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[コラム]Jリーグと日程をずらそう!フットサルを盛り上げる法、その2

2019年12月23日に、立川・府中アスレティックFCに所属する、皆本 晃選手がtwitterでつぶやいた内容(以下)が面白い。「JリーグのオフシーズンはFリーグに観客が入るのでは?」という仮説を立てたのだ。

Fリーグの試合が(近隣の)Jリーグと重なった時は、お客さんが減ってしまう。この仮説が正しいなら、Jリーグと日程をずらすことで、集客を増やすことができるかもしれない。

twitterでつぶやいた、皆本選手、皆本選手が所属する立川・府中アスレティックFCの広報の小関氏、2人に取材させていただいたお話と、筆者の地元にあるシュライカー大阪の話を交えて、少し掘り下げてみようと思う。

JリーグのオフシーズンはFリーグの観客が増える?

これに対する反応(コメント)もまた面白い。

「Jリーグのシーズンはサッカーを観て、オフシーズンはフットサル(Fリーグ)を観るようにしてます」

「(Jリーグが)シーズンオフになると禁断症状のような感じになり、何か同じような興奮できるものがないか探して、Fリーグに行き着きます」

「JリーグもFリーグも観ますが、開催日がズレた時に観に行きます」

などと、皆本選手の仮説を証言する人が複数人。さらに、Y.S.C.C.横浜の渡邉氏も「間違いなく同日同時間に近隣Jの試合とかぶると観客動員減ります」と明言(コメント)した。

高校サッカーともかぶると観客数が減る

皆本選手にも直接、話を聞いてみた。観客数が減るという感覚は、「観客席を見てもそうですし、公式記録の数を確認してもそうですし、友人・知人の話でも、Jリーグと重ならない時は来てもらえる感じはあった」と言う。

さらに、「12月、1月、2月はお客さんが入るんですけど、高校サッカーとかぶると、お客さんが減る感覚もありました」と、新しい情報も出てきた。

ちなみに、残念ながらクラブとしてはこれまで、そのあたりのデータを持っていなかったよう。これは筆者の住む、大阪にあるシュライカー大阪でも同様であった。

※もし、過去にすでにデータを取ったり、分析や検証したクラブがあれば、是非教えてください。(_ _)

2日後にはプロジェクトを始動させた、立川・府中アスレティックFC

これを受けて、クラブもすぐに動いたのが素晴らしい。皆本選手のつぶやきから2日後、立川・府中アスレティックFCのホームページに、以下の『緊急企画』のニュースが載った。週末の試合の3日前のことだ。

"Fリーグをまだ観たことがない方、かつ、その他のスポーツ有料試合の半券または、各スポーツチームのファンクラブカード(シーズンシートカード)等をお持ちの方"を対象に、特別優待価格を設定したのだ。

個人的には、『半券って、観戦後も持っているの?(捨てちゃわないの?)』という疑問もあったが、やはり持ってきたチケットはほとんどが天皇杯(これから使う)チケットであったようで、試合3日前の告知と言うこともあり、大きな数では無かったが、その半数は「明らかに新規のおきゃっくさん」で「多少なりとも影響があるというのはわかった」と言う。

今後については、「直接(他のスポーツクラブの)ファンクラブに呼びかけることができるような関係性をつくって行きたい。お互いのクラブの関係性や、こういったことを嫌がるところもあると思うが、やってみる価値はある」という。

"金曜20時開催推奨"のワケ

皆本選手は『金曜20時開催推奨』だというが、その根拠は「メインの予定ではなく"ついで"にでも来てもらう」ことにあるという。

「Jリーグはスタジアムグルメがあったり、"1日楽しんでもらう"というコンセプトがある。実際に自分が行っても、試合の前後にも色んなことがあって、行った感がある」

「でもそのままフットサルでしようと思っても、結構大変だと思っている。サッカーのように、スタジアムに1万人、2万人が集まるのなら、グルメやショップ、イベントのスタッフやコストも戻って来る可能性もあるが、2,500人で満員のフットサルだと難しい部分がある」

「ただ、(フットサルは)コンテンツとしては面白いと思うので、半日ぐらいのパッケージでも楽しんでもらえるように。(フットサル観戦の場合は)時間の使い方は違うと自覚した方が良いのでは?と思っていて、金曜20時なら、仕事帰りであったり、少年団の子たちの活動が無かったり、色んな人が来れる。強気に土日の昼間の14時とかに設定するのではなく、まずは、何かの予定の片手間でも、来てくれる人を増やす必要があるのでは?」と、考えている。

皆本選手が、次にやろうとしていること

さらに「次はオンラインサロンを始めようと思っている」と言う。

「先月のホームゲームの前にビラ配りを始めてしました。twitterで『来てくれる人集まって』とつぶやいたら、15人くらい集まってくれて、みんなでビラ配りをした。それが(その経緯が)すごく面白くて」

「自分一人で出来ないこと、みんなで力を合わせればできるんだなぁと。当たり前のことだけど、いきなり知らない人に『これやって』とは言えないので難しいと思っていた。でも一緒にやるなら人は集まってくれるのでは?と思って、自分たちでそういうグループを作って活動したい」

「ファン・サポーターというよりも、僕と一緒に何かをやりたい人。『フットサルを盛り上げることをやりたい人、集まれ』という感じで」

「今は地道な活動をもっとやりたい。何か目立つことをやるというよりは、地元で、どぶ板選挙のようなことをするのが、今は大事なんじゃないか」と、皆本選手は考えている。

立川・府中アスレティックFC、クラブとしての取り組み

立川・府中アスレティックFCの広報(などの)担当の小関氏にも話しを伺った。

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