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神楽スペシャル2024 -あなたが選んだ神楽歌-

真夏の神楽イベント、8月4日に上野学園ホールで開催の神楽スペシャルを観に行きました!暑かった
上野学園ホールって、つまり古い人間が考える所の郵便貯金ホールですね(検索した)
なんかJRの新白島出たらすぐ…というイメージがあったが、
じっさいまあまあ距離があった(徒歩10~分)ので
近いのはアストラムラインの白島駅だったらしい…そうですか…
12時半開演という暑い時間だったが、ドピーカンという訳ではなく
あんまり日差しが無かったのでなんとか。



岩戸 :石見神楽亀山社中


今回会場内撮影禁止でしたので花を貼ります


天の岩戸。
2月の共演でも見たので今年2回目、というか
今回のイベントは言ってみれば人気投票みたいな感じだったので
いずれも定番の人気演目でしたが、
なので共演とか定期公演で見たものがほとんどです。が
やっぱ神楽団が代わると同じ演目でもだいぶ変わるというのは色々と感じる所
この岩戸に関してもやっぱりそう。
そもそも亀山社中さんが『石見神楽』とあるが、なので島根県の神楽団なんですねっ
石見は広島の神楽の源流という事らしい。初めて観る神楽団じゃあ~~~


あらすじ


大体の流れは2月に観たから知ってるが、
その2月のはだいぶ現代向けアレンジだったんだなあ…という感じ。

今回まず感じたのは、演じる方の年齢層がやや高めなのだろうか。
声がベテランというか…
お顔はまあ、2階席だしそれに面を着けて舞ってあったのでアレなんですが
そしてその口上を聞き取るのに今回も必死になる私
お面を着けられてるからこもってしまって…というのもあったが。
舞は非常に優雅で綺麗だなあ~~~と思いました!
中でも女性の神様(天の宇津女命)(だと思うたぶん)の舞が、
あ~写真映えしそうだなあ。…などと
それから二人の神様がユニゾンで舞う場面があったのだが
ピッタリ合っててめっちゃきれいで、更に手に持ってある鈴の杖(錫杖というか)の音が非常によかったですねえ…

なんやかんやで天照が出てきた時、私の席は今回2階の下手ヨリだったんですが
舞台上の強力なライトがちょうど私からは真正面になっていて大変眩しい!!
正面の位置から見てたらそら神々しいお姿だったんだろうな。
そのタイミングで神様方も面を外して、という演出だったが今はそうなのか。2月の時はそんなのあったかしらん(無かった気がする)

ところでこの演目の最中に舞い手の方が扇子を落とすというハプニングがあったものの、
そこのフォローが非常に滑らかでそういう所も流石だわ!と思いました。
やっぱライブだから色々あるよな〜


大江山:宮乃木神楽団


楽しみにしてきた大江山


どの演目も楽しみだったけど中でも特に~
戻り橋→羅生門と来てこの大江山は三部作と言われる中での完結編。
羅生門はタイムリーに7月の定期公演で観てたから、
流れを掴むのもスムーズです…が
まあ大江山はしかし羅生門よりは話が独立してるというか、
なんかいきなりクライマックスだなあ!?とは余り思わなかったかな~
羅生門はイントロもエンディングも真ん中の話だなあと感じました。


この歌を詠んだのが和泉式部の娘との事です


坂田金時がマサカリを担いでおり、なんかすごい分かりやすい!
いつもは大体四天王から二人がバトルに行く事が多いけど、
この話は頼光も参加して三人なんですね!
羅生門はややコメディヨリのお話なんかなという感想だったが、
それは神楽団の個性かと考えておったものの
この大江山もどちらかというと笑いが入っていた様な…?

宮乃木さんは個人的にはなんかちょっと独特の演出が入るイメージで、それはどちらかというと影がある印象だが
今回はなんかこうサスペンスだなあ!?と…。
都からさらわれて鬼のお世話をさせられている姫のソロ舞が悲しい内容!
その姫と頼光達が山で出くわして、これから退治にいくから協力してくれという流れ。
頼光と綱・金時の三人が山伏に化けて鬼との問答に臨むのだが
そのさい鬼から本物の山伏ならば答えられるだろう!?と詰められる場面があって、
そこの見せ方がかっこいい~漫画みたい。集中線入ってそう。
そういえばこの感じ、
ウッスラながら子供の頃にも…大江山自体は何度か観てるはずだがタイトル以外の記憶がna
そうか大江山ってこういう話だったんですね…!

鬼との問答を切り抜けて潜入に成功した頼光ご一行様
神楽ではお馴染みの、お酒で敵を酔わせてその隙に討つとなりますが
そのお酒というのが人間にとっては薬だが、鬼からすれば毒とかいうもの(ここは聞き取れて理解できた模様)
まあだからって鬼が毒殺されるとかそういう話は無くて、…なんか話によってはそういう内容もあるようなのだが今回は違ってた
キッチリバトルで討ち取る事になってました。
そのお酒が入ってるという瓢箪は綱が持ってたのだがなんかそれがめっちゃでかくて、
私はそこに気を取られてしまった。もし撮影OKだったら絶対瓢箪撮ってるなあ…と思いつつ、
そういうなんか。マサカリとか瓢箪とか分かりやすいアイコンがあるのはいいですね
でも途中で太刀(どなたかは不明)の授与があってマサカリはもう使わないのかな?と思ってたら、
なんかラストバトルはマサカリが復活していた。
今思ったが太刀は綱が、という事だったのかな…?
四天王はそんな序列は無くてほぼ横並びらしいが、ただ『綱を筆頭に』という事だそうなので。


一旦ひとやすみチュンッ


宮乃木さんと言えば散り際の鬼の口上なのだが、
大面に阻まれて聞き取れなかった…。こればっかりは仕方ないのだが(席がね!)
そしてそこから獲った首を掲げながらの喜びの舞だった気がする。そんなメモを取っている
羅生門でも、あの時は持ち帰った鬼の左腕を云々だったので
大体が大江山関連はそういう見せ方をする話なのだろうかね?
それとも今回は宮乃木さん独自の演出かな?
この辺も機会があれば他の神楽団でも観てみたいですね!

八岐大蛇:琴庄神楽団


結構ドッタンバッタンだった


今回思ったが大蛇(おろち)って、喋らないからそういう不気味さがあるんだね!
2階席からなので、俯瞰で全体がよく見えてよかったです
結果としてウッカリと大蛇の中の人まで見えてしまった。ああなっとるのか…
そしてこの夏はサーキュレーターを購入した私
大蛇のボディをひと目見て、(サーキュレーターのダクトじゃん!)と…いや逆
サーキュレーターのダクトを検索した時、これ大蛇じゃね!?て思いました
じっさいそういうものの転用なのかもしれん。
今回の大蛇はキラキラのラメが入ってましたですね。


あらすじ


神楽歌の光って見えない部分は『妻籠みに』と書いてあります。読めん
共演の時、赤くボンヤリ光る大蛇の眼が印象的だったのだが
今回も光っていた。
その為か今回も獲った首は舞台上に丁寧に置かれる…私が子供の頃は投げてたのに。だが
そうやって舞台際に置かれてあった大蛇の首が、他の大蛇のしっぽが当たって落下するハプニング発生
これ羅生門の時に鬼の腕が落ちたのとは違い、ほんとに事故だったみたいですね。ライブだしね!
壊れなかったかだけ心配だな~

ここでも大蛇にお酒を飲ませてその隙に、という話になるが
その際のスサノオの口上が「この剣でズタズタにしてやる」とかそんなんで、
ズタズタ…
2回か3回くらい言うてた気がする。
酒飲ませてから襲うってずるくないかと思わんでもないのだが、
とはいえ1対8ですもんね!
それはこちらに多少アドバンテージがあってもいいだろう…と思ってたら、
じっさい大蛇は酔っぱらってトグロを巻きながら寝てしまうのだが
そこでスサノオはなぜか柏手を打って起こす。
わざわざ起こさなくても…
それともやはり、なんぼ1対8でもやっぱり正々堂々という事なんかしら
この辺は多分神楽団によって解釈が違うんでないかなあ?
寝てる所を狩ってる最中に起きるとかそんなんもあった気がする忘れたが。


あっついチュン!


バトルの途中、逃げ遅れた?おばあと姫が巻き込まれててビックリした
勿論スサノオが助けるのだが、そんな場面これまで見た事あったかな?
それにしてもよく助かったなあ。まあ神楽なのでそこは…ですが
そんで大蛇の場合は舞の応酬とはならないから、
その分?途中で火を噴くんですよね(大蛇が)
これどういう仕組みなんだろう
子供の頃からこの演出はずっとある。今思ったが手持ち花火かな?火薬の匂いがめっちゃしますからね!
この匂い懐かしいな~~!と思ってしまった。

獲った首を舞台に8個(1個落ちてるが)並べて、
最後の大蛇からは剣が出てくる。
草薙の剣ですかな!?と思ってたら、『天叢雲剣』(あめのむらくものつるぎ)と命名の事
それを天照に献上いたす…という所で共演では話が終わってた様に思ってたのだが、
今回はその後に助けた姫とお幸せに☆エンドでした。
そんでやっぱり剣を云々のタイミングでスサノオの面はオフになるんだな
今ってそういう流れになっておるんですね~。
今回はそんなにざわついてなかった!

土蜘蛛:原田神楽団


なんか独特だったな


土蜘蛛を見るのは今年3回目になるが、
一番糸の量が少なかったなー。という
その散らばった糸、きほん片足に敢えて絡めてまとめるのかな?
糸が舞台上にある時だけスリ足になるんですね!
これ今までに何度確認し忘れたか(見とれるから)
やっとしっかり見た気がする。


流石にもう把握したあらすじ


この髭切→蜘蛛切の流れは、やっぱ弟刀のかたと混同してるのではないかと今回ご一緒頂いたのはさにわのRさん。
ニセ胡蝶のソロ舞が長かった。今回、そういう姫の舞が長い演目が多かったなという印象
華やかでいいですね!
そしてそのニセ胡蝶に毒を盛られて倒れたはずの頼光が今回もめっちゃ元気
曰く『刀の威徳により』との事。な、なるほど…?

そして季武と金時の扇子の色が同じで、二人の見た目の区別が特に無い
正直最後までどっちがどっちなのか分かりませんでした!
そういうのも珍しいな。大体どこかで違いがあるもんなのだが、
まあ近くで見たらなにかあったのかもしんないね…?


原田も他の演目見てみたいなあ~


糸は少なめ(他の演目と変わらんくらい)だったけど、
なんというか舞の振りが独特だった。
何がどう…と、言葉で説明するのは難しいんですが…
振りもそうだが全体の流れもまた、まずイントロから頼光が出てきた。
今年過去2回観た土蜘蛛は鬼女始まりだった気がするから、
ヘェこういうのもあるんだなぁ~
ニセ胡蝶と頼光の対峙がサスペンスな空気でドキドキしちゃった!
その後の流は概ね定番通りという印象ながら、
先述の通り斬り合いの場面の振りがなんとなく個性的というか…。
これから秋冬は神楽シーズンですので、
原田もどこかでまた見られるといいなあ。

紅葉狩:横田神楽団


横田の紅葉狩!!


横田はうますぎて感想が「うまいな~~~~~」しか無い…イヤ
最初の舞はとても優雅だったとメモをしておるのですが、
それってたぶん3人の鬼女かな。なんか私の記憶では維茂と長谷兼忠だった様な気もするが自信がない!!!でも、
激しい舞だけじゃないんだなあとか思った気がするのでやはりイケメン2人かな?なにせ本当に上手だったもんで…ってイヤ
どこの神楽団もうまいんだけどさっ。


ロマンス要素は無かった気がします


2月の共演の時も思ったが、主役にあたる維茂の中の人は声が若い感じ
一方で紅葉姫(鬼の総大将)の人がめっちゃ上手だった
声の抑揚がすごくよかったんですねえーー!!!いうて
他がダメというんでは勿論無く、高水準の中でも更に抜けていたという事ですよ!!!
舞も皆さんめっちゃ上手
特に3人の鬼女達の早変わりなんて、前を向いたまま同じタイミングで鬼になってて理解の範疇を超えてしまった。
なんで???
もうこれはマジックなんでは???(違います)
すごいな!そういう技術の継承というものが。
横田神楽団自体は、発祥とかそういのはハッキリとはしてないとの事ですが
遡れば江戸時代から確認出来るが…なんだそう。ハァ~
現在にまで伝えられているだけはある。やっぱ地元の方の熱量ですよねっ
こういう舞を子供の頃から見て育つとそりゃ憧れるだろうなぁ~~~


メモにも「うまいな~」とでかい字で…


この紅葉狩、前回他の神楽団(宮乃木)で見た時は酒宴の場面がかなりこう大人向けの演出になってたが、
横田はそこまででもなく割とアッサリと…
そして窮地の維茂一行を助けに来るのは今回は『神の使い』とされてました。
その辺もやはり神楽団によって解釈変わるんだね
そしてこの演目でもまた、鬼女達は妖術を使ってくるため
舞台上に糸が散らばっていく訳ですが(まあまあ多い)
それは舞と共にまとめられていつの間にか板の上から無くなっていた。
ハケる流れで糸玉も一緒にという事ですね。こんな所もスムーズだなあ~
なんか本当に技術の結晶って感じしました。
その分(?)演出はオーソドックスで
今回観た中では、一番なんというかこう
子供の頃に観た神楽に近いなあ~と思ったりなど。勿論いい意味で!

横田は舞台を狭く使うのだが、それがまたすごいなあって
狭い範囲内なのに窮屈に感じず迫力がしっかりある!そして美しい
イヤ本当に。技術の結晶と(2回目)

滝夜叉姫:大塚神楽団


身内がいる神楽団


という訳で大トリは大塚の滝夜叉姫です
この話は、神楽団によっては滝夜叉姫とそれを討つ大宅中将光圀との間に仄かな悲恋要素が…と解釈がある時もあるのだが、
今回はそれはたぶん無かったと思う。


あらすじ

中々激しい姫であった。
なんかこの話はいきなりクライマックスというか、まず平将門が討たれる場面から始まってました
そうなのか!その辺はどっちかちうと口上で説明されるパターンを見てきたから、
将門公本人が出てくるって初めてかも!(※なお子供の頃の記憶)(nai)

大塚は全体に丁寧な印象というか、
かといってゆったりしてるというんでもなく
まあ旧舞の雰囲気に近いんかな。と思って観ていた
あとこちらも主演の方に関しては声が若いという印象。なるほど
まあ横田にしろ大塚にしろ、その地元はどっちかっちうと過疎化が云々言われる地域ではあるものの
だけど神楽をやりたい(やってる)若い人は結構いるみたいで、それはいいなあと思います!


ある程度は若くないと体力も追いつかないだろうしなあ


都から刺客が参りましたぞ!と手下の夜叉丸と蜘蛛丸が伝えに来るのだが
その段階では結構のんびり現れる姫…
そこから迎え撃ってくれるわ!と
バトルの末にまず手下達が討ち取られ、姫(大面の鬼)も窮地に!という所で
鬼の姿から姫の姿に戻った。
2月の共演(宮乃木)では、
最期の場面で姫に戻ってて光圀の腕の中で絶命という演出で(おぉ…)となってた私ですが、それは確かに悲恋要素あるな!って。
今回大塚の場合はそうはならずに、
姫に戻ってからもまた更に激しいバトルという
そういうパターン初めて観た。
鬼のまま倒れるか、または前述の悲恋ルートかしか知らなかったもんで
姫の姿で大暴れって新鮮だ!
結局そこでも最終的には刀の露となり、という感じでしたが…
イヤ~~いろんな解釈があるものだ。

まとめ


今回も面白かった!


昼の12時半に開演して終了が18時過ぎ、
間に休憩もあったとはいえ概ね6時間に6公演の長丁場というので
しかも天井席でイマイチ空調の効きがよくなかった(熱気って上がっていきますからねっ)が
めっちゃ楽しかったです。ハァ~よかった
神楽のシーズンはむしろこれからなんだよねえ!と思うが、真夏にこういう大会も新鮮でいいなあ~
今回はテーマが『神楽歌』という事で、
演目の合間に必ず歌が入りました。内容としてはなんちうかナレーション的な(あらすじに書かれてある歌)
そういうのも、今までは特になんとも思わずにボケェ~と聞き流しておったが。…まあそんなんだから子供の頃に観てたはずの演目もタイトルしか覚えてないってなるんだろうけども(反省)
この度そこをちょっと意識して聞いてみたら、ははあなるほどそういう事でしたのか!?となる。いうて
果たして本当にしっかり理解してるのかはちょっとかなり怪しいが、
そんでもまあ少なくともインスト感覚で聞いてた頃よりは頭に入る…気がします。?

それにしても鬼女もの人気すごいな~
やっぱ華やかだからだろうかね。
今回はみんな知ってる演目でしたが、今後もまた主に定期公演でもって
色々観ていきたいよね!!!と思う所存ですが
来月はまた塵倫を観に行こう!と考えておる
まあ同じ演目でも神楽団が代わるとほんとに変わってくるからさ!
新規開拓も定番を観るのもどっちも楽しいです!


今回もありがとうございました




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