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ノートパソコン1台でDJ配信を行うときのコツ・備忘録

新型コロナウイルス感染症の影響で、多くのクラブは営業自粛を強いられている状態で、我々DJの出演・表現の場が失われています。
その最中、各ベニューが手動での配信イベントなどは多く行われていますが、DJ個人でも配信を行うのが流行っていますね。

その中僕が主宰しているTREKKIE TRAXでも、毎週土曜日にオンラインDJパーティー「POSITIVE with MUSIC 2020」という配信イベントを行っております。
大変盛況で、毎回1000人ぐらいの方に視聴していだいております。
その際にTREKKIE TRAXに所属している様々なメンバーと配信検証や、環境検証など、様々なテストを行ったので、その際に学んだ「コツ」を備忘録としてまとめておこうと思います。

TREKKIE TRAX Twitch Official Channel (是非フォローしてくださいね)
https://www.twitch.tv/trekkietrax

1. 機材の準備 (ノートパソコン1台でも配信可能)

DJ配信を行うにおいて、機材の準備は一番時間のかかることだと思います、また自分の持っている機材環境で配信が出来るのかな?と思っている人も多いとおもますので、ざっくりまとめます。

◆必須
1. パソコン(ノートパソコンでも可能 / 筆者はMacbook Air Early 2015という5年前ののラップトップでも問題なく配信できています。)
2. DJソフト (rekordbox dj、TORAKTOR、Serato、Ableton Liveなど)
3. 配信ソフト (OBS、X Splitなど)

◆準必須(なくても配信出来るが、あったほうが良い)

1. DJ機材(CDJ、PCDJ、DVS、各種MIDIコントローラー、DJ用インターフェイスなど各位の在宅環境でスピーカーから音が出ればOK)
2. 配信用インターフェイス (DJ機材からのマスターを再度パソコンに入力のに使用するが、PCDJだと極論不要)

◆任意
1. 各種WEBカメラ
2. 各種スマホ(WEBカメラの代用)

2. 筆者の配信環境 (CDJを使用した場合)

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使用機材
Macbook Air / Early 2015 (DJ/配信用のパソコン)
TRAKTOR Audio2 MK-II (DJ用インターフェイス)+AC電源
USBハブ (BUFFALO BSH4A20U3BK)+AC電源
CDJ-350×2 (今回はMIDIコントロール用)
DJM-350(DJミキサー)
BEHRINGER UCA-222 (配信用インターフェイス)
iPhone 11 Pro MAX (配信用カメラ)

使用ソフトウェア
rekordbox Ver.6.00 (DJソフトウェア)
OBS (配信ソフトウェア)

簡単に説明すると、Mac + rekordboxでDJを行い、CDJ-350をMIDIコントローラー代わりに使用し、TRAKTOR AUDIO2 MK-IIからRCAケーブル2本でDECK1とDECK2の2チャンネルで音源をアウトし、DJM-350のミキサーに入力、なので実質rekordbox+CDJ350セットでDJプレイを行い、そのマスターをスピーカーと、配信用インターフェイスのUCA-222にインプットし、インターフェイス経由でDJミキサーの音をOBS(配信ソフト)にインプットしています。
またカメラはMacのインカメでも良いのだが、WEBカメラ・もしくはiPhoneをWEBカメラとして代用すると手元やDJ姿が撮影出来るので良ですね。
という、XDJ-RRかXDJ-RX2でも持っていればもっと機材のセッティングが綺麗になりそうななか、USBのポート数、そしてUSBの電力数と戦った結果、このような他の人には見ない複雑な構成になっています。

備忘録① : 機材がなくてもDJソフトのみで配信も出来る

上記の様なしっかりしたCDJやPCDJ、インターフェイスがなくてもDJソフトだけあればDJ配信は可能です。
DJソフトのMIXモード(TRAKTORのMixerモード/rekordbox djのPerformanceモード)などでDJソフト上でMIXしたものを、Blackholeなどのデスクトップ上の音声を配信出来るプラグインを使用し、OBSに入力すればOKです。
Blackhole (Mac)の使用法は下記の記事を参考に。

最新のmacOSに対応し、SoundFlowerのように仮想オーディオ入出力を作成できるオープンソースのユーティリティ「BlackHole」がリリース。https://applech2.com/archives/20191125-blackhole-for-mac-virtual-audio-driver-soundflower-alternative-app.html

備忘録② : USB機材・ハブはセルフパワーのものを使用すること!

備忘録ポイントです。USB機材(MIDIコントローラーやインターフェイスなど)は必ずセルフパワーのものを使用したほうが良いです。特にノートパソコンだとUSBに供給される電源量が少なく、配信音源にノイズが載る事が多いです(実際僕はバスパワーのみだとノイズがのったため、インターフェイスやUSBハブにAC電源を刺し、セルフパワーにしたところノイズが改善しました。)
USBハブはセルフパワーの下記のものがオススメです。

BUFFALO USB3.0 セルフパワー 4ポートハブ ブラック スタンダードモデル BSH4A125U3BK 【Nintendo Switch/Windows/Mac対応】
https://amzn.to/2WeJz7w

3. 配信ソフト(OBS)の設定について

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映像や音声をTwitchやYoutube、Twitterなどに配信するときは配信ソフトを使用します。一般的にはOBSというフリーソフトを使うことが多いです。
このソフトの使い方はさんざんトピック記事が上がっているので、それを参考にしてください。僕はTwitchで配信を行っているので、下記の記事を参考にしました。(基本的にはゲーム配信とやり方は変わらないです。)

【Twitch】OBSでゲーム配信する場合の、実践的な設定方法
https://vip-jikkyo.net/stream-to-twitch-with-obs

またゲーム配信を行うわけではないので、リアルタイム性やフレームレートはそこまで重視されないと思います。
なのでOBSの配信ビットレートは1000Kbsぐらいでも問題なさそうです。基本的にDJソフトウェアがかなり重たいので、最新型のMacbook Proなどではない限り、高画質配信の設定から少し下げた設定が良さそうです。

備忘録③ : 配信を行う前に、自分のインターネット環境をチェック

この部分はかなりいろんな検証を行う上でネックになった部分です。
現在の集合住宅は集合住宅で1本の回線を共有していたり、家族とWifiを共有していたりすることが多いので、爆速という状況ではないです。
DJ配信・ゲーム配信には最低限のインターネット環境が必要なため、下記のスピードテストサイトなどで自分のインターネット環境を把握しておくのがオススメです。

ブロードバンドスピードテスト
https://www.bspeedtest.jp/

基本的にアップロードが10~20MB出ていれば、DJ配信には問題なさそうです。アップロードが10MB以下の場合、画質が低下したり、ラグが大きくなったりします。
そういった場合はスマートフォンを使ってテザリングを行うなども手の一つです。ちなみに1時間の配信で2~3GBのギガが消費されるようです。

またルーターが古いものだとインターネットの速度が著しく低下することが多いです。
筆者は下記のルーターを使用し、一般的なNTTフレッツ光でアップロード・ダウンロード共に200MB程度出ていますので、配信環境はかなり安定しています。

BUFFALO WiFi 無線LAN ルーター WSR-A2533DHP2-CB 11ac ac2600 1733+800Mbps
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備忘録④ : Macユーザーは「アップル VT H264 ハードウェアエンコーダ」がおすすめ!

DJソフトと配信ソフトを起動すると、どうしてもCPU使用率が高くなってしまい、DJ・配信ともに重くなりがちです。
その時OBSの出力のエンコーダー設定を「アップル VT H264 ハードウェアエンコーダ」にするとCPU使用率が大幅に下がることがあります。
これはエンコーダー処理をMacに付属しているハードウェアのGPUに行わせることでCPUの負担を軽くする、ということです。
また一部のMacbook ProやMacbook Airではこちらの効果がなかったり、配信しても画面が真っ暗になってしまうことがあるようです。その場合は通常通りのソフトウェアのH264を使用するのがオススメです。

MacでOBS配信をする時はハードウェアエンコーダがおすすめ、というよりベストです
https://www.helioblog.info/entry/2018/10/30/074339

備忘録⑤ : WEBカメラはスマホのカメラを代用出来る

テレワーク推奨の影響でWEBカメラがめちゃくちゃ高騰している関係で、完全に今は手に入りません。なので現在使用しているスマホや、過去の使用していたスマホ、あとはGo ProなどをWEBカメラとして使用するのがオススメです。画素数もWEBカメラに比べて大きいものが多いので綺麗な映像になりますよ。
筆者は下記の記事を参考に、NDI HX CameraをOBSに入力しています。
(Go Proなども検索すれば似たような記事が出てきます。)

Newtek NDI HXカメラとOBS StudioでiPhoneからストリーミング
https://www.cinema5d.com/jp/how-to-stream-live-from-ios-devices-for-free-using-newtek-ndi-hx-camera-and-obs-studio/

なお配信のクォリティもアーティストによってはかなり高いレベルになってきていますし、TREKKIE TRAXでも数名のアーティストはグリーンバックでクロマキー合成を行ったり、自分でVJ映像を作って背景で流していたりします。

という感じで、ざっくりですが最低限の話と、覚えておいたほうがよい備忘録などをまとめました。
是非これから配信を始められる方は参考にしてみてくださいね。


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