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菱田春草 を見る

岡﨑 乾二郎 0 妙竹林の実験 「見えないものをいかに描くか」。そして「見えないものを平明な構成としていかに表わすか」菱田春草の仕事を貫いていたのは、おそらくこの課題だった。 今回の充実した「菱田春草」展は、そのことが、はっきり確認できる絶好の機会である。 「見えないものを見る」というと語義矛盾にも聞こえる。正確にいいなおせば、われわれはもともと視覚的でないものを、視覚を通して把握している。そして視覚的でないもの、にもかかわらず、それを見ていると当たり

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