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10年近く付き合った彼と別れて、不毛な恋愛なんてないと思った話

私には学生時代から10年近く付き合っていた彼がいた。

社会人5年目でプロポーズされた時は嬉しかったけれど、それよりも「やっとかあ……」という安堵感があった。

その頃、職場の人間関係にストレスを感じていて、結婚することで会社から逃げようとしていたことや、私よりも交際期間の短い友達が結婚していくのを見ていたのでどこか焦りがあった。

彼のことが好きで、結婚もしたかったので、プロポーズされないことを不服に感じてもいた。

だからプロポーズ後は

「あー、やっと来たよ。これで私の人生計画通りだわ〜」

なーんて呑気なことを考えていた。

まさかこの数ヶ月後、大変なことになるなど知らずに……


その後、結婚の話を進めていくうち、大事件が起こった。

彼の大きな隠しごとが発覚したのだ。

ここでは詳しく書けないけれど、私にとっては今までの信頼関係が一瞬で崩れ去るほど大きなことだった。

それをきっかけに、彼との倫理観や価値観の違いなど、今までなんとなくモヤモヤしていた違和感がブワッと吹き出した。

関係を修復しようと頑張ったが、不信感や過去の恨みから私の怒りの沸点は低くなり、今まで流せていた彼のちょっとした無神経な一言に感情的になったりして、関係性がどんどんギクシャクしていった。

恋愛関係はとても繊細で、何か一度でも信頼関係が壊れるようなことがあると、その後いくら言葉で謝られても優しくされても完全に元通りにはならないのだと実感した。

私と彼の関係性は、割った茶碗をボンドでくっつけたような脆さになっていた。

一度割れた茶碗は、ちょっとした衝撃でまた崩れてしまう。

結果、負のループからは抜け出せず、学生時代からの関係に終止符を打つこととなった。


別れた直後、悲しかったけれど想像していたほど苦しくはなかった。

別れを決めるまでにたくさん悩んで泣いて喧嘩して……毎日しんどかった。

その日々からやっと解放された、もう悩まなくていいし、彼のことで不安になることもない。

けれど、別れから2ヶ月くらいして、急にものすごく寂しくなった。

孤独感や絶望感、将来への不安、過去の思い出を思い返しては感傷に浸ったり、元に戻りたいなんて思ったり……

夜になるといろいろなことを考えたり思い出してしまって、よく泣いていた。完全に情緒不安定だ。

この状況がこの先年単位で続くかもしれないと思うとゾッとした。

もう消えてなくなりたい……

そんなことを考えたり。


現在、別れて半年ほど。絶賛情緒不安定だった頃よりは少し落ち着いた。

もちろん別れた彼のことは今でも全然思い出すし、将来への不安もある。情緒不安定になることも。

でも、頻度はゆっくりではあるが、確実に減っている。

時間が解決してくれているのもあるけれど、別れ際にたくさん悩んで話し合い、彼との恋愛に関してやり尽くしたというか、後悔が少ないから徐々に立ち直れていると思う。

私がこの記事で何が言いたかったのかというと、この記事を読んでいる人のなかにもし不毛な恋愛をしている方がいたら、自分の納得いくまでその恋愛をやり尽くすのもアリだと思う、ということを伝えたかった。

先日、友人が彼との関係に悩んでいて、周りからは「別れた方がいい」と言われているのだと悲しそうに話していた。

こういう話ってありがちだし、客観的に見たらそうなのだが、結局は本人にとって「彼といることが幸せなのか、別れることが幸せなのか」が全てな気がする。

私の彼も変わり者で、常識的な人から見たら「別れた方がいい」人だったと思う。

私の場合は完全に離れるまでに1年以上かかった。その間常に脳内会議で「今後どうするか」悩んでいたし、占いにハマったりもした。笑

その間に結婚したり出産したり、人生を順調そうに進めている友人達を見て「自分は何をやっているんだろう……」と虚しくなったこともある。

でも、振り返るとその時間は無駄じゃなかったと思う。今、前に進むために役立っているから。

だから、今恋愛で悩んだり、傷ついて立ち止まっている人達も、その時間は決して無駄じゃないし、無理に関係性に決着をつける必要もないと思う。

もちろん、生死に関わるようなダメんずは早々に断捨離して欲しいけれど。笑

自分の限界まで好きな人と一緒にいることで、自然と答えが出ることもある。

ご縁がある人とはどうしたって繋がるし、ない人とはどうあがいても繋がらないんだと思う。

もしダメだった時も、過去に頑張った自分が前に進めるよう後押ししてくれるし、悩んだり傷付いた経験は次の恋愛の糧になるはず。

私も、次の恋愛では関係性にヒビが入るようなことがあっても、二人で修復していけるようになりたい。

彼との10年間は、楽しいことが圧倒的に多くて、思い出のなかの二人はいつも幸せそうで眩しい。それはそれで、大事な宝物として今は心のなかにとっておこうと思う。








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