奇跡

私は亡き父の通っていたデイサービスでボランティア歌手をしています。
私の父は幼い頃から歌が大好きで、将来は歌手になるんだと強く思っていたようです。しかし願いはかなわず、30歳で歌手の道は諦め、一職人の鉄筋工として、歌は大好きな趣味として一生を終えました。娘の私には、思い返せば、鉄筋工の父としてはほんとうに大金をかけ、歌の教育をしてくれたと思います。出来たら・・私を歌手にしたかったんでしょうね~。私は・・・そこそこは歌えるようにはなったけど、歌を歌うことを職業にしようとは思いませんでした。なので大学を卒業して、旅行会社に就職し、現在まで旅行業が私の一生の仕事と思っています。思ってはいますが・・やっぱり父が生前、私にかけた大金を、取り戻せじゃないですけど(苦笑)努力して身に着けた技術を活かせということを強く言っていたので、せっかく身に着けた技術を人様に喜んでもらえたら、天国で父も喜ぶかなと思い、ちょうどデイサービスから声をかけてもらったので、去年の11月、クリスマス、そして今年の一周忌の命日に追悼コンサートしました。あ、芸名は富士幸子っていいます。富士山が大好きなので(笑)一周忌の追悼コンサートでは私にサプライズで生前の父の動画と私のコンサートのコラボ動画をデイサービスの職員さんが作って下さり、コンサートの最後に流してくださいました。私はもう号泣、号泣、号泣・・・・お庭で育てているチューリップの花束もいただき、父を感激の中で偲ぶことができました。こんなに温かいデイサービスだったから、父は大好きだったんだなあって改めて思いました。幸せですよね。

そんなこんなで、今度は夏にコンサートをしたいなと小道具など用意し始めた矢先、なんと同じ町内の方から、一緒にコンサートをやりたい!と申し出て下さる方がいらっしゃったのです!!!!!!!

驚きました。

さらに驚いたのは、その方はフリーでバスガイドと添乗員の資格をお持ちの方でした。私はリンパ浮腫と言う癌からくる腕がむくむ持病があり、旅行業を本格的に再開しても、長期の添乗は難しいだろうなあと思っていました。自分の体が思うようにならないのに、お客様へのサービスなんてできないなあ、どうしたらいいのかなあとぼんやり考えていたのです。

私はすぐにその方のおうちに飛んでいきました。初めてお会いするのに旅行業の話をすると、初めて会った気がしませんでした。前日添乗でお疲れになっているのにも関わらず、二人で盛り上がり、気が付いたら4時間が過ぎていました!

これって奇跡だと思いませんか??????

私は奇跡だと思いました。神様っている。そう信じたくなるような出来事でした。

その方はとても素敵で、なんとなく亡き父に似ている気がします。

私が寂しくないように、父がしてくれた、サプライズなのでしょうか?

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