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維新を勝たせるのは反対派

 大阪市の政治決戦、大阪市廃止・特別区設置 住民投票。11月1日、投票日の朝は爽やかな秋晴れに恵まれました。投票の出足はどうでしょうか?

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(住民投票の日、大阪市の朝焼け)

 聖徳太子の創建と伝えられる日本最古の名刹の一つ、四天王寺。その四天王寺の隣りにある大江小学校の投票所では、有権者が長蛇の列をなしていました。こんな光景、見たことありません。市民の関心の高さが伺えます。

 投票所の前では投票を呼びかける人々がプラカードを掲げていました。「反対」を呼びかける人ばかりで「賛成」を呼びかける人はここにはいません。大阪市全体では賛否拮抗していると言われますから、たまたまここだけのことかもしれません。プラカードを掲げていた一人が、なぜ維新の都構想がダメなのか、こんこんと説明してくれました。

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(投票所前で「反対」を訴える人たち)
 私自身の投票所は、この北側に校区が隣接する生魂小学校です。その名でおわかりの通り、「生玉さん」の名で大阪人に親しまれている生國魂神社のすぐそばです。生國魂神社は神武天皇東征のみぎりに創建されたという伝説があります。大阪市はこのように古式ゆかしい伝統に彩られた街です。

 生魂小学校でも入り口でプラカードを掲げた人たちがいました。ここにも「反対」を呼びかける人しかいません。そして、ここでも投票に訪れた人たちが長い列を作っていました。

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(生魂小学校の投票所)
 投票所にいた市の職員に尋ねてみました。

「大勢来ていますね」

「多いです。コロナの影響もありますけど、こんなに多いことは普段はありません」

 担当者も驚く人の波。期日前投票も前回を上回って過去最多となりました。しかし午前中の投票率は前回より4ポイントほど低くなっています。投票率が上がるのか下がるのか、まだはっきりしません。

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投票所前で「反対」を訴える人たち(筆者撮影)
 投票を済ませて外に出ると、校門のところにNHKの出口調査の調査員がいました。タブレットを渡されて質問項目に答えました。

 質問項目は、もちろんまず、

「賛成・反対どちらに投票したか?」

次いで「その理由は?」

さらに「維新政治を評価するか?」

「吉村知事のコロナ対策を評価するか?」

「カジノ構想に賛成か反対か?」と続きます。

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(投票を終えた市民に出口調査を行う調査員)
 これは住民投票での賛否によってきれいに答えが分かれるでしょうね。

 住民投票「反対」なら、維新政治「評価しない」→吉村知事のコロナ対策「評価しない」→カジノ「反対」となる人が多いでしょう。

 逆に住民投票「賛成」なら、維新政治「評価する」→吉村知事のコロナ対策「評価する」→カジノ「賛成」となる人が多いでしょう。

 そして実際に投票を終えて感じたこと。投票は投票用紙に「賛成」「反対」いずれかの文字を書き込んで行います。この2つの文字を比べると、明らかに「反対」の方が漢字の画数が少なくて書きやすい。あらかじめ投票用紙に「賛成」「反対」の文字を印刷しておいて、印を付ける方法にすれば、こういう現象は起きないのですが。賛否拮抗する闘いでは、意外とこんなことが結果を左右するかもしれません。

 投票は午後8時まで。即日開票されます。大阪市は生き残るのか、残らないのか? あと数時間で勝負がつきます。

 住民投票も一仕事も終えてちょい遅めの昼酒を楽しんでいた大阪上本町のお店に、店長が遅れて入ってくるなり従業員に「投票行った?」「行きました」「よし。なら俺はこれからちょっと行ってくるわ」

 そこで私「この近くなの?どこの投票所?」「どこやったかな?」「この辺なら生魂小学校か大江小学校やで」「家に戻って投票券見たらわかりますから」

 それから小一時間後、店長が戻ってきました。「どっちやった?」と私。すると店長は即答で「賛成に決まってますやん!」いや、賛否は聞いてないから😅

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 店長は30代です。若者は都構想賛成なんです。大阪の現状を変えてほしいんです。反対派の人々にそこがわからない限り維新の政治は続くでしょう。よく「なんで維新が選挙に勝つんですか?」と聞かれるたび、私は答えます。「それはあなたたちが反対しか言わないからですよ。政治には夢が必要です。変えないと言うだけでは、反対だけでは夢がありません。維新よりもっと大きな夢を掲げない限り維新の天下は続きますね」そう思っています。実は「維新」を「安倍政権」や「菅政権」に変えてもそのまま通じます。

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