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中止になった大学フットサルの全国大会を代替開催&ライブ配信へ③来年のライブ配信の可能性

―ライブ配信については、いかがだったでしょうか?

藤浪 孝将「企画の反響はすごくて、チャンネル登録者数も1,000人を超えるだけでなく、大会までには1,400人ぐらいまで行きました。準備に関しては、色々あり、最後は夜も寝れない状況が10日ぐらい続き、終わったときは正直、グッタリしました・・・。

関西予選(インスタライブ)の時は『ジンバル』を使って撮影を行いました。やはりブレがあるのと無いのでは(見やすさが)大きく違います。

インスタライブとYouTubeの違いは、いろいろあると思いますが、まずインスタライブはアカウントを持っていないと見れない。YouTubeライブでやろうと思ったのは、このコロナ禍で、お父さん、お母さん、家族にも幅広く見てもらいたかったのと・・・

もう一つはコメントです。

応援メッセージをコメントで入れてもらうのはライブの良いところなので残したかった。でもインスタライブのコメントを入れる、入れないは視聴者側で切り替えれない。それに、インスタライブでコメントを入れると画面に重なってしまう・・・。

画面を横にして撮影すると、コメントで右側が見れない、ゴールシーンとかも見にくくなってしまう。画面を縦にして、下の方にコメントを出すようにもしてみましたが「見にくい」というコメントが来ました・・・。

YouTubeライブなら、視聴者がコメントを表示する表示しないを設定できる。アカウント無しでも見れる。アーカイブをつくれることもあり、(今回はインスタライブではなく)YouTubeライブにしました」

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―視聴数が一番多かったのは、決勝戦ですか?

藤浪 孝将「アナリティクスがありますが、視聴数が一番多かったのは、立命館×桐蔭横浜なんですよ。理由もわかります。盛り上がったんですよ、この試合」

柴田 一慶「良かったですね。3-0から3-3に追いついたのが、最後30秒くらいで…。ラスト2秒でもともと勝っていたチームがもう一度決めて、結局勝つという・・・」

藤浪 孝将「試合ごとの総視聴時間が分で出るんですけど『3万分』というのが最大です。ライブ配信は1回戦から、どの試合も視聴者数が百人を超えました。

2日目といえば金曜日で、北九州市立とびわこ成蹊もPKまで行ったんですけど・・・この試合も盛り上がりました。

平日木曜日の第1試合(10時キックオフ)から、視聴者数は百人を超えていましたね。たぶん、(見ていただいたの多くは)大学生かな・・・。反響にすごい驚いた感じです」

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―2日目、金曜日でしたら、ちょっと働いてる人とかは見るのが難しそうですもんね・・・?

藤浪 孝将「そうですね」

―柴田さんはこういう運営とかに関わり出してから、何年ぐらいになりますか?

柴田 一慶「今年で4年目です」

―関わってみて、感じる課題だったはありますか?

柴田 一慶「運営としては、人(スタッフ)が増えないっていう課題は、永遠の課題です」

―人が増えないのは何故なんでしょう?

柴田 一慶「学生にもっと入ってきて欲しいんです。目的でいうと『学生のための学生のリーグ』なので。

学生自身が回していくのが"ベスト"かなと思ってるんですが、なかなか運営に興味を持っていなかったりとか、興味がある人をうまく巻き込めてないと感じています。

今大会は期間限定ということで集まってくれたましたが、レギュラーで関わってくれているの2人とか・・・。そんな感じですね。

学生リーグをやって行くには、学生の力が必要で、今回、注目を集めたので、これを機に、募集して、体制を整えたいと思っています」

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―運営に関しては、周りに良いモデルはありますか?

柴田 一慶「正直なところ、他の大学スポーツと連携が取れてるかって言うと取れてないのが現状です。

私が学生時代に関東と関西の学生サッカーリーグの方に、『何かタイアップできないか?』と連絡を取ったことあるんですけど、うまく日程調整がつかず、で実現できず終わってしまったことはあります。

なので、大学フットサルの課題としては、どこかのスポーツと情報共有をしていくことと、フットサル界の中での地位を上げていくという2つがあるのかな・・・と思いました。

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大学サッカーが「うまくやっているな」と思うのは、大学サッカー連盟という大学サッカーに特化した組織が運営の主体となっているので、その連盟の中で主体的に活動できる環境があり、その中でトップのリーグ戦だけでなく、トップチームで出場できない選手たちのための「アイリーグ」(Independence League)でも全国大会が実施できるというピラミッド構造ができている。

そういうのを踏まえる、といずれはサッカーの大学連盟のように、主体的に大学フットサルの活性化につながるような組織になっていきたい・・・という大きな夢は描いているところです」

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藤浪 孝将「広報で新しくやったことで言えば、もう一つ、Fリーグから応援メッセージをもらうということもやりました。

すみだの須賀監督と、名古屋の吉川選手。大分の伊藤監督、橋野選手。

SNSでは流せませんでしたが、木暮さんとブルーノ監督のコメントは、会場で、スクリーンに流させていただきました。

尺(動画)の時間や、縦で撮影するのかなど、いろいろと事前に伝えておかないこともあるので、サポートしながら、実際のやり取りは広報の学生たちがやってくれました。

有名な選手や監督との(緊張感のある)やり取りは、今後、社会に出て行く時にも良い経験になったと思います」

藤浪 孝将「フライヤーの話で言うと、出場チームの確定ができず、出向データは空白があるまま、出すことになりました。最後は学生が手書きして配る、ということになりました。だいぶ追い込まれながらも、最後までやってくれました」

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―最後にお伝えしておきたいことなどがありましたら・・・

柴田 一慶「二つありまして・・・

今回の大会に協力してくださった各地域の皆さん、参加してくださった選手の皆さん、大学の皆さん、本当にありがとうございました。

二つ目は、大学フットサルは面白いスポーツで、僕も学生の頑張ってる姿をもっとみなさんに届けられるように、というところを頑張っていきますし、ぜひ高校でフットサルをしたり、高校まではサッカーをやっていたけど大学に入ってフットサルに興味を持った仲間と連携して、この面白さを伝えていけたら、と思っているので、よろしくお願いします!」

藤浪 孝将「今回、僕らは『代替大会』と位置づけ、あくまで『代わりの大会』でしたが、大会の盛り上がり、選手の気持ちの入れ様は凄くて・・・

試合に負ければ泣くし、勝てばものすごく喜びを爆発させるし、それを見ていたら、代替大会でなく、(実際の)インカレと変わらないくらい気持ちを入れてやってくれたのは良かった。

優勝した多摩大が『2連覇』と言ってくれたのは、連盟のインカレと同じ認識を持ってくれたということだと思いますので、すごく喜ばしかったです。

これが大学フットサルを盛り上げていく、良いキッカケにもなれば良いなぁ、と思っています。

学生リーグとしても今回『ライブ配信』をやってみて、『これは無くてはならないものだなぁ』と感じているので、来年、インカレが戻ってきたとき、チャンスがあれば、しっかりやっていきたいと思っています」

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―大学フットサル、関西フットサル、重なっているところもあると思いますが、それぞれの課題は?

藤浪 孝将「大学フットサルで言えば、フットサルはマイナースポーツなので、裾野を広げて行かないといけないと常々思っています。

その辺はのFリーグとかも苦労していると思います。

今回、学生と一緒に動いてみて、(学生は)SNSの使い方がすごく上手で、拡散させる術を知っている。

インスタ(Instagram)の使い方なんかも、僕が全然わからないところを教えてもらったりしたんですけど・・・。

ネットを使った普及に関しては、大学生はすごく力を持っている。

そして数も多い。一つの大学で多いところは40人ぐらいメンバーが居ますから。もっと彼らの力を集結させてやれば、フットサルの普及に大きな力を持っていると思うんです。

今回、大学の関係者のおかげもあって、ネットで盛り上がったのも大きいところだと思います。

大学フットサル・・・フットサル自体もまだまだ小さいですけど、その枠に留まらず、彼ら自身もフットサルを盛り上げていく気持ちを持ってやっていけば、何かを変えていくキッカケになるのではないかと思っています。

今回は圧倒的に多摩大が強かった。ベスト4に関東から3チーム。関西勢はベスト4に残れず。

関西学生リーグのレベルは上がっているが、関西勢は最近全国大会で結果を残せておらず、今回、(出場した選手たちは)"多摩大との差"をすごい認識したと思います。

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ー関東は昔からずっと強い?差は縮まっている?

藤浪 孝将「難しいところですね・・・。

2015年に同志社勝って以降はずっと関東が勝っている。

大昔で言えば、神戸大が3連覇した、関西が強い時代があって、その後、順天堂(ガジル)が強い時代があって、いまは多摩大の時代が来ている感じです。

大学フットサル全体のレベルは上がっていると思います。

多摩大にはありさん(福角監督)が居るのも大きいと思いますが、指導者が居なくても強いチームがあるのが大学フットサルの面白いところ。

練習がFリーグ並にできること、(若くて)走れて後半優位なことなどがその要因かもしれません」

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取材・文=フットサルライター・きみさる

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