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iPhoneが爆発した話

自分はずっとMac。べつに信者というわけでもなく、デザインとか使い勝手とか、なんとなくフィーリングが合うとでもいうか。だからiPhoneは日本発売とほぼ同時に使ってきた。でも、新機種にこだわっているわけではなく、iPhone 7をずっと使っていた。日常的にはFeliCaが使えればいいし、他の用途はTwitterやSNSくらいで、ゲームは一切やらない。カメラも性能がいいに越したことないんだろうけど、特に不自由はないしね。ただ、いい加減バッテリーの持ちが悪くて。状態も80%切っていたので、バッテリー交換する時期なのかなぁ、とそんな風に思っていた。

そんなときに新しいSEが発売された。「安いし、いいかも」と思いつつもせっかく機種変するのに見た目が変わらないのはつまらない。でも11は高い。スマホに10万以上はイヤだなぁと。で、「Xの中古がいいよね」という結論に達した。ベゼルがないから見た目の変わり映えもあるし、大きさもちょうどいい。性能はSEより劣るけど、それより見た目が変わったほうがテンション上がる。性能だって、7よりかはいいわけだし。ヤフオクだと、状態のいい中古が5万円以下であるので、これは良いぞということで決定。

使ってきたiPhone 7はヤフオクで売ろう。目立つようなキズはないので、まぁそこそこの値段で売れるだろう。ついでにバッテリーを新品に交換して出品しよう。自分で交換すれば安く済む。ネットやYouTubeで方法を調べたらそんなに難しくなさそうだ。iPhoneのバッテリー交換はやったことなかったのだが、人より手先は器用なほうだし、ラップトップ含め、HDD交換やメモリ増設などはよくやっていた。

Amazonでバッテリーを物色。交換に必要な工具が揃ったキット売りされている場合がほとんど。値段は1500円〜3000円くらいと、幅があったが、安すぎず評判の良さそうな2400円くらいのヤツを購入した。

いざ、iPhone開腹

バッテリーが届く。あらためてYouTubeでの交換動画を確かめながら作業に入る。ディスプレイに吸盤をひっつけて引っ張りあげ、本体との隙間が出来たらスクレイバーを突っ込むという力技。これが全くビクともしない。どうやら内部にある耐水のためのパッキンがクセものらしい。ドライヤーで温めると粘着が弱まって外しやすくなるらしい。悪戦苦闘しながらもなんとかこじ開けることに成功。スクレイパーを突っ込んで隙間を広げ、ギターピックのようなもので内部の外周を覆っている耐水のパッキンを切り、ディスプレイを外すことに成功した。

ここからはネジとコネクターを外して、本体とディスプレイを完全に引き離す。そして、お待ちかね、本体のバッテリーを外す作業だ。

バッテリーは2本の両面テープで本体に固定されているらしい。両面テープのことを“リャンメン”と呼んでしまうのは、職人系あるある。それはさておき、両面テープで固定とは、随分アナログだと思いつつ、さっきのパッキンの苦戦が頭をよぎった。両面テープはわずかに先っぽが弁のように出ておりそれを引っ張りながらうまく両面テープを抜いていくようだ。うん、ものすごくアナログ。動画を見ると、両面テープ、エライ伸びてます。

よし、まずは手前側の両面テープから伸びて弁を持ち、ゆっくり横に回すように引き抜いてい……

ブチンッ!

あ、切れやがった! 伸びる間もなく……。

これはどうすればいいんだ。とりあえず落ち着いてもう一方の両面テープに取り掛かろう。

ブチンッ!

え、(汗)

思わず呆然とした。なす術がなくなった。何分くらい呆然としていただろうか。

こうなったら、バッテリーと本体の間にスクレイパーを突っ込むしかないだろう。ドライヤーの熱で両面テープの粘着力を、いや、バッテリーに熱を加えていいのだろうか?

とりあえず、スクレイパーを突っ込む。ビクともしない。

バッテリーを引き剥がすように、ちょっと力をかけてみる。ビクともしない。

もうちょっと力をかけてみる。

グニャリ

そんな感触がした。明らかにバッテリーが変形した感触だった。

そのときだ。

プスンっ! シュシュ主shすすす酒sh酢shすすしゅ

なんとも言えない音ともに灰色の煙がiPhoneから吹き出した。何かが燃えたときに排出されるいわゆる“煙ったい煙”ではなく、明らかに質量のある“重い煙”だった。これはあれだ、子どもの頃によくみた蛇玉(花火)のようだ。

「あ、ヤバイ……」

時間にして数秒だったか、そう思った瞬間、「ポッ」というやけに軽快で抜けの良い音色を響かせながら火柱が上がったのだった——。


いま、私の手元には、iPhone Xがある。モクモクと煙と火を放つiPhoneを洗面所のシンクに沈めたその直後に急いでポチった中古品である。ベゼルがないディスプレイはいい、動作もサクサクだ。

今回、得た教訓はヤフオクのゆうパック(匿名発送)は意外と遅い。

ではなく、iPhoneのバッテリー交換を自分で行う場合は充分に気をつけましょう。


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