見出し画像

【F1】宮川負傷後の試合再開を疑問視する名古屋 フエンテス監督「リーグは見直さないといけない」

 Fリーグ・ディビジョン1の第7節が7月9日に行われ、ここまで6戦全勝だった名古屋オーシャンズは、ホームでシュライカー大阪と対戦し、1-2で敗れた。

 名古屋が1-2と1点ビハインドのなか、後半15分にはFP宮川泰生が大阪のFP清水寛治と空中で激突。両者が頭を打ち、ピッチに倒れた。宮川は頭から出血していたことに加え、一時的に意識を失っていた。その状況を見た選手たちは、すぐにオフィシャルに向かって担架を呼ぶとともに、救急車を要請する必要性も訴えていた。

 同じ釜の飯を食う名古屋の選手たちだけでなく、対戦相手の大阪の選手たちも不安そうな面持ちだったが、試合は40分間にわたった中断の後に再開された。名古屋はパワープレーで懸命に同点ゴールを目指したが、追いつくことはできずに1-2で敗れている。

 試合後、名古屋のフエンテス監督は「リーグの判断によって、中断からもう一回プレーをしないといけませんでした。しかし、この点については安全性を考えて、リーグはもう一回見直さないといけない部分じゃないかと思います」と、アリーナ内にいた人たちの精神状態を考慮して、試合をやめる判断も必要だったのではないかと訴えた。

 なお、当日のアリーナ内でも宮川が意識を取り戻したことが発表されたが、クラブは当日中にリリースを出し、宮川が頭部外傷により約1週間の安静になり、今後は脳震盪のプログラムに沿って復帰を目指すことを発表している。

以下、大阪戦後の名古屋 フエンテス監督のコメント

――試合の総括をお願いします。

フエンテス 前半最初の15分から17分のところは、自分たちのやりたいプレーができたと思います。主導権を握って名古屋らしい試合運びができていました。あらゆるシチュエーションで自分たちが主導権を握ってできていたと思います。たくさんゴールチャンスを作れたわけではありませんが、そのなかでもゴールチャンスを作ることはできていました。

 でも、前半残り3分、4分くらいでは、同じくらいのレベルになったと思います。その要因としては、自分たちがリスクをかけたことがありました。押し込んで相手のゴールに近づきました。自分たちが主導権を握っていた感覚があったと思いますが、押し込みすぎてスペースがない状態になっていました。そこで相手の個人技から失点をしてしまいました。そこは相手のメリットだと思いますし、すごく良いプレーをしてきました。自分たちも良い守備をしていましたが、ゴラッソを決められました。あれは止められないと思います。

 失点の後のキックオフから、私たちはゴールを決めました。良い感覚でハーフタイムに入れたと思います。でも後半が難しく、激しくなることはわかっていました。それでも試合を動かすことを狙いながら試合に入りましたが、相手は守備の形を少し変えてきました。それでも相手が守備を固めてくるのはわかっていましたし、そこの準備はできていましたが、2失点目をしてしまいました。ピヴォを使ったところで、ルール上限界くらいのところでのプレーがあってボールを失って、そこから失点につながりました。いろんな形で追いつこうとしましたが、セットプレーを含めて、うまくいかずにスコアを動かせませんでした。残り1秒まで自分たちは攻めましたが、点は取れませんでした。選手たちにはすごく感謝していますし、よく頑張ってくれたと思います。全員がマックスを出したと思います。今回はスコアで上回れませんでした。謙虚にしっかりやっていくだけです。シーズンは長く厳しいので、今日のような試合はたくさんあると思います。

――宮川選手と清水選手の接触で試合が中断しました。長い中断があって動揺もあったと思うがロッカーではどんな言葉をかけた?

フエンテス こういうシチュエーションは、私も初めて経験しました。自分の選手ではなく、同じようなことが起きた場面を映像で見たことはありましたが、自分がこうやって指揮をしているなかでは初めてでした。リーグの判断によって、中断からもう一回プレーをしないといけませんでした。しかし、この点については安全性を考えて、リーグはもう一回見直さないといけない部分じゃないかと思います。両チームのピッチ上の選手も、スタッフも、観客も、とてもショックでプレーを再開できる状態ではなかったと思います。

――昨季より最初の1敗が早く来たが、今後への立て直しは?

フエンテス 昨シーズンと比較すると、少し早い敗戦かもしれません。それでもオーシャンカップのタイトルも取っていますし、公式戦9試合連続で勝ってきています。毎週毎週トレーニングをして、そういう結果が得られていたと思います。良くしていくべきところは自分たちのメンタルの部分です。自分たちが成長していくために、より吸収できるために準備が必要だと思います。長い時間、高いレベルを継続するのは難しいことですが、自分自身と闘いながら成長することが大切です。リラックスしたくない時も、体がそうなってしまうことがあるので、そういったことをできるだけなくすようにしないといけません。

大阪戦後の名古屋 篠田龍馬キャプテンのコメント

――試合の感想を聞かせてください。

篠田 主導権を握っていたなかで、しとめることができなかった。前半は特に相手はやりたいことができていなかったと思います。ずっとこっちが主導権を握っているなかで、ゴールを決められなかったことが、自分は外から見ていて大きかったんじゃないかと思います。それが結果につながったというか。前半の良かったところでゴールを奪えなかったことが、相手に先制点を取られていますが、1-1になってからもこっちが主導権は握っていたので、それがゲームの結果につながってしまったと思います。

――頭がぶつかり合って選手が倒れてしまい、いつも通り戦えないような状況だったと思いますが、ピッチの外から見ていて、どういうふうにしないといけないと思っていましたか?

篠田 みんな近くでその状況を見ていましたし、普通に考えたら続けるのは難しい精神状態のなかで、みんながいて、監督も言っていましたが、そういう判断になってしまったのであれば、僕たちはやるしかないですよね。やるしかないということで、切り替えるのは難しかったですが、戦わないといけない。一人ひとりが割り切って……割り切り切れていなかった部分はもちろんありましたが、どんな状況であっても決まった以上は戦わないといけなかったので、あまり経験することではないと思いますが、そこでも名古屋オーシャンズとしてしっかりプレーしないといけないということは、みんな理解してプレーしたんじゃないかと思います。

――昨季より最初の1敗が早く来たが、今後への立て直しは?

篠田 僕も監督と同じで、1敗目が早いことに関しては、個人的には気にはなりません。年々、本当に難しいシーズンになっているというか、対戦相手を含め、リーグのレベルが上がっているなかで、簡単に勝てる試合はありません。良い時もあれば悪い時もある。それが去年に比べれば早く来ただけで、そこはあまり気にしていませんが、ここからが大事。次の試合がすごく大事になると思います。いろんな意味で。そこに向けて練習からしっかり取り組んでいくだけ。ずっと勝てると思っているわけではないので、そういうことが絶対に出てくる。そこからどうしていくかというところだと思うので、そこでまた僕たちの強さが次の試合から見せていければいいんじゃないかなと思います。

ここから先は

0字
フットサルの専門誌がなくなった今も、取材活動を続けているライターがいます。3人ともライター以外の側面からもフットサルにかかわっているので、幅広い側面からフットサルの話ができると思っています。

Futsal Media Note

¥1,000 / 月

フットサルメディアを運営している三者による共同webマガジン。 発起人のFutsalXの河合拓、PANNA FUTSALの海野伸明、フット…

FutsalXでは、引き続き、国内各地での取材や日本代表戦の海外取材なども続けていきたいと思っています。今後、事業を継続、さらに拡大していくうえでは、資金が不可欠です。いただいたサポートは、取材経費や新たなコンテンツ作りなどに使用させていただきます。よろしくお願いいたします。