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布マスクの「すき間」が気になるひとへ。「外科医マスク」方式のヒモで、ほっぺのすき間がなくなったお話

最近は街でも、またテレビなどでも思い思いの色・柄・かたちの「布マスク」をつけたひとをよく見かけるようになりましたね。
わたしも3月に入ったころから布マスクを自作するようになり、いろんなパターン(型紙)を試してみたり、プロがつくったものを購入してみたりしながら、じぶんと家族にとって心地よいマスクを模索し続けています。

それで、4月くらいからかな? いっきに布マスクユーザーが増えてきたころから、布マスクとほっぺの間に大きな「すき間」ができているひとを、ちょくちょく見かけます。
とくに気になるのが、各都道府県知事のテレビ会見でのマスク姿です。自治体の長として市民のお手本であってほしい知事さんが、大きなすき間のあるマスク姿で会見していては、マズイのでは… と思うようになりました。

マスクにすき間があってはマズイ理由

言わずもがなではありますが、布マスクは「布を通して呼吸する」ための道具です。マスクをつけて息を吸うと、鼻の穴のところの布が吸いつけられて凹み、息を吐くとふくらむ、という動きが繰り返されなければなりません。そうならない場合は、布を通して呼吸できておらず、すき間から空気を吸ったり吐いたりしているので、布がフィルターとして働いていない、つまりマスクの用をなしていない、ということになります。
※これは市販の不織布マスクなどでも同じことがいえます

すき間ができるのはサイズが合っていなかったり、耳にかけるゴムやヒモの調整がうまくいかなかったり、といった原因が考えられますが…
布マスク、とくにこの記事の写真のような「立体タイプ」の布マスクユーザーさんには、マスクと「ほっぺ」の間にできる大きなすき間に悩んでいるかたも、多いのではないでしょうか。

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このすき間をすっかりなくし、ほっぺからあごにかけてぴったりとお顔にフィットさせる方法がありました^^ しかも、マスク自体のサイズ直しなどはいっさい不要。マスクの「ヒモ」を変えるだけなんです。
名付けて「外科医マスク」方式(勝手に命名w)。やり方をご説明しますので、よかったら試してみてくださいね。
※ヒモやゴムが「ヒモ通しに通してある」タイプの布マスクを想定しています。

1. マスク1枚につき、1.5メートルほどの長さのヒモを用意します(伸縮性があり、やわらかめのものがおすすめ)

女性用は132センチ、男性用は144センチのヒモを、それぞれ1本用意します(長さは目安。好みや体格に合わせて調整してください)。
下写真では、マスクヒモとしてつかえるダイソー取り扱い商品をいくつか集めました。おすすめはクッションヤーン、Tシャツヤーン、カラーひも、の順かな。左端のリボンはおしゃれ感が出ると思いますが、伸縮性ややわらかさの点でマスクひもにはちょっとつかいづらいかも…

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2. 新しいヒモの端を、左右のヒモ通しに「下から」通して、下側が輪になっている(つながっている)状態にします

最初についていたヒモ・ゴムは、そのままにしてOKです(もしヒモ通しが狭くて新しいヒモを通すことができない場合には抜いてください)。
下写真は、最初についていたヒモは抜き、新しいヒモを通したところ。マスクの内側が見えています

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3. 下側のヒモの輪を頭からかぶります

マスクの内側部分が外を向くようにかぶってください。

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4. マスクを顔に当て、左右のヒモの端をそれぞれ上に引っ張り、長さを調節します

写真がなくてごめんなさい。最初についていたヒモやゴムを耳に引っ掛けて(最初のヒモやゴムを抜いた場合は、マスクを片手で押さえながら)、新しいヒモを上方向に引っ張って首の後ろを渡るヒモの長さを調整します。
引っ張る目安は左右なるべく均等に、「首の後ろを通るヒモが、痛くない程度にゆるみなく張っている」くらいまで。あまり強く引っ張りすぎると、あとで耳が痛くなります。また左右の長さが均等になるように引っ張らないと、あとで結んだときの結び目がいびつになりますので気をつけて。

5. 左右のヒモを耳の上側に通して、後頭部で結びます

はちまきをしめるような要領ですね。髪の下で結ぶと、結び目もそれほど目立ちません。

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6. 完成!

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「外科医マスク」方式というネーミングは、よくテレビドラマで見かける外科医がこんな感じのマスクをしているよね… というところからきています(写真のマスクの色が手術着のような緑なのは、まったくの偶然です!)。

首の後ろと頭の後ろにヒモが渡るので、ちょっとやそっとではズレたり外れたりしません。その安定したつけ心地は安心感も大きく、たとえて言うなら、マスクが顔の一部になってる… という感覚ですね。
ただ逆にいえば、外したいときは結び目をほどく必要があるので、着脱ははっきり言って面倒。でも、いまは家の外では原則、ずっとマスクオンにしておくべき時期ですから、むしろ簡単に外せないほうが好ましいと感じています。

7. 注意点

この「外科医マスク」方式は、上記したように「安定したつけ心地」の裏返しとして「簡単には外しづらい」構造となっています。
そのため、「小さいお子さんや、自力でマスクの着脱ができない方」には、この方式はおすすめできません。なぜなら、マスクをしていて、もし息苦しくなったとき、自力でマスクを外せなければ危険だからです。

米国CDCも布マスクの使用を奨励してはいますが、やはり上記の注意点を広く喚起しています(原文は米国CDCのウェブサイトでご確認ください)。「…Cloth face coverings should not be placed on young children under age 2, anyone who has trouble breathing, or is unconscious, incapacitated or otherwise unable to remove the mask without assistance.…」

どうかこの点だけは、かならずお気をつけくださいね。

おわりに

「外科医マスク」方式の源流は、香港の化学博士「鄺士山(クウォン・シーサン)」さんが考案した「香港マスク(hkmask)」です。
今回ご紹介したヒモの長さ(女性用132センチ、男性用144センチ)は、このhkmaskの仕様書に示された数値にのっとっています。
※日経BPが博士を取材した記事はこちら
※博士自身によるマスクの装着方法の解説動画はこちら

ヒモを首の後ろと後頭部に渡してマスクを顔にフィットさせる構造、シンプルで初心者でも縫いやすいパターンと作業手順、そしてこれらをすべて無料で世界に公開された博士の度量の広さに、こころから唸らされました…
手づくり布マスクの型紙を探している、というかたにはぜひ、いちど試していただきたい超優秀なパターンです! あわせてチェックしてみてくださいね。


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