量/輸入外紙消費量)/輸出量)
→輸入外紙=日本新聞協会会員社が商社・印刷会社から購入した外紙
→輸出量=国内製紙会社の新聞用紙の輸出量
→払い出し量≒出荷量≒需要量

・新聞用紙の国内生産実績(軽量化の推移)

調査方法:国内製紙会社の報告に基づき集計。重量ベース
調査対象:国内製紙会社
調査項目:超々軽量紙、超軽量紙、軽量紙、普通紙、重量紙それぞれの国内生産量および構成比、国内総生産量(合計)
→合計は「新聞用紙の生産と消費」の国内生産量と同じ

・新聞・通信社従業員総数

調査方法:日本新聞協会会員の全新聞社・通信社の毎年4月1日現在の従業員数を集計→会員社数の増減に影響を受ける
調査対象:毎年4月時点で日本新聞協会会員の全新聞社・通信社
調査項目:調査対象社数、従業員総数
→部門別従業員数の回答社のみ集計した「部門別従業員数」の「従業員合計」より数字が大きい

・部門別従業員数の推移

調査方法:日本新聞協会会員の新聞社・通信社のうち、部門別従業員数回答社の従業員数を集計→回答社数の増減に影響を受ける
調査対象:毎年4月時点で日本新聞協会会員の新聞社・通信社
調査項目:回答社数、編集部門、製作・印刷・発送部門、営業部門、出版・事業部門、電子メディア部門、統括・管理部門、その他のそれぞれの従業員数、以上を足し上げた従業員合計
→部門別従業員数の回答社のみ集計しているため、「新聞・通信社従業員総数」の「従業員総数」より数字が小さい

・新聞・通信社従業員数と記者数の推移

調査方法:日本新聞協会会員の新聞社・通信社のうち、記者数等、従業員数の内訳を回答した社の従業員数を集計→回答社数の増減に影響を受ける
調査対象:毎年4月時点で日本新聞協会会員の新聞社・通信社
調査項目:回答社数、記者数、うち女性記者数、女性記者の比率、従業員合計
→従業員合計は「部門別従業員数の推移」の従業員合計と同じ数字
→記者は「部門別従業員数の推移」でいう編集部門の従業員

・新聞販売所従業員数、販売所数の推移

調査方法:毎年10月1日現在の全国の新聞販売所数、およびその従業員数を定義にのっとて集計。新聞販売所数は本社に計算口座を持つ店舗を1店舗として集計。口座を持たない店舗は本店に含める
調査対象:全国の新聞販売所
調査項目:従業員総数、専業の従業員数(男性/女性)、副業の従業員数(男性/女性)、学生の従業員数、少年の従業員数、新聞販売所数
→従業員=店主とその家族を除く全従業員。ただし、店主の家族でも、配達業務を行い、賃金を受け取る者は従業員に含める
→専業の従業員=世帯の主たる収入を新聞販売所から得ており、かつ、所長から正社員として認められている従業員
→副業の従業員=専業の従業員、学生の従業員、少年の従業員以外の従業員
→HP上で性別内訳が表示されているのは専業・副業従業員のみ。新聞販売所従業員全体の男女比を知りたい場合は雑誌『新聞研究』参照
→桁数調整されていないため、以下の式が成り立つ
従業員総数=専業の従業員数+副業の従業員数+学生の従業員数+少年の従業員数

・総合ニュースサービスの現況

調査方法:日本新聞協会メディア開発委員会が毎年4月現在で実施。日本新聞協会会員の新聞社・通信社のうち、回答社のデジタルサービス提供状況を集計→回答社数の増減に影響を受ける
調査対象:日本新聞協会会員の新聞社・通信社。注に回答社数の記載あり
調査項目:
①サービス分類と提供方法…ペイウォール型/本紙購読者限定ペイウォール型/有料電子サービス会員限定ペイウォール型/有料電子版・サービス/本紙購読者限定電子版・サービス/無料ニュースサイト/その他、それぞれの社数
②収益モデル…広告単独/有料課金・広告併用/有料課金単独/その他、それぞれのサービス数
③会員制度の形態…有料会員単独/購読者会員単独/無料会員単独/有料会員+購読者会員/有料会員+購読者会員+無料会員/有料会員+無料会員/会員制なし、それぞれのサービス数

・その他新聞オーディエンス調査(※⑨その他メモ参照)、NIEに関する調査等

―――

主な引用先:(株)文化通信社「文化通信

―――

類似統計:(一社)日本ABC協会『ABCレポート』

③刊行物

『新聞協会報』(月2回発行)
『新聞研究』(年10回発行)
『日本新聞年鑑』(毎年発行)
『データブック日本の新聞』(毎年発行)
『新聞技術』(年3回発行)
『新聞広告報』(年3回発行)
『NIEニュース』(年3回発行)
ほか

④資格・認定

なし
※新聞文化賞、新聞協会賞・新聞技術賞・新聞経営賞、新聞広告賞、日本新聞協会 地域貢献大賞、技術開発賞・技術開発奨励賞、技術委員会賞を授賞

⑤イベント

毎年10月の「新聞週間」に全国の新聞社・通信社・放送局の代表者を集めて「新聞大会」を開催。同大会内で新聞協会賞の表彰式を行う。その他、セミナー等開催

⑥設立年(設立背景)

1946年

⑦会員名簿

朝日新聞東京本社
毎日新聞東京本社
読売新聞東京本社
日本経済新聞社
東京新聞
産経新聞東京本社
サンケイスポーツ
夕刊フジ
ジャパンタイムズ
報知新聞社
日刊工業新聞社
日刊スポーツ新聞社
スポーツニッポン新聞社
東京スポーツ新聞社
電波新聞社
水産経済新聞社
東京ニュース通信社
日本農業新聞
共同通信社
時事通信社
エヌピー通信社
日本放送協会
TBSテレビ
文化放送
ニッポン放送
日本テレビ放送網
フジテレビジョン
テレビ朝日
テレビ東京
エフエム東京
東京メトロポリタンテレビジョン
WOWOW
日本BS放送
朝日新聞大阪本社
毎日新聞大阪本社
読売新聞大阪本社
日本経済新聞大阪本社
産経新聞大阪本社
日刊スポーツ新聞西日本
朝日放送テレビ
毎日放送
関西テレビ放送
読売テレビ放送
テレビ大阪
北海道新聞社
室蘭民報社
十勝毎日新聞社
釧路新聞社
苫小牧民報社
函館新聞社
北海道日刊スポーツ新聞社
道新スポーツ
東奥日報社
陸奥新報社
デーリー東北新聞社
岩手日報社
岩手日日新聞社
河北新報社
秋田魁新報社
北羽新報社
山形新聞社
荘内日報社
福島民報社
福島民友新聞社
茨城新聞社
下野新聞社
上毛新聞社
埼玉新聞社
神奈川新聞社
千葉日報社
山梨日日新聞社
静岡新聞社
信濃毎日新聞社
長野日報社
南信州新聞社
市民タイムス
中日新聞社
中部経済新聞社
東愛知新聞社
岐阜新聞社
CBCテレビ
東海テレビ放送
名古屋テレビ放送
テレビ愛知
中京テレビ放送
新潟日報社
北日本新聞社
北國新聞社
中日新聞北陸本社
福井新聞社
日刊県民福井
伊勢新聞社
夕刊三重新聞社
京都新聞社
神戸新聞社
奈良新聞社
紀伊民報社
山陽新聞社
中国新聞社
新日本海新聞社
山陰中央新報社
島根日日新聞社
山口新聞社
宇部日報社
徳島新聞社
四国新聞社
愛媛新聞社
高知新聞社
西日本新聞社
朝日新聞西部本社
毎日新聞西部本社
読売新聞西部本社
佐賀新聞社
長崎新聞社
熊本日日新聞社
大分合同新聞社
宮崎日日新聞社
夕刊デイリー新聞社
南日本新聞社
南海日日新聞社
沖縄タイムス社
琉球新報社
八重山毎日新聞
宮古毎日新聞社
※2022年4月1日現在
※新聞社98社(構成比79.0%)、通信社4社(同3.2%)、放送局22社(同17.7%)の計124社

⑧キーワード

世帯…紙の新聞は普通、世帯単位で購読されるので、新聞に関するデータも世帯単位であることが多い(例:購読世帯数、世帯普及率)。ただし、情報のデジタル化が進む中、マーケティング業界では、個人単位のメディア接触状況の把握が主流。2020年、読売新聞が「デイリー読者数」(=(株)ビデオリサーチ「全国新聞総合調査」の閲読者率×対象エリアの推計人口)を導入したのも、そうした背景による→参考:読売新聞広告局ポータルサイトadv.yomiuri"「『デイリー読者数』はデジタルと比較でき、広告業界のトレンドに合致した分かりやすい指標」~ビデオリサーチ・吉田正寛氏"(2020年1月14日)https://adv.yomiuri.co.jp/news/news202001_01.html
購読者…「購読」なので、当然有料で新聞を読む人のことと思いきや、「有料購読者」「無料購読者」といった表現を見かける(電子版の影響?)。購読者の指し示す範囲についてはその都度確認が必要
会員…電子新聞の場合、「購読者」より「会員」と表現されることの方が多い。電子新聞では、個人情報等を入力して無料会員登録をすれば、有料記事の一部を無料で閲覧できる。無料会員のボリュームが大きく、会員数を掲出する際は「有料会員」「無料会員」と明確に分けられることが多い
新聞販売店…新聞社が制作した新聞紙を購読世帯に配達する(新聞社とは別の)会社。特定の新聞社の新聞のみ扱う専売店、複数紙を扱う複合店、新聞販売店の少ない地域で複数紙を扱う合売店がある。新聞販売店が倒れれば新聞の戸別配達制度も破綻する。新聞購読世帯数の減少、折込チラシ数の減少で収入が減少するなか、高齢者向けの見守りサービスや宅配(代行)サービスなどの副業開発が進められている→ただし、宅配代行には課題も。参考:M&A Online"朝日新聞と出前館、飲食宅配代行の業務提携を打ち切りへ"(2019年12月19日)https://maonline.jp/articles/asahi_demaekan201912
即売…駅の売店やコンビニなどで新聞を販売すること。日本の新聞のほとんどが戸別配達だが、スポーツ紙に限れば即売の割合も大きい
軽減税率…「定期購読契約に基づき、1週間に2回以上発行される新聞」は消費税の軽減税率の対象。したがって、即売される新聞は対象外。現状、電子新聞も対象外
押し紙…新聞販売店が注文した量を超えて、新聞社が新聞販売店に送りつける新聞→参考:黒薮哲哉『新聞の凋落と「押し紙」』(2017)花伝社
統合編集…明確な定義は見当たらないが、紙・デジタルを区別せず、コンテンツを一元的に管理し、効率的に出稿から編集まで行う体制を指すと思われる
ペイウォール…デジタルコンテンツの一部を有料にするもの。「この記事は有料記事です。残り○○文字」「会員になると続きをお読みになれます」とあるような記事がこれ

※いずれも新聞業界における意味

⑨その他メモ

・デジタル化を背景に、定期購読以外の形で新聞に接触する生活者が増えている。そこで、日本新聞協会は2017年11月~、新聞紙の購読者だけでなく、電子版、ニュースサイト、SNSほか何等かの形で新聞に接触する人全てを「新聞オーディエンス」として捉える「新聞オーディエンス調査」(全国の15~79歳男女1,200人を対象とした訪問留め置き法)を実施している