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2022.09.14 CL GS第2節 バイエルン vs バルセロナ(H)

レヴァンドフスキが移籍直後に実に短い別れで古巣と対戦。
バイエルンは目下バルセロナ相手に連勝中で好相性とは言われているが、今期のバルサは今までとは違う。
生まれ変わってチーム力もかなり向上したバルサは、今までの呪いを解き放てる可能性があると、チーム力がより拮抗した状態で好ゲームが予想された今回の試合。

スタメンはこちら。

大方の予想通り、ツーボランチのキミッヒの相棒はザビツァーが担当。2CBはリュカとウパメカノが担当。

試合展開だが、互いにハマる形で最初ラインまで戻したボールがキーパー経由で中盤に送られ、そこで激しい奪取合戦が繰り広げられる、という感じで始まった。
バルサはまともに通して見たのは久しぶりだが、やっぱりペドリは本当に素晴らしかった。
基本的に、バルサと戦う時はボランチに位置する選手(だいたいブスケッツ)を自由にやらせないよう立ち回るのがデフォ。
前半の間はペドリもガビも元気いっぱいだったのでバイエルン的にはなかなかデバフをかけられず苦労していたが、後半になってゴレツカが投入されてからは中盤の強度が一気に増したため、チャンスは作られてはいたもののかなりやりやすくなっていたと感じた。

最終的には2-0で勝利。スコアほどの差はなく、かなりギリギリの戦いで、観ていて面白いゲームだった。
しっかり勝負になり、結果的に勝てたのもバルサが愚直に殴り合ってくれたからというのもある。まぁ、引いて守るのはバルサじゃないよね。相性云々もそういうところにあるんじゃないかな。

以下個人レビュー

・マネ あまりインパクトは残せず、攻撃面での連携に課題が残る。というのが一般論で、攻撃での連携はそうかもしれないが、見ていた感じでは守備時のプレスの掛け方やプレス相手の受け渡しなんかはスムーズで、その辺りの意思疎通はミュラーと上手くできている印象。慣れてくりゃ攻撃面でもケチャドバが期待できると思うよ?
「できれば右でやりたいんだけど…既にサネ居るから? 仕方ないか。左で頑張ってみるわ」

・サネ 変なロストや変なパスミス、変なポジショニングにモヤつくが、なんだかんだで必死に守備に奔走し、オマケに追加点をゲット。これがスターの器であり10番の器なのだろう。
バルサはSBがかなり開く配置を取ることもあり、幅を取りすぎないように右で使われていたのか? やりにくそうではあった。
「できれば左でやりたいんだけど…既にマネ居るから? 仕方ないか。右で頑張ってみるわ」

・ミュラー バースデーゴールとはならなかったものの、フル出場で攻守に走り回り味方を鼓舞して前線から指揮。ゲルマン魂の体現。レヴィと旧交を温めるシーンもファン冥利に尽きるの一言。
あまり話題にはなってないが、2点目の時のフリーランは素晴らしく、見事なサネのドリブルコースを切り拓いた。
「カンプノウでまた遊ぼう!」

・ムシアラ ミュラーといいバンビといい、よくボールが収まる。諸先輩方の癖や嗜好が把握できているようで、2点目のサネへのラストパスはいかにも「これしかない」というもので見事だった。決まった時にニッコニコでサネを追いかける姿がめちゃくちゃ可愛くて多くのファンを生み出した様子。
「靴紐、もう自分で結べるようになったよ! マジックテープは卒業だ!」

・ザビッツァー キミッヒの相方として出場。ゴレツカと異なり、バランサーとしての役割をより重視している印象なのはいつも通り。ゴレツカが上がった際にキミッヒの脇のスペースを突かれるカウンターに今まで苦労していたことを鑑みると、バルサのようにボール支配を重視するチーム相手にはゴレツカの方が良いかもしれない。少しペドリとブスケッツを自由にさせすぎてしまったかも。
「このポジションの競争率が高すぎる件」

・キミッヒ 個人的MOMは彼。最低限ブスケッツにプレッシャーをかけつつ、長短織り交ぜた正確なパスを供給し続け、めっちゃ走り、めっちゃ声を挙げて鼓舞し、チームの心臓として君臨。先制点のコーナーキックもお見事だった。言うことなし。
「過密日程? 知らん。ワイは出続けるで」

・デイビス ミュラーと並びクレのトラウマ製造機として名高い彼は今日もしっかりと左サイドを制圧。時折ポジショニングが変な時もあるが、持ち前のスピードとパワーでボールを奪い、運び、チャンスを創造。リーグ戦ではスピードを活かせるスペースを悉く消されてしまっていたので、この辺りもバルサとの相性の良さの一因かも。
「あぶねー。ファール取られにくいタックル、覚えておいて良かった」

・ウパメカノ 色々と批判に晒されたり議論の対象になってしまう彼。ビルドアップのポジショニングやパスのクオリティについてはコメントを控えたいが、やっぱりディフェンダーは守れてナンボである。リュカと双璧を為し、結果的にクリーンシートを達成と、実に素晴らしい。負傷があったようだが、離脱期間は不明。軽いことを祈る。
療養中にでもしっかりビルドアップ時のレクチャーを受けて身につけてくれれば文句無し。まだ若い、これから。
「やっぱりワイが分析されて炎上しとるがな」

・リュカ ウパメカノと共に強靭な壁となりゴールを守り抜いた。ディフェンダーは守れてナンボ。しかもセットプレーから貴重な先制点をもぎ取り、ここ一番での勝負強さを見せてくれた。素晴らしい。
非常に残念なのが内転筋の負傷でしばらく休養が必要なところ。不幸中の幸いなのが、本人が至って楽観的なところ。そのメンタリティはガチで尊敬に値する。多分血液型はO型だと思う。
「んー。よくわからんけど大丈夫っしょ!」

・パヴァール 開始20分ほどで負傷交代。調子を上げていたところなのでこれは不幸すぎる。
というか、最終ラインの離脱者が多すぎてやばいかもしれん。
「無念…。せめてボレーを一発ぶちかましたかった…」

・ノイアー 危なっかしいパスが一回あったが、それ以外はまさに守護神としてゴール前に君臨し続けた。レヴィやペドリの非常に危険なシュートが何発かあったが、うまくコースを限定したりブロックを行ったりで、クリーンシート最大の立役者に。
どう動いたらキーパーからのビルドアップがしやすいのか、リュカとウパにしっかり落とし込んであげてくれ。
「久しぶりにキーパーらしい活躍ができた気がする」

・マズラウィ 負傷退場となったベンジーに代わり途中出場。入団してから最も長時間のプレーがCLの大一番のバルサ戦というのが中々に高いハードルだったが、これが悪くない出来。
純粋な守備力や危機察知能力はベンジーに一日の長があるが、攻撃面での貢献はマズラウィに軍配が上がるのでは。ベンジーの分までリーグ戦でも是非とも躍動してほしい。
「守備の見せ場もあったぜ。あれはマジで危なかった…」

・ゴレツカ 後半からザビッツァーに代わり途中出場。爆発的な推進力と強靭極まりないフィジカルで、中盤を一気に楽にさせた。彼が出てきてからペドリの消耗がえげつなくなった印象。
攻めてくる相手に対してはやっぱりキミッヒのベストパートナーなのではないかという印象。
「男性ホルモンは筋肉量が増やし、毛髪量を減らす。つまりそう言うことだ」

・ニャブリ マネに代わり途中出場。そこまでインパクトは残せなかったが、プレスの掛け方やポジショニングを間違えないのでバルサを好きにさせない働きは最低限できていたと思う。
でもどうせなら得意の右で見たいし、ミニアフロヘアーでいてほしいのだ。
「できれば右でやりたいんだけど…既にサネ居るから? 仕方ないか。左で頑張ってみるわ」

・テル サネに代わり途中出場。出場時間も少なくそこまでインパクトは残せなかったが、その中で凄いジャンプ力を披露したり、宇宙開発をしたりとのびのびプレーはできたと思われる。バルサ戦をここで経験できたのは大きな糧になるだろう。でもできれば得意の左で見たかった。
「できれば左でやりたいんだけど…既にニャブリ居るから? 仕方ないか。右で頑張ってみるわ」

・ジロー ムシアラに代わり途中出場。出場時間は少なかったが、いつもの一列前でのプレーも無難にこなしていた。キミッヒの相方のポジション争いが苛烈だが、オプションとしてトップ下での起用とかあるかもとか思ってしまった。あるいはゴレツカをシャルケ時代のようにトップ下で起用したりとか。個人的にはCBで一度試してもらいたい。
「俺とテルが出たときGLAYって言われました」

・ナーゲルスマン 後半からの修正はドンピシャ。ただ、あまり理論値での正面突破にこだわり過ぎてプランが狂うのは良くない。バルサは馬鹿正直に殴り合ってくれたが、リーグの引いて守る相手にどうするか、柔軟性をどう融和させる?
次の選択を楽しみにしたい。
「名前似てるからマネとサネ、立ち位置逆で指示しちゃってたわ」


総括

バルサ側でのポジティブな意見は多く、実際に両チームの差は大きくないと思う。バルサは発展途上で、カンプノウでのリベンジへのモチベーションは高いが、発展途上なのはバイエルンもまた然り。しっかり返り討ちにしてあげてほしい。

差し当たり次のリーグ戦はアウクスブルク。
ローテーションをどうするのか、最終ラインの人選はどうするのか、気になることは多々あるが楽しみにしたい。

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