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深夜鉄道0:00

終電23:55

ホームは全て終夜灯に切り替わる。
広告看板も全て青白い画面に。

薄暗いホームにまばらな人影。

しばらくすると音もなく列車が入線する。
時刻表には載ってない列車。

重い足取りの人々が車両に乗り込むと、
車掌の合図で扉はゆっくり締まる。

列車は緩やかに走り出す。

乗客は思い思いの座席に身体を預け、
流れる青白い光をうつろな瞳で眺めてる。

囁くような車内アナウンス。
「本日はご乗車ありがとうごさいます。
 当列車は臨時列車になっております。
 
 環状線外回りを徐行運転にて、
 明け方まで運行いたします
 
 なお各車両に降車ボタンがございますので、
 お知らせ頂ければ次の駅にて列車は停まります。 
 
 お疲れの皆様が安らげるよう安全運転に努めます。
 
 本日はゆりかご列車ご利用頂き、
 誠にありがとうございます」

ほのかな常夜灯に照らされた車内からは、
まだ眠らない街の灯りが流れてゆく。

そして人々は列車に揺られ…
ただただ…静かな時間に身を委ねる。


お疲れ様でした。