現在は廃止されている官公省庁の調査:特定サービス産業実態調査

①概要

・総務省「サービス産業動向調査」の拡大調査、経済産業省「商業統計調査」とともに、「経済構造実態調査」に統合・再編され廃止
・基幹統計調査
無作為抽出法による標本調査(2008年調査までは全数調査。以降も母集団サイズの小さい一部業種は全数調査)
・段階を踏んで業種を増加、2009年以降の28業種が最多

②設立背景

1973年から調査
→平成30年(2018年)調査を最後に廃止

③管轄

経済産業省
(民間委託先:サーベイリサーチセンター)

④調査時期

・平成30年(2018年)調査を最後に廃止
・「経済センサス(活動調査)」実施年以外は毎年実施
・毎年6月中旬以降に調査票配布→7月1日現在で記入→7月末までに提出
※「●年特定サービス産業実態調査」の場合、年間売上高は●年の前年1月1日~12月31日の1年間の実績

⑤発表時期

・平成30年(2018年)調査を最後に廃止
・調査月から1年遅れ速報公表、1年4か月遅れ確報公表。ただし、これより早く公表されることが少なくなかった

⑥調査対象

・以下の業種に属する全国の事業所または企業
・事業所は業種別・事業従事者規模別・都道府県別に層化抽出。企業は業種別・常用雇用者規模別・都道府県別に層化抽出

対事業所サービス業(計21業種):ソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、インターネット附随サービス業、映像情報制作・配給業◎、音声情報制作業★◎、新聞業◎、出版業◎、映像・音声・文字情報制作に附帯するサービス業◎、クレジットカード業,割賦金融業★◎、各種物品賃貸業、産業用機械器具賃貸業、事務用機械器具賃貸業★、自動車賃貸業、スポーツ・娯楽用品賃貸業★、その他の物品賃貸業、デザイン業、広告業、機械設計業、計量証明業★、機械修理業(電気機械器具を除く)、電気機械器具修理業

対個人サービス業(計7業種):冠婚葬祭業、映画館★、興行場,興行団、スポーツ施設提供業、公園,遊園地・テーマパーク★、学習塾、教養・技能教授業

※日本標準産業分類の小分類
※★がついている業種は全数調査
※◎がついている業種は企業単位
※平成30年調査では、
標本調査業種:回答率81.5%、有効回答率81.5%
全数調査業種:回収率85.2%、有効回答率85.1%

⑦調査項目

ほとんど全業種共通の項目:
事業所または企業の名前、所在地、本社所在地、経営組織、資本金または出資金、本社/支社の別、事業形態、年間売上高、年間営業費用、年間営業用固定資産取得額、従業者数

業種で調査票が異なり、共通項目のほか、その業種に固有の項目が設けられている
例:映像情報制作・配給業調査票には「映画・テレビ番組及びビデオ制作本数等」、クレジットカード業,割賦金融業調査票には「会員数等」
・年間売上高、年間営業費用、年間営業用固定資産取得額は消費税込み
・年間売上高は全体の金額だけでなく、業務別の金額および構成比、契約先別の構成比も記入。各業種に合った分類が調査票にあらかじめ印字されている
・従業者数は、雇用形態別、業務部門別に記入

⑧調査方法

・層化抽出(事業所は業種別・事業従事者規模別・都道府県別。企業は業種別・常用雇用者規模別・都道府県別)による標本調査。ただし、母集団サイズの小さい一部業種は全数調査(詳細は⑥調査対象参照)
・標本調査の業種でも、抽出率が50%を超える層、(抽出率に関係なく)事業従事者100人以上の層は全数調査
・郵送で調査票を配布。郵送またはオンラインで回収
・28業種に対して19種類の調査票(通常票)を用意。事業従事者数4人以下の事業所(常用雇用者数4人以下の企業)には通常票より調査項目の少ない簡易票を配布
←公表データが「全規模の部」と「事業従事者5人以上の部」に分かれているのはこのため。「事業従事者5人以上の部」の方が詳細

⑨活用

・平成30年(2018年)調査を最後に廃止
・SNA推計のための基礎データ
・産業連関の基礎データ ほか

⑩その他メモ


⑪参考資料

・経済産業省"特定サービス産業実態調査" https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabizi/index.html
・総務省統計局"サービス産業動向調査の見直しについて(「サービス産業動向調査」、「特定サービス産業実態調査」、「特定サービス産業動態統計調査」の発展的統合について)"(2016年12月2日) https://www.stat.go.jp/info/kenkyu/si/pdf/si19-2.pdf